初めから仕組んでやがった
くそお……これがマジなら、もうアニメ見られないの?
ゲームできないの?
イベント動画見れないの?
嫁に、ティターニアに会えないの?
「では実際に戦ってみてください!
そのお体はタケマルさんのためにできたもの!
つまり、そのお体を思い通りに動かすことができるのなら、
それはタケマルさんの魂と肉体が完全に溶け合い共鳴している証拠!!
だとすれば、それはタケマルさんが
この世界に来るべくして来たという証拠でもあるのです!!!」
「何バカなこと言ってんだ!!」
そんな強引な理屈で納得しませんからね!?
「それでは行ってらっしゃい!」
フミオノーレはまた何かの呪文をとっとと唱えると、俺の足元が
落とし穴みたいに開いた。ウソ!?
「うわ……」
叫ぶ間もなく落とし穴に落とされ、チューブ状のスライダーみたいなものを
滑っていく。
そして闘技場の壁からポイっと飛び出し、見事に着地。
俺は上を見上げてすぐさま叫ぶ。
「何するんだ!!」
「さあタケマルさん、救世主たるその魂の力、存分にお見せ下さい!」
フミオノーレのあの目、
完全に自分の世界に行ってる感じだ……。
ヤバいヤバいと思ってたけど、
本当にヤバいじゃん、あの子……。
と、思ってたら、向かい側にデカい金属の箱がせり上がってきた。
デカい……変な言い方だけど、小さいビルくらいデカい。
そして、正面にある格子状の柵が、軋みながら開く。
ヤバい……暗くて何がいるんだか分からんけど、
何か凄い地鳴りみたいな呻き声というか鳴き声が聞こえる……。
と、突然、両側からガシャッという音が響いた。
「うわっ! なんだ!?」
見たら地面のあちこちが反転して、中から剣やら槍やら斧やらが出て来ていた。
「お好きな物を使って下さい! 全部タケマルさんに
合わせて作らせた業物です!」
「このやろ、全部初めから仕組んでやがったな!?」
ご丁寧に武器まで用意しやがって。
絶対初めからこうする気だったんだ、あの魔女っ子め!
くそ、何が救世主だ。
自分好みの妄想を現実化しようとしてるだけだろ!
ああ、腹立ってくる!
何としてもここから出て、洗いざらい吐いてもらわんと気が済まん!
でも……その前に、あれなんとかせにゃ……。
気が付くと、意気込む俺のやる気をそぐような厳つい魔物が、
もう目の前にまで出て来ていた。




