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平和な世界に勇者召喚  作者: 和威
39/107

初めての治療

*************

****(*´ω`*)****ウフフ

オハナバタケガミエル~***

今日は「猫の憩い亭」開店の日だ。

既に何名かの予約が入っている。

昼になれば、食堂として開く為お父さんはその仕込みをしており、お母さんは宿の部屋を最終チェックして回っている。

私も、今日はお手伝いだ。

明るい黄緑色のワンピースに真っ白なエプロンを着けている。

エプロンの胸元には、虎猫の刺繍が入ってる。

私は、お店の扉を開けると「準備中」と書かれた看板を出した。

お店を開けるにあたって、両親に私の世界のお店について聞かれたので、

お客が来たら、お水とおしぼりのサービス、呼び鈴、ランチサービス等を話した。

お水とおしぼり、ランチが採用されました。

ふんふん♪ふ~ん♪

と、適当な鼻歌を歌いながら掃き掃除をしていると、見知った1人のドワーフが息を切らしながら、走ってきた。

「はぁ、はぁ、じょ、嬢ちゃん!ゼナスは、はぁ、中、ゾナ?」

「はい、あの、」

戸惑っていると、ドワーフのギドさんはお店の中へ駆け込む。

「ゼナス!助けて欲しいゾナ!」

と叫んだ。





水を飲み、少し落ち着いたギドさんの話を聞いた。

「嬢ちゃんも知っとる男ゾナ。ゼフと名乗っとるゾナ。何をやらかしたのか、死にていで家の裏口に倒れとったゾナ。毒も喰らっとるゾナ。市販の物も効かんゾナ。」

「……お医者さんに」

「……訳有りゾナ。教会はもっと駄目ゾナ。」

「回復魔法の使い手は、ことごとく教会が確保してしまうのよ。高い御布施を払わないと見てもらえないわ。」

うわぁ、悪徳教会ですか。

「ユウナさんが使えると昔聞いた気がしたゾナ。」

「……小さい傷を治せる程度…………チナツ?」

「?」

「チナツはどうなの?もしかして使えるんじゃない?」

確かに、小さい傷なら自分で付けて試しましたよ。

出来たけど、

「死にそうな程の怪我なんて試した事ないから、分からないけど…………。」

「ん、試せば良い。」

「そうじゃ、嬢ちゃん。ちょっとでも出来るのなら試して欲しいゾナ!どのみち、他に頼れる所はないゾナ!やって駄目なら諦めも付くゾナ!」

ギドさんが私の両腕を掴んで、懇願してくる。

両親を見る。

「お店の事は心配しなくて良いから、行ってあげて。」

「ん、行ってこい。」

「じゃあ、行ってみます。」




はい!ギドさんの家の前です。

ギドさんは「もう、走れんゾナ。先に行って欲しいゾナ。」と言って家の鍵を渡されたので、1人で来ました。

ティオも居るけどね!

鍵を開け、中に入る。

ギドさんから、1番奥の部屋に寝かせてあると言っていたので、遠慮無く入っていく。

微かな呻き声が聞こえたので、その部屋に駆け込んだ。

ドワーフ用の短めのベッドにおじさんが寝かされていた。

服を脱がされ、傷口と思われる場所に布や包帯で止血がされていた。

毒のせいか効果はあまり無かったようで、真っ赤に染まっている。

包帯の隙間から見える肌も青黒く変色してしまっている。

傷口が膿んでいるのか、異臭もしている。

此処まで酷いとは思ってなかった。

あまりの酷さに吐き気が込み上げてきたが、なんとか堪える。

生きているのが奇跡だ。

「ご主人~大丈夫ニャ~?」

ティオが心配そうに聞いてくる。鼻が良い為か、部屋の入口をぐるぐる回っている。

「だ、大丈夫、やっ、て見る。」

ふらふらとおじさんに近づく。

心臓が煩い。

落ち着け、落ち着け、落ち着け!!

震える手をおじさんの上にかざす。

取り敢えず、汚れを落とさなきゃ…。

「リフレッシュ!」

布や包帯が白くなるが、直ぐに血で染まっていく。

血を、止めないと!

「ヒール!」

白い光が傷口に吸い込まれていく。

2度3度と「ヒール」を掛けた。

それでやっと血が止まった。

後は、毒だ。

状態異常…の回復魔法……落ち着け私!

そう、身体を正常な状態に戻す、だ。

「リカバリー!」

唱えると今度は青い光が、おじさんの身体に吸い込まれていった。

肌の青黒さが少し薄まる。

「ヒール」と同様に連続で唱える。

やっとおじさんの呼吸が落ち着いた。

はぁはぁはぁ、いつの間にか私の息も上がっていた。

汗も凄い。

立ってるのも辛くて、膝から崩れるように床に座り込んだ。

ティオが駆けてくる。

「ご主人~!」

「ん、大丈夫、はぁ、ちょっと疲れただけ。お願いがあるんだけど……。」

「ニャんニャ?ニャんでもするニャ!」

「ふぅ、お父さんかお母さんに上手く出来た事と疲れたから休ませて貰うって、伝えて来てほしい、の」

「分かったニャ!直ぐ言って戻るニャ!」

そう言って、部屋から飛び出して行った。

入れ代わりにギドさんが来た。

座り込む私を見て、慌てて駆けてくる。

「疲れただけですから、大丈夫、です。休ませて貰っても、」

「好きなだけ休むと良いゾナ!少し待つゾナ!布団取ってくるゾナ!」

ギドさんは、ドタドタと走っていくと直ぐに戻ってきた。

お布団を床に広げてもらうと、私は這うようにして潜り 「リフレッシュ」を掛け直ぐに眠りに落ちた。



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