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第1章 吟遊詩人で占い師 第1話「異世界転生」

「この世界は何だろうか?人間は何だろうか?宇宙の神秘、神の存在は?これは占いの存在理由として証明できるのか、、、?」

ふと意識が途切れた。

石田俊吾は転生していた。気づけば草原に投げ出されていた。そういえば投げ出される直前、「お前は異世界行きだ」って言われたような気がする。

「とりあえず持ち物を確認するか、、、。」

ギター、易学で使っていたサイコロ、数秘術の本、易学の教科書、算命学の教科書、1日分の食料、メモ帳とペン。これだけか。リュックにいろいろ入っていて助かった。これならば数日分は生きていけるだろう。もともとちょっと家出して帰ってくる際に車に轢かれたんだっけ。

「まずは街を目指して現状を把握していこう」

俊吾は遠くに見える街を目指して歩いて行った。


街は関所というものは無く、治安も良さそうであった。小規模だがきれいで活気あり、優しげな雰囲気のある街だった。入り口中央にある噴水が晴れた日の光を反射して光って、キラキラしている。

「とりあえず失礼のない範囲で調査してみよう。」

街の住人に話しかけ情報を集めてみた。どうやら俊吾の日本語は通じるようだ。そのことに安堵しつつ、この街がどんな街なのか概要は把握できた。

アストリテの街、住人数は1000人程度、貿易や商業が盛ん、マイトランド王国支配下の1都市、街の管理者は貴族のカーマライト家が治めている。通貨はグレン金貨、銀貨、銅貨等。概ね日本と同じような金銭体系だ。金貨が万札、銀貨が千円札、銅貨が硬貨みたいなイメージだ。

広場のベンチに座って、歩き疲れて棒になった脚を休ませつつ、はしゃぐ子供達の声を聞きながら、俊吾はメモにこれらの情報をまとめていた。

「とりあえず、宿と仕事が必要そうだな。」

と言っても金が無い。腹も減ってきた。これが異世界ならではの体験なのか?陽も沈んできた。

「苦しいが野宿するしかないか」

できるだけ安全な場所を探し、そこで野宿する、と決め込んだ。

川の橋の下にリュックを枕にして寝転がる。やはりというか、寝心地は最悪だ。

「早く仕事を見つけないとな。」

ふと黒い影が視界に入った。橋の下に近づいてくる。何者だろう?

「おい」

男性の低い声が聞こえる。

「金目のものを出せ」

こんなところでも野盗は出るのだな。治安は日本よりかは悪いらしい。しょうがないか。

「これは金目のものか?あいにく金は持っていないんだ。」

男は呆れて肩をすくめた。

「こりゃあ奴隷として売るしかなさそうだな。」

失敗した。どうやらこの場合はさっさと逃げた方がよかったらしい。

「異世界来てここでゲームオーバーか。」

「何言ってるかわからんが、とりあえず殺されたくなければ俺についてこい」

「わかりました」

橋まで上がり、男達が乗っている馬車まで近づいたところ、灯が見えた。

「まずいぞ。ずらかれ!」

俊吾はさすがにこの男達とともにずらかる気はなかったので、男達が動揺している隙に走って逃げた。

灯が近くまで見えた。どうやら自警団のようなものらしい。

「何者だ?こんな夜中にウロウロして。あやうく売り飛ばされるところだったぞ。」

女の声だった。中世ヨーロッパのような銀色の鎧を着て馬も何頭か連れている。

「すみません。実はこの街に越してきたばかりでいろいろ勝手が分からず。お金や食料も盗まれてしまい、橋の下で途方に暮れておりました。助けてくださり、ありがとうございます。」

「それは災難だったな。それなら私が職を斡旋してやろう。お前は何かできることはあるのか?」

俊吾は一瞬迷ったが、その自警団の人にこう言った。

「ギターが弾けて歌を歌えます。」

「そうか。なら聴かせてみてくれ。」

「わかりました。」

俊吾はギターを手に取り、即興でこれまでの気持ちを歌にして弾き語った。


透明な空、輝く光。君の嘆きも悲しみも。

全て受け止めてくれる世界ならば、こんなにきれいなものじゃない。

だってこの街の輝きは、不安定な心、揺らぎだから。

きっと本当に美しいものは、人の心の音、奏でる日々さ。

ハート、アート、ライフ、スマイル、ハプニングだって楽しみたいな。

、、、そうだ。心揺れる世界で生きたいな。

磨いていくんだ心を込めて、研ぎ澄ませた感性で歌えるならば、

きっと人の心でさえも変えていくんだ!


拍手の音が聞こえた。

「いいな。クリス語が入っているところも斬新でいい。ここの近くに酒場があるんだが、私からそこに紹介するように取り計ろう。明日の昼頃に寄ってみるといい。」

「何から何までありがとうございます。あなたの名前を教えていただくことはできないでしょうか?私は、、、。シュンゴ・グラナイトと言います。」

「シュンゴか、、、。私の名はアンジェ。ここの自警団の団長を務めさせてもらっている。」

「何から何までありがとうございました。アンジェさん。」

アンジェは少し悩んでから、シュンゴにグレン金貨を一枚渡した。

「とりあえずこの金で宿を取るといい。ではよいアストリテでの生活を!」

「本当にありがとうございました!」

俊吾は深く頭を下げて礼を言い、アンジェの姿が見えなくなるまで顔を上げなかった。

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