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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第二章:ルスティア編
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第十四録:これで対等 二節「無慈悲に堕ちろ地獄まで」

刃が激しく激突する音、剣戟が続く

俺の頬に軽い切り傷がつき血が流れる

しかし互いに止まらない。

堕天使にはすでに幾つも深傷を負わせているが

その度に再生、やはり頭を落とすしか決着は付かないらしい。

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堕天使の左手の刃を弾いた瞬間、隙を見計らい右腕を切り落とす。

血を撒きながら宙を舞う腕が虚しく地面に落ちる

唖然とした堕天使を無視して俺は畳み掛ける為に懐に入った

瞬間、堕天使は不気味な笑みを浮かべた

「ハハハハハ!!誘イニ乗ッタナァ!?」

三つの目が怪しく光を放つ。


魔法を放つつもりだろう、防御の姿勢を取るも

魔法は放たれない…なるほど。

状況を理解した俺は近くに落ちていた壊れた槍を

手に取り混乱する堕天使の腹に突き立て地面に貼り付けた。

「ガッ!!」

短い悲鳴、俺は即座にその場から退避

全ての準備が整った。


「いまだ!!」

俺は声を上げ後衛に合図を出した

かなりの距離を空けて衝撃に備える。

「待っていたよ!」

光を放つ魔法陣には

ウル、レミリア、ネローズ、ブランカの全員が配置についていた。


「…汝、女神の怒りに触れし者よ、雷鳴の神罰を」

レミリアが詠唱を終え

静かにその名を口に出す

「殲滅雷撃魔法"カサンドラの逆鱗"」

地面に貼り付けられた堕天使の空中には

幾重もの魔法陣が現れた。


「ア、アァ!!」

左腕を宙にかざす堕天使

だがそれは無意味に終わった。

全ての魔法陣が一つになりレーザーの様な

圧縮された超高電圧の雷が放たれた。

それは無情にも断末魔を上げる暇もなく堕天使を焼き尽くした。

光が収まり堕天使のいた場所は赤熱した大地のみが残される。


「…ケルビムの生体反応が消えましたわ」

「か、勝ったー!!」

静かにレミリアが告げるとブランカは

高らかで元気な声で勝利を掲げる。

それは俺たちの長い戦闘がようやく終わり告げた

ウルたちに俺や夜天羅、全員が全力を尽くした。

皆が安堵して警戒を緩めた。

ウルたちと合流、互いに称賛の声を掛け合う


「やれやれ!とんだ大仕事になってしまったね!」

「ギルドにたっぷりと報酬を弾んでもらうわよ」

「払ってくれるのか?」

ネローズの言葉に疑問を投げかける

確かネフィリム討伐のはず予定外の

堕天使討伐の報酬まで出してくれるんだろうか?

「これはギルド側の落ち度さ、事前調査を行ったにも

 関わらず適正な依頼等級が成されていないそれに

 依頼に関連した魔物の場合は保険金が支払われるのさ」

「今回は二つとも該当していますわね」

「やったー!!報酬!!」


そうか…そう言う制度になっているのか

俺たちがヴォーパルを討伐した時はこの二つには該当しなかった。

しかし今回は事前調査の見落としでもう一体のネフィリム。

さらにネフィリムが融合、堕天使へ

逸話が残っているから予測はできたはず…それでギルドの落ち度か。


「ギルドに報告したら支部長が顔を

 青くしてすっ飛んでくるだろうね!」

「…まずいんじゃろうなぁ」

サラッとえぐいことを言う哀れな支部長…

まだ見ぬ支部長に対して手を合わせる夜天羅


「私は最後の仕事があるわ」

ネローズがそう言って魔法を放った場所へ向かう

手を前にかざすと煙の中から暗い色をした

発光する球体がネローズの手の上に静かに浮いている

「なんじゃそれ?」

「堕天使ケルビムの魂よ」

「彼女の能力さ!」

ウルは俺と夜天羅に能力を説明してくれた。


「契約か…すごいことができるんだな」

「今回はかなり特殊よ?魂が強制的に

 繋げられていたから堕天使の魔法を知ることが

 できたし繋がりを断つ事で弱体にも繋げられたわ」

堕天使が一方的に損を被る契約、恐らく代償は力だ…

堕天使の強大な力は本人の意思はどうであれそれは

多大な恩恵、引き換えは魂の解放

契約の対価としては十分だ。

魂の繋がりが仇になったな、堕天使の同一の魂として

カウントされただから許可など必要なしに差し出されたんだろう。


「その魂どうするんじゃ?」

「んー…実はこの能力使うの2度目なのよね

だから正直扱いに困るわ…地獄にでも叩きこ──」

その時、煙が渦巻き赤熱した大地が姿を表し炎が

渦巻き始めた、俺と夜天羅は驚愕し武器を構えるが。

「あぁ…大丈夫よ二人とも」


平然としているウルたちと何故か嫌そうな顔をするネローズ。

炎が湧き上がるとその中心から

鎖と巨腕が生えてきた、流石に焦る俺たち。

「おいおい!大丈夫じゃないだろコレ!?」

「いいや大丈夫!彼はネローズの父親さ!」

「父親ァ!?」

夜天羅と言葉が重なる。

いや、確かに悪魔とハーフならそうなるが!

なんでこんなタイミング、こんな形で!?


「たく…仕事が早いのよ」

腕は空中をなぞると炎の文字が現れる。

"話は聞いた、我が貰いうけよう"

まるで今までの会話を聞いていたかの様な提案

ネローズも地獄に堕とすと言っていたから好都合だが…

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