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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第二章:ルスティア編
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第十一録:新天地 三節「共同依頼」

にゃうんにゃにゃ!

コイスケは夜天羅の腕から飛び降りて毛繕いをした。

「暇になったのう…どうしようかの?」

スッと腕を組んできた夜天羅。

皆で並んで歩きこの後の予定を考える。


「なぁ…夜天羅」

「んー?どうしたんじゃ?」

にゃうん?

俺は夜天羅に貰ったメモを見せた

「……行ってみるか?」

このメモはほんのさっき貰った物…

ウルスタンの所在地が書かれた紙だ。

夜天羅は複雑そうな顔をした


「気には…なる…のじゃ…」

嫌と言うわけではないがウルスタンの

テンションに付いていけないのだろうな

俺もそうだ…ただ直感で悪い奴でない、良い奴ではあると思う。

「よし…行ってみようお前様!」

覚悟を決め、行く事を選択俺たちに何の用事だろうか?

単に友達になりましょうってわけではないだろし。

メモの場所は今いる所から歩いて20分ほど夜天羅と談笑しながら向かう。


「……着いたな」

「……着いてしまったのじゃ」

ウルスタンの滞在している店に到着した

なぜか…目の前の扉が遠く感じる。

意を決して開けようとすると──


「あ、ウル来たよ!あの二人!」

元気な声が聞こえたと思ったら扉が内側から開かれた。

現れたのはウルスタンの恋人の一人ブランカ。

驚いた…俺たちの気配?を察知したのか。

「ブランカ、お二人が驚いていますよ?」

「あ、ごめんなさい!」

開いた扉から見える席に座っていた3人。

レミリアが静かにブランカを諫めた。


「いやぁ!ブランカが驚かせたね!

 さ、こっちへ来て話そうじゃないか!」

小走りでウルスタンの元へ帰っていく。

ブランカを近くに寄せて頭を撫でる。

変わらずキザな仕草が目につくが

嫌味な感じはしない、むしろさも自然のようだ。

俺たちは促され席に向かい座った。


「ね!ね!ネローズが言った通りだったね!」

「ふふ、私の占いはよく当たるのよ…特に昨日の様な満月の日はね」

「あら…たまには役立ちますのね」

「はー?」

レミリアとネローズの間にバチバチに火花が散る…仲が悪いのか?

「もー!まーたそうやって!」

「ハハハ!いいじゃあないか!美しいじゃれあいさ!」


どうやらいつものことの様だ、喧嘩するほど仲がいいってやつか。

その様子を眺めつつ、俺と夜天羅は注文をとりに来た

店員さんに飲み物を頼む

料金を上乗せでコイスケ用にミルクも頼んでみると快く快諾してくれた。

「さて!まずは来てくれて感謝するよ!ありがとう!」

「あ、あぁ…それで早速なんだが俺たちに何の用が?」


「まあまあ!本題の前に少し親睦を深めようじゃないか

 今朝…ギルドで話し渋った事をね!」

話…事情があるって言ってたやつだろう

俺たちと似た事情なんだろうか?

再び店員さんが現れて飲み物を持ってきてくれた。

にゃん!にゃん!

声を上げて嬉しそうにミルクを飲むコイスケ。


「異種族間の恋愛は珍しくないが…

 僕の愛しい恋人達は特別でね!それこそ魔族に匹敵するほどさ!」

特別か…俺と夜天羅はこの世界の種族事情を知らない

リグレさんが言っていた事くらいだ。

「特別…とはなんじゃ?」

夜天羅が疑問を口にした。


「わたしはねー!かみごろしのきば?らしい!」

「わたくしはハイエンドエルフ」

「私はハーフデビルだ」

待て待て…色々言いたいことがあるが

情報量が多すぎる!わからない事だらけだ!

「…はぇ?」

「ハハハ!すまないね!一気に紹介をしてしまった!」

「まぁ…ウルは特別と仰ってくださいましたが

 実際は鼻つまみ者だったのですよ」


その一言で何となくわかってしまう

夜天羅も察したようだ。

彼女たちも何らかの問題を抱えている、もしくは抱えていた。

「…確かに他人とは思えないな」

「美しい君ならわかってくれると確信していたよ」

キザな笑顔ではなくこちらに親愛を寄せた笑顔を向ける

ウルスタンたちに初めて親近感が湧いた


「…今、詳しい事情は聞きはしない」

「ありがとう」

ほとんど初対面の俺たちに話す事ではないだろう

俺だって夜天羅の事をおいそれと話はしない、だから気持ちはわかる。

「さ!少し湿っぽくなってしまったがここからが本題さ!」

ウルスタンは一度、手を鳴らし場の雰囲気を

切り替えてこちらへ手を差し出した。

「話は簡単!僕たちと一緒に依頼を受けて欲しい」


依頼を一緒に?

確か…彼らは一等級、支援がいるとは思えない

ギルド等級で聖銀を除けば最高等級。

そんな彼らが共闘を持ちかけてきた。

「依頼を?」

「えぇ、この依頼書をご覧ください」

レミリアは一枚の紙をテーブルに広げた、二人で依頼書を見る。


「2等級依頼?」

そう依頼は2等級だった。

気になる内容は遺跡の探索、遺跡の名前は

"古代渓谷都市ディープホワイト"そこに眠る遺物の収集依頼だった

遺物は何でもよく遺物の価値が高ければ高いほどボーナスがある。


「2等級なのにわしらと共闘するのはなぜじゃ?」

夜天羅の言う通り理由がわからない

てっきり一等級の難しい依頼かと思った。

「それが厄介なんだよねー!」

「これは"怠惰な依頼"なのです」

怠惰な2等級?名前からして嫌な予感しかしない


「理由は色々あるんだが要は依頼者の怠慢さ美しくないね!」

「詳しく話ますと…一等級の依頼料を出し渋った依頼者が

 ギリギリのラインで設定した依頼です

 もちろんあまりに酷ければ依頼抹消と罰金がありますが

 等級が上がっていくとこの様な依頼が増えてゆきます。」

「本当!やんなっちゃうよね!」

アハハと笑いながら紅茶を飲むウルスタン

言動から美しさを重要視する奴が受ける理由が気になる。


「受ける理由は僕の本来の目的"真実の鏡"があると

 噂されているんだ、で、どうせなら稼ごうかなとね!」

「僕の愛しい人を付き合わせるんだ危険は

 なるべく減らしたい、だから美しい君たちに頼みたいんだ」

「ウルったら美しい人じゃないと一緒に受けないって言うもんだから」

「当たり前じゃないか!美しくないやつに君達を、背中を預けられない!」

三人はときめいた様な乙女の顔をしていた

…まぁ、理由はわかった、あとは受けるかどうか

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