表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第一章:旅立ち
50/241

第十録:廻る歯車 二節「そんな話し。」

その時、再び扉が開いた

その場の視線が入室した人物に注がれる。

現れたのは…アルメリアだった

「失礼致します、アルメリア・アーセナル枢機卿

 ギルバート聖下様の要請によりこの場の立ち合いを

 させて頂きたいのですが…よろしいでしょうか?」

深くお辞儀をしたアルメリア。


彼女は確か…エルサル村へ訪問していたはず

まさか…飛行魔術で急いで戻ってきたのか!

ずいぶん用意周到だな…まぁそれはこちらもだが。

「承諾しよう、それでギルバート聖下…

 任せてほしいとは具体的にどういう意味だ。」

冷静に問う国王様、任せるか…嫌な予感しかしない

私たちはギルバート聖下の次の言葉を待つ。


「私ども、リフロディア教会に魔族の処分を任せて欲しいのです。」

なにを…言っている?

この薄ら笑いを浮かべた男はいま、なんと言った?…

処分?アルメリアと目が合う、彼女も酷く驚いていた

私は一番に声を上げようとしたが我が主人がそれを察して視線で諌められる。


「ギルバート聖下よ…いささか過激な発言ではないか?」

怒気を孕んだ引く重い圧のある声。

ヤテンラ殿が何をしたと言うのだ!

それにこれが緊急を要すことか!?

ギルバート聖は教会の立場を悪くしたいのか!?

「そんな事はありません!あの魔族は危険です

 これは急を要する国の一大事!」

「それに我々には"神ノ威光"があるのですから適任かと…」

"神ノ威光"か、教会内部に設置した

聖火儀式済みのガラスを使ったステンドグラス。

そのステンドグラスから差す光は魔の者を焼き尽くす。

「…ギルバート聖下よ、それはできないあの魔族に害はない。」


「…フィリッツランド様、そうでしょうか?」

「どう言う意味だ?」

「アーセナル枢機卿の報告にありました邪悪な魔力…

 私はこれを魔王の再来と考えております。ですね?アーセナル枢機卿?」

ギルバートはアルメリアに話を振る、魔王の再来…だと?

本当に何を言っているんだ!

「いえ…私の方でも調査をしましたが

 あの魔族には何かをする必要はないかと…」


アルメリア!エルサル村のカルステ一家に合わせたのは正解だった。

彼女の認識、事実に無害と判断したのだろう、よかった…

「おや…どういう心変わりですかな?枢機卿?

 異教徒にでも心を惑わされましたか?」

こいつ!アルメリアを脅すつもりか!

流石に私は我慢ができずに声を上げる。

国王様からの制止はなかった。


「ギルバート様!私の方でも調査をしましたが無害です!

 彼らに干渉は無用です!それになぜ魔族を敵視するのですか!?」

そもそも何もする必要はない

彼らは帰るために旅をするだけだ、この議論はもう終わっている!

魔族に対して異常な執着と敵意。

ここにいる全員がいや、もう数100年は魔族と人類は関わりがない。


「…それは違いますよ騎士ゴルドー魔族は身を潜めて伺っているんですよ」

軽薄な笑みのまま不吉に語るギルバート

その得体の知れない不気味さに嫌悪を覚える。

「…伺っている?」

「えぇそうです、魔族は新しい魔王が現れるのを待っているのです。」

「そして現れた!あの異邦の魔族が!魔王ノ宿木が!」

「──」

この男はさっきから何を言っている?

妄言がすぎる!?それにロッカが調べていた"魔王ノ宿木"という言葉がでてきた。

「ギルバート聖下、その"魔王ノ宿木"とはなんだ?」


「では僭越ながらご説明させて頂きます…」

ここにいる皆様が500年前の魔王戦争をご存知かと存じ上げます。

結果は魔王を打ち倒し人類の勝利、魔族は魔法を使い

どことわからぬ土地ごと自分たちを隠しました…

ここまでが歴史に語られる物です。

そしてここからは我々教会内で語られる部分

魔王討伐に尽力した初代教皇ヨハンナ、彼女は見てしまったのです。

魔王が最期の魔法を発動し魔王の全魔力だけが何処かに飛ばされたのを。

それを目撃した教皇ヨハンナは危機感を覚えた

文献に残し我々に語り継がせた来る日のために。


「話はわかった…理解もしよう

 しかしなぜ異邦の魔族が魔王ノ宿木だとわかる」

「教会の、一定の地位に立つ者に対して儀式をおこないます

 もはや慣例になる儀式の真意は魔王の魔力を感知すること…

 そして感知すれば邪悪な物として認識します

 そこのアーセナル枢機卿の様にね」


…ギルバートの言葉が全て世迷言でなければ

ヤテンラ殿は魔王ノ宿木の持ち主!

最悪だ!これは二人を保護するか教会を止める必要がある!

それに…嫌なことに辻褄が合ってしまう

カンナギ殿が城から離れる選択をした事にだ

アルメリアの行動が過激だったのは間違いない

が、あの時… 出ていく必要はなかった!

彼らからすれば未知の世界私を頼り城に滞在するのが最善だ。

カンナギ殿の様な人がそれを考えなかったわけがない

理由は簡単だ、城にいる事に不都合があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ