第八十二録:白色の不穏 三節「専門家」
「ゴポッ……」
一閃。悪魔たちを薙ぎ払い死に至らしめた、俺は刀の血を払い納刀。
「……すまないが地獄へ帰って貰う。」
脱獄した悪魔とはいえ生を奪う事には違いない…罪悪感はあるが今は作戦が最優先だ。
俺は施設内を走り"第一目標"の捜索を急く、扉に何の部屋かネームプレートがない。
俺は手当たり次第に部屋へと侵入し捜索をしていく。
「あった!」
探していたのはパソコンだ。
ここは魔法技術と機械技術のハイブリッド。システムの中へと侵入できる媒体を探していた…当然、俺にはハッカーの真似事なんて天地がひっくり返っても無理だろうな。
だから"専門家を連れてきた"
俺は後ろのウエストバックからある物を取り出す、それは────
「じゃあ…頼むぞ。ドロシー!」
「わかった!!」
以前までドロシーが入っていた機械の身体。
それに入る事は出来なくなったが遠隔操作が可能。
ただのゴーレムになったこの機械は"ハレルヤ・ゴスペル"の対象外。
今回はその特性と機能をフルで活かす、ドロシーにはハッキングを頼んだ。
アキレウサスの時みたいにシステムの中に直接入る訳じゃなくハッカーの様に端末を駆使してシステムへと侵入するからドロシーが害される心配は皆無。
ドロシーが操るゴーレムはコードをパソコンへと接続、ハッキングが開始された。
「バタバタとうるさいな。」
早いな…もう追加の兵士がこちらへやってきた、ドロシーの邪魔をされる訳にはいかない。
「そのまま続けてくれドロシー。俺は奴らを黙らせてくる。」
「わかったー!!」
部屋から飛び出して兵士を確認、さっきよりも数が多くしかも銃を持っている。
銃の形状からして連射性と貫通性が高いアサルトライフルか…まぁ、何でもないな。
障害にすらならない。
俺は刀ではく小回りの効くナイフを両手に持ち兵士へと突っ込む、やはり…敵ではない雑兵と言わざる得ない。
五分と掛からずに制圧、ドロシーの場所へと戻るとハッキングは継続中。
敵の気配はない……ずっと違和感が纏わりつく、宮殿に侵入してから向かってくる兵士が弱く守りが手薄過ぎる。
……このユダ遺跡は重要じゃないのか?そう思ってしまうほどに敵から必死さがなく余裕すら感じる。
「縁継!縁継!終わったよ!!結界剥がした!」
「でかした!退避だ!」
ハレルヤ・ゴスペルが無くなった宮殿はもはやただの脆い建造物、ここから先はザディルさんへバトンタッチだ。
俺はゴーレムをウエストバックへと仕舞い込み廊下へと出て壁を斬り裂き外へと飛び出す。
空中に身を投げ出すとすぐ様レーヴァテインがやってきて俺を拾ってくれた。
俺は彼方ノ鏡を取り出しザディルさんへと連絡。
「ザディルさん!退避しました!」
'了解しました。'




