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紅蓮のシュヴァリエ  作者: Rio
9/10

アルとエル

アルが目の前のドギマギしたフレンシアを見ていると、こちらに走ってくる集団が見えた。


「・・・嘘でしょう。はあ、勘弁してよ。」


アルが呟くと、自分の世界に入ったフレンシアを自分の後ろへと送り込んだ。


アルが指を鳴らすと、足元に魔法陣が浮かぶ。


アルの足元から静電気が現れ、徐々に強くなっていく。

やがて雷のように、下から上へ黄色の光線が上る。


アルの後ろから『まじやば・・・すご』という言葉が聞こえていたが、変な言葉だなあ、で終了した。



アルたちに向かってくるトロイたちが、それぞれ剣を抜いた。

トロイたちはなぜか、アルがフレンシアを連れ去った、という先入観に埋め尽くされていた。



フレンシアはとにかく、アルとエルを怒らせたくなくて、叫ぶ。

「ダメダメダメ!剣は抜かないで!彼は魔獣が追って来てるのに気づいて、魔法陣を展開させただけだからー!!」



フレンシアの叫びに、え?と反応して、トロイたちは走りながら後ろを振り返ると、確かに魔獣が追ってきていた。しかも、魔物までいる。



「あ!違うのー!剣は抜いて!だけど向ける方が違う!!」

もう、フレンシアはパニックになって、自分でも何を言っているのかわかっていなかった。


「早くなんとかしーてー!」

フレンシアは叫びながら、アルの肩を掴んで揺りだした。


「ちょ・・・やめ・・ちょ・・・ちょっと・・・う・・・」

ゆすられ続けたアルは、徐々に顔色が真っ青になり・・・




ーゴオオオオオオオオオ・・・

アルの周囲にすごく小さな竜巻がおこり、一気にフレンシアの髪の毛を逆立てた。


アルカイックスマイルのアル。

「わかってるから。黙ってて?」


フレンシアは静かに、そろりと手をよけ視線を逸らしながら俯いて、アルの後ろに下がった。


忘れちゃだめ。

彼は冷酷になれる人。

冷酷になれる人。

冷酷になれる人。

うん、忘れない。







アルのいる所まで走り続けていたエルは、立ち止まって魔獣たちの方に向き直った。

魔獣よりも遠くから、ものすごいスピードで()()()きた。


何かはエルの目の前で止まった。


エルは、その何かを手に取りありがとう、と呟いた。


この何かは、エル愛用の弓と矢。

そして、この弓を持って来てくれたのは木の根。


全ての植物には精霊が宿っている。

全ての精霊に愛されるアルスが、どうやらエルの弓を届けさせてくれたようだ。


エルは弓を受け取り、矢を腰巻きにくくりつけた。




アリア




心の中で自分のルフドを呼ぶ。


『ルイーズ。』


エルにしか聞こえない声が、耳のそばで聞こえる。


弓に風を、力に水を


『わかったわ』



エルがもった弓の弦に風が纏う。

どこからか流れてきた水が、弓の形を彩りそれを構えた。


エルの周囲に風が舞い、エルは狙いを定め、放った。



放たれた矢は魔獣めがけて飛んでいった。


1番前にいた魔獣に矢が刺さると、水は一気に膨れ上がり、周囲の魔獣や魔物を巻き込んだ。


エルの攻撃を避けた魔物が、横から抜け出て猛スピードでエルに向かう。


エルがそちらを弓で狙おうとすると、エルの後ろから炎が放たれ魔物は燃え盛った。


エルが振り返るとそこには、シルバーブロンドの髪を靡かせた、スカイブルーの瞳をした青年が剣を構えて立っていた。





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