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ヴァンパイアとパンダ  作者: 怪獣大熊猫
ドワーフの国ニザヴェリル
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ギルドで情報収集

 冒険者パーティとして本格的に活動を始めるために、冒険者ギルドへ情報収集にやってきた。そろそろ夕暮れ時なので、昼間のクエストを終えた冒険者達が帰ってきているようだ。ギルド1階の広場は酒場のようになっているので、酒盛りを始めている席もいくつかある。これから夜間のクエストに向けて出発するであろう装備を整えているパーティもいるな。冒険者というよりは工場の職人といった装備のドワーフも混じっているが、職人も同行することがあるのだろうか。


 受付嬢のフラウは酒場の運営も兼任しているようで今は少し忙しそうなので、とりあえずはカウンター脇にある端末を使って情報収集しよう。情報端末の本体はATMのような筐体が1台あるだけだが、子機を取り外して持ち運べるので、4人それぞれ子機を借りて空いているテーブルに着いた。情報端末はギルドカードをセットして魔力を込めることで起動できるらしいので試しに起動してみる。すると空中にモニターのようなものが浮かび上がり管理画面が表示された。ミッドガルドでは使えないと言われて試していなかったが、私も魔力操作を覚えたことで情報端末を起動できるようになったようだ。

「空中にモニターが浮かび上がってるけど、これどうなってるんだろう?」

「言われてみれば不思議だが、そういうものだと思って使っていたから気にしたことはなかったな。」

「空中モニターはもとはといえば科学の世界の技術から着想を得て開発されたものだけど、ミッドガルドの研究所で魔法を用いて再現したものだよー。メカニズムとかは全然違って、簡単に言うと魔法陣を発生させる要領で情報の視覚化をしてるだけだねー。図書館の演算装置ノルンで自動演算を行っているから、ノルンと繋がっている情報端末本体があるギルド内部でしか使えないよー。」

「銀行もそうだったけど、情報処理とか管理の分野では大体ノルンが使われているんだね。」

「エルフ達は個人の情報処理能力がノルンより高いから利便性は理解されにくいけど、多国間での情報の取引ならすべて集約して管理できるノルンはとても便利だねー。私やギルド関係者以外の普通のエルフはあまり外部と情報交換もしないけどねー。」

 個人の能力が高すぎると便利な道具が便利だと思われないのか。私で言えば1+1の計算にわざわざ電卓を使わない感覚なのかな?


「各自情報収集して受けたいクエストがあれば出し合う形でよいかな?」

「オッケーでござるよ。」

「了解だよ。」

「吾輩はミッドガルドで大体の情報は確認しているが、3人は基本情報から確認したほうがよいだろう。チュートリアルもあるからそこから読み進めるとよいぞ。」


 言われた通りチュートリアルから始めよう。空中モニターにタッチすることで操作できるようなので、チュートリアルを開始するボタンにタッチする。

『チュートリアルを開始します。』

『頭の中に直接声が・・・テレパシーか。ヨツンと同じ声だ。』

『初めまして私はノルンです。冒険者マキは初めてのご利用ですね。よろしくお願いします。』

『会話ができるのか。AIなのかよくわからないけどすごいな。』

『私はヨツンによって作られたデータベース上の疑似人格ですが、性能はミミルとほぼ同等なので会話が可能です。モニターのタッチ操作によって端末を動作させることもできますが、私に話しかけることで動作させることもできます。お好きな方法でご利用ください。』

『とりあえず基本情報から確認したいから自分で読み進めた方がいいかな。ある程度分かったらまたお願いするよ。』

『画面右下のボタンで読み上げおよびヘルプのオンオフができますが、とりあえずオフにしておきますね。私に呼び掛けてくれれば返事をしますし、ボタンで切り替えてくれてもいいので御用の際はその様によろしくお願いします。』

『うん、ありがとう。』

 原理はまったく分からんがハイテクだな。ノルンのアップデートは1人でやっているみたいな事を言っていたし、ヨツンは思った以上にすごい人なのかもしれない。なにはともあれ基本情報の確認から始めよう。モニターにタッチして基本情報の項目を開く。冒険者ギルドの発足理念、冒険者の心得、ギルド遍歴、クエスト受注および達成報告方法、冒険者個人およびパーティ情報、各種ランキングについて・・・他にもいろいろ項目があるが、私に関係がありそうな主だったところはこの辺か。上から順に見ていこうかな。


―冒険者ギルドの発足理念―

 国家の枠を超えて活動する冒険者をサポートすることを理念とする。

 初代冒険者ギルド長

―冒険者の心得―

 みんな仲良くしましょう。

―ギルド遍歴―

 約12000年前発足


 すごいざっくりだ。初代ギルド長というと私たちのパーティ名アルゴノーツの名付け親の老人だな。あの人は少なくとも12000歳以上なのか、老人のエルフは他に見かけなかったけれど何歳なんだろう?ここまではまぁそれほど重要な情報ではないか。次は実務に関わる部分を見ていこう。


―クエスト受注および達成報告方法―

 ギルドの受付で担当者に依頼するか、情報端末を用いてクエストの受注と達成報告ができます。端末を利用する場合はタイトル画面でクエスト受注を選択、あるいはノルンに依頼してクエストの受注画面へと移行します。画面の指示に従ってクエスト情報や受注条件をチェックしてください。個人あるいはパーティ単位でクエスト受注ができますが、参加者がクエスト難易度に見合わない実力の場合は注意が出ます。実力に見合ったクエスト選択をしましょう。

 達成報告はモンスターの撃退等、拾得物のない場合は端末で処理できますが、採取クエストやアイテム納入が必要な場合はギルドの受付を利用してください。クエスト達成が困難だと分かった場合は受注済みクエストの項目から辞退してください。クエスト失敗によるペナルティは特に有りませんが、達成可能なクエストかどうかは受注前によく考えましょう。クエスト依頼者や他の冒険者の迷惑にならないように辞退する場合は早めの対応をお願いします。

(注意)最悪冒険者の資格を剥奪することになるので虚偽の報告はしない事。


 常識的というか当たり前の事しか書かれていないな。クエスト受注に関しては特に気を付けることはないかな。


―各種ランキングについて―

 冒険者の優劣を決めるものではありませんが、獲得報酬額と戦闘能力のランキングを個人およびパーティで表示できます。受注クエストの傾向等も参照して、パーティ移籍やメンバー募集の際には参考にしてください。戦闘能力は武術大会や戦闘を要するクエストのクリア状況から総合的に判断しています。所持技能や年齢、種族等、各種フィルターをかけることもできます。お互い思いやりを持った交渉をお願いします。


 ランキングも今は気にしなくていいかな。駆け出し冒険者パーティのアルゴノーツは最下位だろうけれど、実績を積んで順位が上がるのは楽しそうだな。温泉で会ったアトラの個人ランキングもついでに見ておこうかな。

 タイトルからランキングの画面へ移行して、獲得報酬額のパーティ単位を表示しアルゴノーツを検索するとやはり最下位にランキングされていた。まだ一つしかクエストをクリアしていないし当たり前か。次に戦闘能力の個人単位のランキングを表示すると、温泉の騎士アトラが1位になっていた。本当に強いんだなあの人。それはともかく温泉の騎士って二つ名なのかな?アルゴノーツメンバーを検索しても二つ名は付いていないようだけど、アカネやフィオより順位が低くても二つ名が付いている冒険者はいるし、ランキングの順位は関係なさそうだ。実力関係なくそれなりに実績を積んだら二つ名を付けられるのかもしれないな。しゃべるだけのパンダだから当たり前だけど、私は戦闘能力の個人ランキングでも最下位になっているな。


 基本情報の確認が終わったから次は受注可能なクエスト情報の確認をしよう。アカネやフィオは修行と社会見学等も兼ねてクエストを選ぶだろうけど、私はどうしようかな。遺跡や鉱山にも行ってみたいし珍しい生き物等も見てみたいし、街の観光もしたい。とりあえずは他の3人のやりたいことに付き合えばいいかな。いろいろやった後にやり残したことをやるのがいいだろう。

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