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ヴァンパイアとパンダ  作者: 怪獣大熊猫
エルフの国ミッドガルド
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忍者修行中

 ケモミミ忍者アカネが仲間になったので忍術を教えてもらうことになった。だが一つ問題があるので先に片づけることにする。

「ところでアカネさん。」

「アカネでいいでござるよ。」

「それじゃあアカネ、この家には不法侵入したの?たぶん鍵がかかってたはずだけど。」

「忍法ピッキングでござる。」

「忍法なのかそれ?いやそうではなくて、勝手に入ったらダメだよ。」

「しかし忍者が堂々と人前に出て宿を借りるのもどうかと思うでござるよ。それに誰にも迷惑はかけていないでござる。」

「忍者としてではなく和の国の代表としても同じことが言えるかな?ここはエルフの国なんだから郷に入っては郷に従えでござるよ。おっとうつった。」

「ガーンでござる。日本のことわざを出されてはぐうの音も出ないでござる。拙者和の心を忘れていたでござる。」

「ガーンって口で言うな。よし謝りに行くぞ!」

「・・・何してんだこいつら。」

 ミカは若干呆れ気味に傍観していた。


 アカネを連れて再び役場に戻りギルに経緯を説明した。

「というわけで申し訳なかったでござる。」

「掃除もしてくれたみたいだし3人に増えても別に構わないよ。次からは先に相談してね。」

「承知したでござる。かたじけのうござる。」

 この男器がでかい。ギルにお礼を言って役場を後にした。


 仕切り直して改めて忍術を教えてもらうことにする。町内では危ないかもしれないので町の外の草原に場所を移した。

「マキ殿は何か得意なことはあるでござるか。」

「なんと不死身です。」

「冗談はいいでござるよ。」

「冗談じゃないよ。試しに一番強い忍術使ってよ。見てみたいし。」

「えー?本当に大丈夫でござるかー?」

「構わん私が許す。」

 ミカがサムズアップする。

「うーむ、それなら死なない程度の術で行くでござる。」

「それでいいよ。」


 アカネは深呼吸して気合を入れている。腰の刀に手をかけたと思った次の瞬間、アカネの姿が消えて背後から声が聞こえた。

「忍法不知火でござる。」

 数秒後、毛皮に斬撃痕が現れて発火した。驚いたがパンパンと火を払うと毛皮は元に戻った。まったく見えなかったが斬られたようだ。

「全然見えなかったけど何をしたの?」

「背中がまだ燃えてるけど消さなくて大丈夫なのでござるか?」

「あ、ほんとだ気づかなかった。」

 ごろごろ転がり消火する。

「薄皮一枚たしかに斬ったはずでござるが、本当に効いてないみたいでござるな。燃えた部分も治っているし、どういう仕組みでござるか?」

「要約するとミカのおかげって感じかな。」

「なるほど(わかっていない)やはり只者ではないでござるなミカ殿。吸血鬼ヴァンパイアなんておとぎ話でしか聞いたことないでござるが、実在したんでござるな。」

 こちらの世界でも吸血鬼ヴァンパイアはおとぎ話の存在なのか。気にしていなかったがミカは仲間とか居るんだろうか、友達はいなかったみたいだけど。後で聞いてみよう。


「ちなみにさっきの忍法不知火は縮地・斬撃・火遁を組み合わせた拙者のオリジナルでござる。鋭い斬撃は斬られたことすら感じさせず時間差で相手を倒すことができるでござる。火遁は注意を引き付けるおまけでござる。」

「なんか地味だね。」

「ひどいでござる!」

「ところで火遁ってなに?魔法とは違うの?」

 私は魔法適正が無いらしいので別のものなら使えるのではないかと思い聞いてみる。

「魔法と同じでござるよ。遥か過去に大魔導士がノリで忍者っぽく名前を変えて忍法として体系化したと古事記に書かれているでござる。」

「わざわざ別規格作らないで統一しなよ。」

「そういう話はたまに出るでござるが、忍法の方がかっこいいから寄り合いで否決されてるでござる。」

「和の国はなんかユニークだね。」

「照れるでござるなー。」

 褒めていないが。とりあえず忍法は使えないようだ。


「魔法まったく使えないんだけどどうしよう?」

「なら忍法以外を教えるでござる。拙者動物を鍛えることに関しては一家言あるでござるよ。忍パンダでござる。」

「不死身の影響で鍛えても変わらないんだよね。」

「んもお、ああ言えばこう言うでござるな―マキ殿は。」

「もっと手軽に鍛えなくてもできる忍術ってないの?」

 すごい怠け者みたいなセリフだ。


「忍者は専門職でござるからお手軽に使えるのはちょっとないでござるな―。」

「そっかー興味本位だったし向いてないなら仕方ないかな。」

「簡単に諦められるとそれはそれで寂しいでござる。不死身を生かせる術を開発しておくでござるよ。」

「うん、ありがとう。」

 特に成果はなかったがお互いを知るにはいい機会だったということにしておこう。

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