第一話「モンスターってなぁに?」
人は、生まれながらに平等ではない。
この世界では、その事実が何よりも残酷だった。
力ある者は、人類を守る英雄となる。
力なき者は、戦場に立つことすら許されない。
それが、この世界の常識だった。
だが、もし。
その常識を覆す存在が現れるとしたら――。
誰一人として適合できなかった力。
誰一人として倒せなかった存在。
約300年間、人類の頂点に君臨し続けた最強の災厄級始祖種オリジン。
終焉の龍――ドラグーン。
これは、**適合率0.00%**と告げられた一人の少年と、
世界最強の災厄級始祖種との、
運命の物語である。
約300年前――。
世界各地の空が突如として裂けた。
そこから現れたのは、人類が見たこともない異形の生命体。
人々は彼らを「モンスター」と呼んだ。
人類は戦車、戦闘機、ミサイル、銃など、あらゆる科学兵器で対抗した。
多くの犠牲を払いながらも、人類は数え切れないほどのモンスターを討伐してきた。
しかし、モンスターは戦うたびに進化していった。
銃弾を弾く外皮。
爆撃にも耐える肉体。
知能を持ち、人間の戦術を学ぶ個体。様々なジャンルへ進化していったモンスターは出現当時、
善戦を続けていった人類をより深い絶望へ突き落とした。
そして、次第に人類は滅亡寸前まで追い込まれていた――。
そんなある日、一人の人間が奇跡を起こす。
倒されたモンスターが残した「モンスターエネルギー」と適合し、その力を扱えるようになったのだ。
その後、世界中で能力者が誕生した。
しかし、その力には大きな代償があった。
直接力を解放すれば、肉体は耐えられず命を落とすことさえある。
そこで人類は能力を制御する装置を開発した。
まぁ、このアイテムの開発にもかなりの代償を払ったが、この話はまた別の機会に話すことにしよう――。
身体の一部だけを解放する「リミットリング」。
全身の力を安全に制御する「リミットベルト」。
能力者たちは再び人類の希望となった。
しかし、彼らの力はすべて"死んだモンスター"の残留エネルギーだった。
しかも、そのエネルギーは時間とともに薄れていく。
モンスターを倒してから適合するまでの時間が短いほど、強大な力を得られる。
人類は、より効率的にモンスターへ対抗するため、国際対モンスター防衛機関『IAMDA』さらに、能力者を
育成する「国立能力者養成機関」も5年後、後を追うように創設された。
しかしこれほどまでモンスターを討伐することに尽くしてもこの世界には誰も倒せなかった存在がいる。
モンスター出現以来約300年前から生き続ける最強のモンスター。
それらを一括りに「災厄級始祖種」と呼ぶ。
この物語は何も持たずに生まれた一人の少年と、災厄級始祖種の中でも最強と謳われている、
とあるモンスターの物語である。




