表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の創造スキルを手に入れた俺、異世界で大儲けできると思ったら現代科学より上でした  作者: おりこー3


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

140/162

第140話:下と上

商業ギルド。


「だから、無理なものは無理だ!!」


ギルドマスター、ワイトの声がギルド中に響き渡った。


「いやいや、そこをなんとか!」


食い下がるのは、バルド商会営業部門リーダーのゲルド。


「お前じゃ話にならん」


ワイトは、呆れ気味に腕を組む。


「それに……」


「俺もだ」


「え?」


「もし、お前んとこの……」


「パソコンとネットっつったか?」


「ええ」


「それが実現できれば、“俺たちは”大助かりだ」


ワイトは、わざと強調するように言った。


「“俺たちは”だがな」


「と、申しますと?」


「それなりに費用がかかりすぎる」


ワイトは深くため息をついた。


「上は、俺たちの苦労なんて知ったこっちゃねぇ」


「給料が出てるんだから、苦労して当然」


「そういう連中だぞ」


「金をかけてまで、俺たちを楽させると思うか?」


「うっ……」


ゲルドは言葉に詰まった。


「俺たち下っ端が意気投合しても意味がねぇんだ」


その時だった。


「じゃあ、上の人間ならどう?」


声が響く。


入口から、セレスが中へ入ってきた。


そして、横へ一歩ずれる。


道を開けるように。


その後ろから、アメリも入ってきた。


彼女もまた、静かに道を開ける。


「お、お前ら……」


「副社長!」


「シオリ様!」


ゲルドが驚きの声を上げる。


「まだよ」


セレスが短く言った。


さらにその奥から。


年配の男が、ゆっくりと歩いてくる。


バルド商会代表。


バルド。


「……」


(なんで俺が……)


いや。


認識阻害の指輪で、バルドに変装したユウトであった。


あまりの光景に、ギルド内がざわめき始める。


「あ、あんたは……」


ワイトが目を細める。


「ホッホッホ」


ユウトは、無理やり低い声を作った。


「久しいのう、ワイト」


「……?」


ワイトは眉をひそめた。


「初対面じゃねえか?」


「あっ」


ユウトの思考が一瞬止まる。


「いや……そうだったかな」


(そうか!)


(バルド商会ができたのって、5年前か!)


雰囲気に飲まれたユウトは。


若い頃のワイトを世話した設定を、勝手に作って思い込んでいた。


「……」


ユウトは、ちらりと隣を見る。


セレスとアメリの視線が突き刺さっていた。


研ぎ澄まされた刃のような視線だった。


(悪かったって!)


(そんな目で見るな!!)


「ゴホン」


セレスが咳払いをする。


「さ、さぁ……」


「あなたの上の人を教えてもらえるかしら」


「はぁ……」


ワイトは、頭をかきながら答える。


「領主だよ」


「この街のな」


「ありがとう」


セレスはそれだけ言うと、すぐに踵を返した。


「おい、そこの自称科学者」


ワイトが、セレスの背中に声をかける。


「ありがとよ」


「ええ」


セレスは歩みを止めずに返事をした。


「ゲルド」


アメリが口を開く。


「あなたは、パソコンの使い方を説明しておいて」


「そのパソコンは、うちからの試供品です」


「ぜひ、お試しください」


そう言って、アメリもセレスの後を追うように立ち去る。


そして。


「……」


残されたバルド。


いや。


ユウト。


(これって俺も行った方がいいんだよな?)


(なにか言うべきなのか?)


「……」


「……」


ギルド内の注目が、ユウトに集まる。


(なんで見るんだよ!!)


(そもそも、なんで代表を置いて先に行くんだよ!)


(こうなったら……)


ユウトは、ゆっくりと口を開いた。


「今日は……」


「いい天気ですね」


「……」


それだけ言って。


ユウトは、逃げるように商業ギルドを後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ