プロローグ
眼が覚めたら、というと語弊があるかもしれない。
瞬きをすると、あるいはそれよりも短く感じられた。
俺はいつものように予備校へ向かい、バイトをし、ミスし、軽い頭を下げ、味気ない日課を終えて帰宅する途中だった。
どこにでもいる普通の浪人生だった。
「長門、お前最近元気ないな。まだ受験まで3ヶ月あるんだ!イケるぞ!」
「人の心配をしてる場合じゃないだろ。お前こそどうなんだよ」
「俺か!!?俺はまぁ………なんとかなるさ!!」
「そういう奴は最後に泣くんだよな」
「あはははは」
このやたらと楽観主義な奴は俺の親友、兵藤竜馬だ。明るいだけが取り柄なんだが、いい奴だ。なんというか…うん、いいやつ。兵藤いい奴。別に特徴がないわけではない。あと暑苦しい。
「てか竜馬、お前もう3ヶ月前なのに随分と余裕そうだな」
「そうか?俺なりに疲れてるつもりなんだがな?昨日も俺のふくらはぎが悲鳴を上げていたぞ。」
「どうしたら勉強にふくらはぎが関係するんだよ!」
「ち、違うんだ!弁明させてくれ!軽い気持ちだったんだ!一度だけ、たった一度だけでいいからスクワットをと思ったら、気づいたら夜が明けていたんだ!」
「何一つわからん」
「お前にもいずれ、解る時が来るさ…」
「こねぇよ!きっと!」
とよくあるようなないような話をしながら帰宅していた。
そこまでは覚えている。そこからだ。
トラックのような何か、おそらくトラックなのだが何かおかしい、が前から近づいてきた。最初は特に気にも留めなかった。しかし、近づくにつれて異変に気付いてしまった。
誰も乗っていなかったのだ
いや、誰かは乗っていたのであろう。その誰かが俺には、俺と竜馬には認識出来なかった。
トラックが俺たちの近くで停車した、と同時に俺は認識出来ない何かに意識を奪われた気がした。
初めての投稿です。多分、定期です。




