プロローグ 浮いてますよ
昔、日記で書いていたのを息抜きに手直ししてたら出来上がってしまったので投稿。
不定期更新、かつ自己満足小説です。
何も変わらない日々。
朝6時に起き、電車に1時間半揺られて学校へ行き、面白くも無い教師の雑談と解説を聞き流しつつ授業を受ける。
そんな毎日が何日続いただろうか。
ゴールデンウィークも過ぎ去り、6月に入ろうとしていた。
休み時間。
クラス内はグループに別れ談笑をしていたり、寝不足なのか机に突っ伏していたり、読書をしていたりと様々だ。
そんな中、春日夏野は黙々と前の授業で出た課題をこなしていた。
誰も彼に話しかけようとはしない。言うなれば彼は一人ぼっち。クラスで浮いた存在となっていた。
なぜ彼が浮いてしまったかと言うと、それは単に面倒くさがったからに尽きる。
この学校、県立大聖高等学校は県内有数の進学校である。
夏野は中学時代に少しやんちゃをしたが高校ではそれを避けたいと思い、一念発起の猛勉強でここに入学した。
自宅から遠かった事もあり中学時代の学友はここに入学していない。
だからこそ彼はここを受験したのだが。
最初の頃は話しかけてくる人も居たが、それに曖昧な返答を繰り返し、そして他の人達も段々とグループが固まってきた事で彼に話しかける人間は居なくなった。
普通ならこの状態を良しとせずグループ内に混ざろうと躍起になるものだが、彼はむしろこの状態を歓迎していた。
人付き合い面倒臭いです。そんな事より読書をさせろ。
これが彼の言い分である。
こうなるとイジメの対象になりそうなものだが、浮いたら浮いたで浮ききってしまうとそういう対象にすらならないらしい。
夏野は休み時間は課題消化、昼休みは読書、登下校も読書。と、彼なりにとても充実した日々を送っている。