第一話 雨夜の黒猫亭
小説家になろう初投稿です。まだまだ手探りですが読んでいただけると嬉しいです(*..)”
雨が降っていた。
店先の古びた看板を、静かな雨音が叩いている。
午後七時半。
黒猫亭には、今日もほとんど客が来なかった。
「……今日も二人だけ、か」
西島朔夜は、小さく息を吐く。
木製のカウンター。
暖色のランプ。
コーヒー豆の香り。
両親が残した古い喫茶店、
『黒猫亭』。
昔は賑わっていたらしい。
けれど今は違う。
駅前には新しい店が増え、静かな純喫茶を選ぶ人は減っていた。
両親が亡くなったあと、朔夜は一人で店を継いだ。
誰かが温かい飲み物を飲んで、ほっと息を吐く。
そんな場所を、残したかった。
けれど現実は厳しい。
売上は減るばかりだった。
「……どうしたらいいんだろうな」
「にゃあ」
足元で声がする。
見下ろすと、一匹の黒猫がこちらを見上げていた。
艶のある黒毛。
金と青、左右で色の違う瞳。
クロノ。
黒猫亭の看板猫であり、今の朔夜にとって唯一の家族だった。
「お前だけだな。毎日来てくれるの」
頭を撫でると、クロノは気持ち良さそうに目を細める。
その直後だった。
クロノが突然、入口を睨みつけた。
低く唸る。
「……クロノ?」
次の瞬間。
店全体が、白い光に包まれた。
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