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~プロローグ~ 《幸せな人々》

はじめまして!


ブックマーク、ご愛読していただけると嬉しいです!

楽しんでいただけると幸いです!

 




 ここは広い広い公爵家の庭。

 それは、庭なのに「ここは森だよ」と紹介したくなるほど。


 野うさぎや、鹿も、この森のような庭の中を自由に走り回る。


 人のために作られた庭と言うよりは、動物のための森にお邪魔していると言った方が正しいのではないだろうか。


 そんな庭の中央に、大きな大きなお屋敷に続く一本道がある。


 そこを歩くのは……今、この国や隣国で“この世界で最も幸せな二人”と吟われている男女。


 なぜ彼らの事を人々が知っているかというと、彼らの使用人が彼らを題材にした小説を書き、それが劇になり、国を越え、知らない人は居ないくらいの有名人となったから。



 彼らはぎゅっと手を繋ぎ、長い長い一本道を寄り添って歩く。



「これからもずっと君だけを愛するよ。」


「ふふ、私もずっとレオだけを愛しますわ。」



 時折、そんなことを呟き、お互いを見つめ合う彼らは本当に世界一幸せなのかもしれない。



「旦那様!奥様!急いでくださいませ!そろそろ式場に向かわないと、間に合いませんわ!」



 おっと、そうそう。

 実は彼ら、今日結婚式をあげる新婚夫婦。

 まさに幸せの絶頂と言ってよいだろう。


 彼らの結婚式は国内最大。普通の式場では入らなかったため、城、城下町を貸し切り、皆でお祭り騒ぎをするスタイルだ。

 色々な国の重要人物から、たまに行く露店の店員まで沢山の人が自由に参列する。



「今向かう!……行こうか。」



「うん!」



「はぁ~……可愛すぎるよ俺のお姫様。出来ることなら、ずっと独り占めしていたい……。」



 元気よく返事をして微笑む彼女に、心の声がただ漏れの彼。彼がこうして呟くのはもう何度目だろうか。



「もーう、何回も言っているでしょ。私は元から貴方だけのものよ。貴方以外のものになるなんて、考えられない。絶対に離さないでね。」



「うん、絶対に離さないから、覚悟しておいてね……愛しているよ。」



「……んっ。」



 彼女をぎゅっと抱きしめキスをする。

 このキスは今日何度目だろうか。


 幾度となく彼女の唇に落とされる、甘い甘いキスは、彼らだけでなく見ているこちらまでとっても甘くなる。


 不思議と人々を幸せにしてしまうのだ。


 だからなのか、彼らが幸せであることは、この国の発展、国民の幸せに繋がるといわれている。


 すべての人が彼らの幸せを願い、彼らもまた、すべての人の幸せを願う。


 本当に平和そのものだろう。



 __そんな彼らも、幸せになるまでの道のりはとても長く険しいものだったのだ。さあ、ゆっくり振り返っていくとしようか。

あとからつけたした割り込みプロローグですが、たーぶん本編のネタバレはしていないはず!


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