第一話 ポイズン・アップル
本編入ります!
プロローグは一度忘れてもらって構わないです!
私、水城萌葉。
本当は人生謳歌中の17歳って言いたいとこなんだけど、私の命はもう長くないらしく、入院生活。
最近さらに様態が悪くなってきていて、もういつ死ぬか分からないと宣告されたのが3日前です。
でも、毎日頑張って生きてる!
残念ながら、落ち込んでる暇は無いわ。
だって、つい一ヶ月前に私の大っ好きな乙女ゲームである、‘’ポイズン・アップル"の隠しキャラルートが解禁されてしまったんだから。
しかも、これがネットで今一番の話題なのだ。
これはもうクリアする選択肢しかないし、そこからまた、お気に入りのキャラが出る所をなんっっしゅうもしてやると心に決めた。
『コイツや』
『へぇ、この子か』
ポイズンアップルの説明したいと思います!
もう、語りたくて語りたくてしょうがないの。
放課後にならないと友達来ないし、暇だし。
‘’ポイズン・アップル‘’は簡単に説明すると、ヒロインである公爵令嬢、マリア・クリスティが、色々な攻略対象キャラと出会い、恋愛、結婚するゲーム。
マリアは6歳から19歳までの13年間、ガルシア学園で自由に攻略対象キャラと恋愛ができる。
好感度を最大まで上げるとゲームクリア。
1人も最大にならなかった場合は公爵令嬢という立場からなのか、王太子、エドワードと結婚することになる。
でも、好感度の上がっていないエドワードは、ヒロインを愛さず、マリアと同じ公爵令嬢であるイブリン・シュゼットと浮気をして……。
マリアはその事に絶望して自殺をしてしまう。
というのが、最大にならなかった場合のバッドエンド。
マリアが自殺をするために食べるのが、毒リンゴ、“ポイズン・アップル”なのである。
ここ重要!テストだします!!
期限が13年間あるとはいえ、攻略対象キャラがいきなり揃うわけではない。
幼なじみ設定のエドワードとお茶会で4歳の頃に出会い、そこから初等部6年間で6人、中等部、高等部の3年間ずつで合わせて4人増える。
そこから魔術部、武術部どちらかを選んで、また新しいキャラが2人増える。
初等部からの間、好感度が半分以上ある攻略者は一緒に中等部、高等部に上がるけれど、半分以上の好感度が無かった攻略者は転校という形でそばからいなくなる。
だから、誰にしようか迷っていると後悔することになりやすいのだ。
イベントクエストも、イベントも、起こるまでに3つ選んだキャラのお願いを聞かなくてはならない上に、結構難しいのが多い。
相対的にみてバッドエンドが一番多い上に、最後は毒リンゴを食べて死ぬ、1番よく見るエンドストーリーが毒リンゴ自殺という残酷なゲームなのだ。
毒リンゴで死ぬって白雪姫みたいで、ロマンチックだよね。王子様は来ないけど。
だからこそ好きなキャラルートをクリアできたときの達成感はすごい。
あーあ、私にも王子様現れないかしら。
うふ。
あ、ウインクしたら看護師さんが倒れた。
そんなに気持ち悪がらなくても良くない……?
『ふふっ、確かに面白いね。僕もこの子を気に入ったよ』
と、まあそんな‘’ポイズン・アップル‘’の世界で私の1番の推しは!
なんと、攻略対象キャラじゃない……。
なんで!?
レオ様が1番かっこいいじゃん!
私の推し、レオ様こと、レオナルドは悪役令嬢イブリンの執事兼、騎士で、イブリンの幼なじみでもある。
密かにイブリンに想いを寄せているが、イブリンが、王太子エドワードのことをずっと好きなのを知っているから、自分の思いをなかなか伝えられない所もまた可愛い。
逆に言うと、王太子ルート以外をプレイしてる間はイブリン、悪役令嬢じゃないですね。
普段はとーってもいいご令嬢で、ヒロインに対する嫌がらせは、全部ちょっとしたやきもち。
エドワードルート以外ではお助けキャラにもなるから私もイブリンが大好きだ。
ちなみにヒロインのバッドエンド以外は、レオがイブリンに想いを伝え、結ばれる。
王太子ルートのハッピーエンドで、イブリンが追放される時もレオ様はついていく。
結論として。
私は、金髪細マッチョの爽やかイケメンが、
好きなんだーー!!!!!
イブリンがいなかったら結婚したいわ。
ていうか、いても結婚したいわ。
なんで私は、現実世界で不自由しながらも生きてるの!
健康的な美少女が良かった……
そして3日。
根性で隠しキャラルートをやりきった。
根性出せば人間なんでもできるよ、うん。
隠しキャラルートに入るための下準備あんなかかるとか異常でしょ。
思い付かんよ!バッドエンドルートに続きとか!あのアイテム持ってるだけで、ああなるとは。
白雪姫だ……!毒リンゴだ……!
まあ、やっぱ面白いな。達成感が凄すぎる。
考えて作られてたわ。
それと同時に、どっと疲れが出た。
意識がフワッと軽く遠退くのがわかる。
今までに無いからだの重さ。
ああ、これで私の人生終わりか。
こんななんだ、8年ぶりに死んだおじいちゃんに会えるかもしんない。それはそれで楽しみ……
一瞬私の頭の中を、“ゲームのなかに転生した”という本があった事が過ったが、自分が転生出来るとは思わない。忘れてしまおう。
周りの看護師さんたちが慌て出した。
あ、三日前気持ち悪がってた人もいる。
そうだよね、ごめんね。
入院中の女子高生が余命宣告されて、落ち込んでんのかと思ったら「うふ。」って急にウィンクしてきたときのキモさと怖さ……わかるよ!!
お母さん、お父さん、今までありがとう。
直後、心電図モニターからピーーーーッという音が病室に鳴り響いた。
まだまだ未熟者ですが、工夫を重ねておもしろくできるように頑張っていきたいと思います!




