相手を追い掛けて
「助けてぇええっ!!」
いきなり大声を出してすいません、私は有栖川結菜、中2。只今狼に追いかけられていて大変なのです。こんなことになったのは数時間前の事……
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「ふぅ、これで一通り終わったかな?」
洗濯かごを置いてエプロン等を片付け自分の部屋に戻る。親が共働きで家事は私の仕事、この生活も今は大分慣れてきたしこれが当たり前だ。でもやっぱりもう少し自由が欲しいというのが本音。恋愛だってしたいし友達と色んな所に出掛けてみたい…、って、ないものねだりはやめよう。
「さて、テレビでも見ようかな」
何も映していない画面に向けてボタンを押すが反応が無い。……壊れたかな……はぁ、買いに行かなきゃ……。
「自分の部屋の掃除でもしようかな、雑誌とか捨てないと」
階段を上り自分の部屋に行くと出した覚えの無い1冊の絵本が転がっていた。
「赤ずきん、かぁ……懐かしい…………けど、なんでここに?」
少し不気味に感じたが好奇心の方が強くその本へ手を伸ばしていく。すると絵本は白い光を放ち自分の体を飲み込んだ。
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という訳で……。って、まだ追って来てる!誰か助けて……
瞬間、ドンッと鈍い音がし、振り返ると謎の太い棒を持った美少年が。
「大丈夫?赤ずきんちゃん。」
「え?」
赤い、ずきん……?近くにあった湖で自分の姿を見てみると真っ赤なずきんとひらひらした赤く可愛らしいワンピース。この歳になって着ているのは恥ずかしいがそんなことを言っている暇は無い。
「あれ、このあたりに住んでる赤いずきんを被った女の子って……君のことじゃないの?」
「あ、いや、住んではいないのですが…気付いたら狼に追い掛けられてて……?」
変なことを言っている奴に見えるだろうが事実を話した方がいいと思ったので素直に言う。
相手は観察する様に私を見る。
「うん、嘘はついていないみたいだね。じゃあ、君の名前は?」
何で嘘ついてないって分かったんだろ……。それに知らない人に名前を教えるのか……まぁ、世界違うしいっか!
「有栖川結菜、です。貴方は?」
「俺は……、ロウでいいよ。宜しくね」
でいいよ?って……何か隠し事をしてそうだなぁ。でも人の事に首突っ込んでも駄目だよね、黙っとこ。
「ロウさんですか。宜しくお願いします」
少し堅苦しいかもしれないが初めて会った年上そうな人にいきなり呼び捨てという勇気は無いので敬語で話す。
「本当は助けてあげたいんだけどこれから森に用があってね、行かなきゃならないんだけど……1人で大丈夫?」
「はい、引き止めてしまい申し訳無いです」
「大丈夫だよ、じゃあ」
微笑んだ顔は美しいんだが狼を倒した時の返り血が、怖い。なんて酷いことを考えてるとロウさんは森に歩いて行った。……赤く染まったハンカチを落として。
「これは……届けなきゃ」
赤ずきんはおばあちゃんへ会うために森へ行ったが狼に会ってしまい……、このストーリーとは全く関係が無くなるが私はそんなことを知ったこっちゃ無いのでそのハンカチを握りしめて相手の足跡を辿り森へ入っていった。




