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迫る

社内で晃一を探す優香だが、どこにも見当たらない。


「しまった。晃一を見失った」慌てて会社を出た優香。

あいつの元に行けるかしら?と飛ぼうと思ったら

何かの力に引っ張られてしまった。



そこは、やうと村の多嘉良の神社だった。

美和に憑いて最初に訪れた和室で、テーブルをはさんで向かい合う。


「お呼び立てしてすみません。藤子(とうこ)さん…美和の母親から連絡が

ありまして、それで来ていただきました」


「わたしを呼べるのは美和さんだけかと思っていました」

「美和はたまたまです。でもあなたとは波長が合うらしい。

わたしは狙ってやってます」


「優香さんにお伝えしておく事があります。

犯人をあまり恨まないでください。でないとあなたが魔物になってしまう。

そうなったら誰もあなたを救えない。

できればこの神社で、落ち着いて穏やかにあの世へ逝ってほしいです。

わたしが送らせてもらいます」


「でも…わたしを殺しておきて知らん顔なんて許せないわ。

どうしたらいいか知っていたら教えてください」


「んー、では夢で見られるように、相手の耳元でささやいてみてはどうでしょう。

夢はたまに死者の世界と繋がるので、あなたが言いたいことが伝わるでしょう」


「夢で…。わかりました。ありがとう」

何かを決意して優香は消えた。


「さて、どうしたものやら。イヤな予感がするんだが…」

多嘉良は頭を掻きながら「う~ん」と唸った。



「バイト行ってくるねー」そう言って美和は夕方の街へ出かけた。

登山用のストックを持つのは習慣になっていた。


美和の後ろ姿をフードを被った男が見送る。


「バイトかぁ。君にも永遠に黙って欲しいんだけど、どうしようかなぁ。

実行する前に、もう少し計画しないとな」と

フードを少しめくって、城田晃一が笑いながらつぶやいた。


読んでいただき、ありがとうございます。

引き続き、楽しんでいただけますと嬉しいです。

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