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エピローグ

山のバス停の終点には朝方に着いた。

空が紫色とオレンジと、都会では決して見る事ができない色に

染まっている。


「送ってくださってありがとうございました。

先に村へ帰って知らせてきます。皆、歓迎したいでしょうから。

服も多嘉良たからさんに返さないと」

そう言って戸隠とがくしは飛ぶように森に消えた。


「え!?あの服多嘉良さんの?」

「ああ、見たことあるって思ってたわ」

「多嘉良さん、本当にスリムだったんだぁ。

…イケメンだったって本当?」

「さあ、昔のことは忘れたわ」



「美ぃ-和ぁぁ。俺があれほどスルーとぉぉ」

村に着くと、多嘉良がこぶしを握って出迎えた。

「ごめんなさい ごめんなさいっ」

頭を抱えて小さくなって謝る美和。


「…んまぁ。無事でよかったよ」

多嘉良はこぶしを広げて、美和の頭をなでた。



「アヤカシの事はよく知っているのに、戸隠くんに狐の事を

聞きにいったんだって?」

縁側に座って、藤子とうこが多嘉良に問う。

「まあ、確認な。でもわざわざ都会まで行ってくれるとは」

「いい子だわ。彼になら美和を嫁にやってもいい」

「おいおい」


梓と早瀬にお菓子を届けに来た美和が盛大にくしゃみをする。

「誰か何か言ってるー」



「あ、いたいた。藤子ちゃーん」と源太をはじめ、

村人たちが神社へやってくる。

「戸隠さんから聞いてきたのよー。久しぶりねー」と大歓迎。

「みなさん、具合が悪いところがあったら言ってくださいね」

「大丈夫、大丈夫。みんな元気で長生きよー」



「あ、愛鷹―。目を診せなさい」

通りかかった愛鷹を捕まえて、藤子が眼帯をめくる。

「変わらないよ。何ともない」 「いいからお診せー」

抵抗する愛鷹としがみつく藤子を

「姉と弟みたいよねー」「うんうん」と老人たちがニコニコ見ている。


美和たちが持参したおつまみやお菓子や、村で捕れた魚や鹿肉で

その日、村は翌朝まで宴会だった。


「ほえ~っ」と部屋でゴロゴロする美和を見て、

「平和でいいわねぇ」藤子がしみじみ言った。



数日後、ニュースが流れた。

【暴行で逮捕された会社員。恋人殺害を自供】

城田晃一の写真がアップで映し出されていた。



読んでいただき、ありがとうございました。

次作は番外編の予定です。

引き続き、読んでくださると嬉しいです。

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