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746 わからんやろ
2019.2 作
妻がオレの顔を見て笑う。
「ほんと大きいね、重たいやろ」
「ああ」
「首がこらん?」
「こるけど」
「どうにかならんの?」
「どうにもならん、生まれたときからこれやけん」
「それに、その顔も」
「言わんでくれんか」
「自分でもわかってるんやね」
「オマエにはわからんやろ。毎日毎日、この顔で何十年も生きてきた、オレの気持ちが」
「あんたにだってわからんやろ」
「なにが?」
妻いわく。
「毎日毎日、その顔を何十年も見せられてきた、うちの気持ちが」




