↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
39/43

30 両手持ち用の杖は薬品の覇者と戦う 前編

― 残り五時間半 ―


「あら、もう来たのね」


 扉を開いた先では優雅に紅茶を飲むラーダさんがいた。


「マスター……何故です?」

「何故って?」

「ミンジャー町支配計画の事です!」


 …………今これ思っちゃダメなんだろうけどやっぱ名前安直すぎね?


「全く……あの部屋に入ったのね、感心しないわ」

「マスター! はぐらかさないで下さい!」


 マーダがここまでラーダさんに反抗した事は多分無いんだろうな。


 ……それでも普通に紅茶を飲んでいるラーダさんに少し腹が立ってきたぞ……。


「それで、ここに来たって事は……そういう事よね?」


 そうラーダさんが言った途端半端ない圧が伝わってきた。


 ひっ、冷や汗が止まらん。


 取り敢えず【見る者】で見てみるか。


「【見る者】」


 そう小声で言う。


 あっ! そうだそうだラーダさんには効かないんだった分かる訳ないんだからやる意味な――


《名前:シルファー・ラーダ


 HP:100 /3000(上限突破中)


 MP:2400/3800(上限突破中)


 AP:600/3400(上限突破中)


 DP:50/2800(上限突破中)


 SP:80/2600(上限突破中)


 スキル・魔法:【調合(コンパーディング)】【生成(ジャナレーション)】【錬金術師(アルケミスト)】【消去(アウレイス)】【重複(ディプリケーション)】【真理(ヴェリチー)】【活性化(アクティベーション)】【洗脳(ブレインウォッシング)】【超回復(スーパーヒール)】【強健な者】


 称号:『薬品の覇者』 『人の観察者』 『耐える者』》


 えぇ!? 何で見れるんだ!?


 というか知りたくない情報がめっちゃ来ちゃったよ!


 全ステータス上限超えてるってマジ!?


 しかもそれ私を余裕で越してるっているね。


 それに……『薬品の覇者』とか持ってるし。


 ラーダさんも覇者なのかよ!


 ……あのさ、勝てなくねこれ?


 グーで殴られたら私ぶっ飛ぶと思うよ?


 いや、確実にぶっ飛ぶな。


 スマ◯ラのキィーン鳴って飛んでくやつくらいぶっ飛ぶな。


「私は、私はその計画をやめてほしいだけです!

「やめない……と言ったら貴方はどうするの?」

「……止めます」

「貴方に出来ると?」

「やってみせます」


 おいおいマーダ、ラーダさんのステータス知らないからそんな事言えるんだろうけど死ぬぞ?


 ラーダさんは立ち上がり、あからさまにヤバい薬品を構える。


「ではやってみなさい」


 そう言って戦いが始まった。


 ――瞬間マーダは私の後ろに来た。


「うぇ!?」


 ちょいちょいちょい! あんな啖呵(たんか)切っといて私の後ろに来るってどういうこっちゃねん!


「す、すまないメルア、一緒に戦ってくれー!」


 ……はぁー、まあその気で来てたからやるけども。


 勝てるか? いや無理くね?


 さっきも言ったけどステータスの差相当だぞ?


「はぁ……マーダ、貴方の方から来ないのなら行かせてもらいますよ!」


 そう言ってラーダさんは薬品を投げて来た。


「【重力無効(サイレントグラビティ)】!」


 飛んできた薬品をラーダさんに跳ね返す。


「!?」


 驚いた顔をしてラーダさんは避ける。


 流石にSPが2600もあると避けられるか。


「そんな事も出来るのね……加えられた力を好きな方向に曲げられる能力かしら?」


 いや、単純に重力をひん曲げてるだけです。


「ならば……これはどうかしら!」


 そう言ってラーダさんはまた薬品を投げてくる。


「【重力無効(サイレントグラビティ)】!」

「【消去(アウレイス)】!」

「なっ!?」


 まずい! 魔法をかき消された!


 もう一度唱える時間は……無い!


「うおぉぉ!」


 横からマーダが飛び出し、持って来た剣で薬品を斬る。


 中に入った液体も斬ったので、私達の左右に向かって落ちた。


「やっと戦う気になったの? マーダ」

「戦いたくなんか……ありません! ただあの計画を止めようとしているだけです!」


 そう言って剣をラーダさんに向ける。


「絶対に〝貴方〟を、止めてみせます!」


 おーい、さっき私の後ろに来たの忘れてないからなー?


 マーダはラーダさんに向かって走り出した。


 仕方ない、援護しますか。


「【完全防御(パーフェクトウォール)】! 【重力無効(サイレントグラビティ)】!」


 マーダを傷がつかない状態にして全ての攻撃を私が跳ね返す。


「【消去(アウレイス)】!」


 ラーダさんがそう言った瞬間に……


「【完全防御(パーフェクトウォール)】! 【重力無効(サイレントグラビティ)】!」


 と魔法をかけ直す。


 マーダがラーダさんの所に着くまで残り5秒。


 その間ずっと魔法を言い合う。


 そしてその言い合い勝負に勝ったのは――


「【完全防御(パーフェクトウォール)】! 【重力無効(サイレントグラビティ)】!」


 私だった。


「はあぁぁぁ!!」


 マーダがそう叫んでラーダさんを斬りつける……が。


「なっ!?」


 弾かれた。


 ラーダさんは特に何かした素振りはない。


 つまりこれは……


「どうやら、貴方のAPと私のDPには天地の差があるようですね」


 そう、相手のDPが高過ぎるという事だ。


 まあ確かに今ラーダさん2800もあるしな。


 マーダがラーダさんの攻撃によってこちらに吹き飛ばされてきた。


 いやぁー……これどーしよ。


 私のAPは1250あるけれど、DPが150だからぶん殴りに行くのはリスクが高すぎる。


 でも魔法を放っても【消去(アウレイス)】でかき消される……。


 ……マーダに頼るしかないかぁー。


「マーダ」


【完全回復(パーフェクトヒール)】をかけて話しかける。


「な、何だ?」

「私が援護するからマーダがラーダさんをやっつけてくれない?」

「お、お前……言っている意味が分かっているのか!?」


 …………あ。


 た、確かに自分の師を殺させるのはあまりにも酷すぎる……。


「ごめん、別の方法考えとく」


 それに今私が言ったのはそれだけの意味じゃなくて、人を殺せと言ったのと同じ……。


 いやまあルルドは人だろとか言われるかもしれないがあれはもう……人じゃなかったからまだセーフとするが、今のラーダさんは完全に人。


 人殺しをする勇気は……ない。


「ならマーダ」

「何だ?」

「気絶させる……とか出来ない?」

「気絶か……」


 気絶させて縄でグルグル巻きとかにして然(しか)るべき場所に行かせればまあ……良いでしょ。


「じゃあこうしよう――」


 そう言って作戦を話す。


「おや、相談が終わりましたか?」


 うーわめっちゃ余裕そー。


 でも……私達が今からやるのは殺す事よりも難しいだろう。


「さあ続きをやりましょう」


 もうそれ悪役の言葉でっせラーダさん。


「行くよ! マーダ」

「どんと来い!」


 そして私はマーダに向かって『自爆杖』を放った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。