表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その転生者はスキルも魔法も【視て盗む】〜異世界転生ものが大好きな男の異世界転生〜  作者: 空茶日
第4章 "炎"との邂逅

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/49

第35話 フォレストコング討伐依頼


 東門を出てから、歩くことしばらく。


「今のうちにフォレストコングの情報を確認しておこうか」


「そうね。……主な生息地は東の森中層で、Cランクの魔物として分類されているわ。攻撃手段は腕を使った肉弾戦か、近くの物を投擲するか。どちらにせよ脳筋ね。ただ力とスピードがかなりあるから、低ランク冒険者が挑むのはギルドから推奨されていないわ」


「おー!」

「オレが補足することは、特にないな」


 しゅごい。スラスラと、まるで淀みなく言いきりおった。パねぇっす。


 てっきり俺は、みんなで「あーだよね。こーだよね」ってやるもんだと思ってたよ。それがまさかのカトレアさん単騎で、情報が出尽くしたでござる。


「さすがっす、カトレアさん」

「そういうのはやめなさい」

「ごめんなさい」


 割と本気で怒られたので、素直に謝る。


「ちなみにビルに質問。コングの攻撃は正面から受けられる? それとも、いなす感じ?」

「フォレストコングくらいなら、真正面から受けても大丈夫だ。なんせ熊だからな。アッハッハ!」


 なんかよく分からん熊さんジョークが炸裂した。熊だからなんだというのか。




     ※  ※  ※



「あ! 森が見えてきたぞ!」


 ビルに肩車で乗っかっている、昔話の金太郎のように見えなくもないスタイルのエルルが、遠くを指差しながら言った。


 ……まぁ、うん。言いたいことは色々あるよね。「警戒は?」とか「あのデカいハンマーごと乗っけられるビルさんのパワーすげぇ」とか。


 これもカトレアさんの探知魔法があるから、出来ることなんですね。ありがとね。……黙んないでよ、怒ってんの?


「呆れてるのよ」

「アッハイ」


 心の声を読まれたかのように言われてしまった。


 そうこうしている間に、無事に森に到着した。



「お〜し、じゃあここからは真面目にいこう。浅部だからって油断はするなよ?」

「分かってるわ」

「おー!」


 いつの間にかビルの上から降りているエルルだ。


「先頭はオレが行くから、カトレアは適宜探知してくれ」

「了解よ」


 いいね。ちゃんと切り替えられてる。これなら心配なさそうだな。


「じゃあ行こうか。初のパーティー依頼だ。みんな、よろしくね」

『おー!』


 掛け声はエルルに合わせて統一されたようだ。


 ……

 …………

 ………………


 森を歩き始めてから、最初の探知魔法をカトレアが飛ばした時のことだった。


「おかしいわ」


 こんな初っ端から異変があるらしい。


 マジで俺、何かに呪われてない? トラブルが続き過ぎでしょ。


 たまにはスローライフものの主人公さながらに、まったりした生活を送らせてくれても良いのよ? ね、女神様。……リーン様? なんか目を逸らされた気がする。


 現実逃避する俺をよそに、ビルがしれっと聞いてしまう。


「何がおかしいんだ?」


 それに対する答えは。


「近くにもうフォレストコングらしき反応があるのよ。数は……3体ね」


 あー、カトレアが言っていた、コングの説明を覚えているだろうか。


 あの時彼女は、こう言ったはずだ。『主な生息地は東の森中層で、Cランクの魔物として分類されているわ』と。

 そう、こんな浅部に3体もいるのはおかしいのだ。


「ギルドに報告案件だなこりゃ。でもまぁ」


 依頼に記載されていた必要討伐数も、3体。おあつらえ向きに奴らの方からやってきてくれたんだ。ここは遠慮なく狩らせてもらおうか。


「逆に運が良かったとも考えられる。サクッと倒して依頼達成だ」

「早くギルドに報告もしなくちゃいけないしね」


 そうと決まれば、効率的に行こう。


「じゃあ、作戦なんだけど───」




☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★




 森を徘徊するフォレストコング達の前に、ビルが躍り出る。


 距離は約30m。


「こっちだコングども! 【アピール】」


 スキルの効果があったのか、なかったのか。3体は一直線にビルの元へ殺到する。


 距離が10mほどに迫ったところで、俺は声を上げる


「ビル! スイッチ!」

「おう!」


 ビルがバックステップで下がり、逆に俺は前へ出る。


「【ウォーターハンマー】」


 地面が揺れるほどの重たい衝突音が響いた。


 『ウホウホッ!』


 俺が発動した水の魔法は、屈強なフォレストコング相手では大ダメージを与えるには至らなかったようだ。やはり頑丈だな。

 でも足は止まった。これでいい。


 俺は横にローリングしてから叫ぶ。


「カトレアっ!」


「任せてっ! 【ライトニング】」


 俺が先ほどまで立っていた場所を強烈な雷撃が通過し、フォレストコング3体に直撃した。


「「「ウボァァァッ!」」」


 激しい雄叫びを上げながら痙攣するコング達。焦げ臭い匂いが周囲に立ち込めていく。

 さすがにこれは効いたようだが、プスプスと身体から黒煙を上げてはいるものの、どの個体もまだ健在だ。タフだね、ほんと。


 ……だが、こっちの攻撃もまだ終わってない。頼むぜ、


「エルルっ!」


 呼びかけに応えるかのように、巨大なハンマーを構えたエルルが飛び込んできた。


「おー!【ランドブレイク】ッ!」


 大地をも砕く一撃が、いまだ感電から回復していないコング3体を容赦なく襲う。


 直後、あたり一帯に縦揺れが発生。

 比喩ではなく、俺の体が一瞬宙に浮いた。


「……えぇ。エルルって、こんな火力出せるのかよ」


 とんでもない破壊力だ。……絶対にエルルだけは怒らせないようにしよう。


 全てが終わり、静かになった戦場を見やると、まるでミサイルが着弾したかのようなクレーターと。


「ルイン、どうやら死んではいるが証明部位は無事みたいだぞ」

「よく原型を保ってたな。さすが低ランク非推奨の魔物だね」


 絶命しながらも、生前の姿は残したままのフォレストコング3体が転がっていた。


「お」


 体が軽くなった。レベルが上がったな、こりゃ。


「とにかくみんなお疲れ! エルルも最後の一撃はすごかったぞ」

「えへん!」


 胸を張るエルル。わんぱくな子供みたいで微笑ましい。年上だけど。。


「連携も良かったわね」

「だな。うまく嵌まってよかったよ」


 きっちり封殺できたのではなかろうか。


「うむ。とりあえず剥ぎ取りを済ませて街へ戻るか? ギルドに報告することもあるのだろう?」

「だな。俺がパパッとやっちゃうから、警戒と休憩しといてくれ」

「「「おー!」」」


 解体を済ませた後、少しだけ休憩をもらってからヴォルクスの街へ帰還した俺たち。


 "アルゴスアイズ"としての初依頼は、こうして無事に完了した。





───────────────


ルイン


レベル12 ←1UP


魔法

【点火】【氷の盾】【ウィンドカッター】【ヒール】【ライトニング】

【ウォーターハンマー】


スキル

【視て盗む】【魔力操作】【突進】【剣術】【槍術】【気配察知】【身体強化】

【水鏡】【鑑定】


称号:転生者 格上キラー


───────────────

エルルは怒らせないようにしようね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ