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その転生者はスキルも魔法も【視て盗む】〜異世界転生ものが大好きな男の異世界転生〜  作者: 空茶日
第1章 辺境の村シーズ

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第1話 親の顔より見たかもしれない異世界転生


逆に最近見かけなくなった、コテコテのテンプレ異世界転生ファンタジーをどうぞ。


「……ハッ!」


 日課のお昼寝中、急に知らない記憶が蘇ってきた。


 毎朝スーツを着て電車で通勤。夜まで働いた後、スーパーで値引きシールの貼ってある弁当を買って、一人暮らしのアパートへ帰宅。

 飯食って風呂入ったら、ソシャゲやったりアニメ観たりして就寝。


 そんな毎日を繰り返す、ほんのちょ〜っとだけ異世界が大好きなだけの、ありふれた社会人の記憶だ。


 その瞬間、すべてを理解した。


「マジかぁ、これアレじゃん」


 そう。ソシャゲやアニメのおかげで、親の顔より見たかもしれない、あの異世界転生である。


 ベッドから起き上がって、窓から外を見渡す。


 そこに広がるのは一面の畑に、ボロい家がポツポツとあるだけのなんとも牧歌的な景色。


 これは紛れもなく農民スタートですね。


 ひとまず落ち着くためにも「うーん、うーん」と状況把握に努めていく。


 

 そこで、ふと疑問が浮かんだ。まさにたった今、ルイン君(5歳)の記憶と一般通過サラリーマンの記憶が、混ざり合って一つになった訳だが、


「全然違和感ないな」


 そう。全くない。


 ありがちな「え!?どうなってんの!?」とか「なんで子供になってんの!?」みたいな、当たり前の混乱が一切ないのだ。


「ま、ありがたいし別にいっか」


 疑問は一瞬で投げ捨てた。


 変にあたふたしたりとか、しないに越したことはないのである。


 細かいことは気にしない。気にしても大抵の場合は無駄だから。


 元の世界にもう家族はいないし、心残りも特にないしね。ぶっちゃけ代わり映えしない社畜生活から抜け出せて、ラッキーまである。


「さてさて」


 あらためて部屋を見渡すと、今まで寝ていた木製のちょっとボロいベッドに同じく木製のテーブル。以上。

 いくらなんでも、さすがに物がなさすぎじゃない? 農民ってそうなの?


「本当になんもないな……」


 はて、いかがしたものかと考えていたら部屋のドアが開いた。


 ガチャ


「あら? 起きてたのね、ルイン」


 今世での母さん、セラだ。金髪碧眼のザ・ファンタジーな見た目で、なかなかの美人さん。ちなみに父さんは黒髪で顔立ちは北欧系。こちらも結構なイケオジだ。


 余談だが、俺は髪も目も完全に母親似である。


「起きたなら夕飯の準備手伝ってくれる?」

「ほいさ」


 とりあえず色々考えるのは後にしよう。





ー夕食後、自室にてー



「自分の部屋があるあたり、そこまで貧しい生活ってわけじゃなさそうだなぁ」


 さしあたって、ルインくん(5歳)の持っていた記憶や、夕食時にさりげなく聞いた話で頭の中を整理する……。


 ここはルミウム王国の北西あたりにあるシーズ村。人口100人ほどの小さな農村で北に森があり、その終点には大山脈が存在する。

 ちなみに、シーズ村から南東に伸びる街道を馬車で2日ほど行くと、大きめの街にたどり着く。


 このルミウム王国の南端には、大きな港があり交易なども盛んなため、国は大陸一と言ってよいほど豊かである。今代の王の治世も国民からの評価はめちゃくちゃ高いらしい。


 最後に、俺の今世の家族構成は父マッシュ、母セラ、3つ上の兄ウィルの4人家族で姓はない。



 ひとまず今はこんなもんか。



 次は自分のことだな。


「とりあえず、転生したらこれだよなぁ。『ステータス』」


 ヴォン


 ホログラムみたいなものが現れた。


「え、マジかぁ。これアレじゃん(本日2回目)」


 ほんとに出ちゃったよ……。



───────────────


ルイン


レベル1


魔法:なし


スキル:【視て盗む】


称号:転生者


───────────────



 ほうほう、なるほど。


 この世界はレベル制なのね。

 んで魔法、スキル有りの称号システム付きと。


 HPがないのは、まぁ納得だ。

 たとえどんなにHPがあったとしても、頭とか心臓を潰されたら、普通に考えて一発アウトだもんな。

 全てのダメージを肩代わりする『HPバリア』っていうパティーンも、たまに見かけるけど。


 うーん、MPはあっても良さそうなもんだが。なぜ無いのか。コレガワカラナイ。


 力とか素早さみたいな数値ステは、マスクデータ的な感じで存在してそうだな。じゃなきゃ、レベルがある意味が分からないし。



 残る問題は、


「【視て盗む】って」


 料理人の世界かな?


 昔飲食店でバイトしてた時、そんな昔ながらの手法で料理のいろはを厳しく叩き込まれたことがある。その時の経験から、このスキルがついたのかな。


 なんとなく指でタップしてみる。


───────────────

【視て盗む】


 魔法やスキルを観察することで、習得することができる。

 対象1個体につき1つのみ学べる。


 ただし、条件を達成する必要有り。

───────────────


 あっ。(察し)


 俺知ってるよ。これ絶対ズルいやつだ。だって、スキルコピーとか強奪系の異世界モノの先人たちは、みんなもれなく強キャラだったもん。


 とはいえ、ここに書いてある『条件』次第で、だいぶ使い勝手が変わってくるな。


 無理難題じゃなければいいが。1つのスキルを習得するのに、毎回命懸けになるとかだけはやめてくれよ。


 ま、単に見るだけじゃダメ、ってことが分かっただけでも良しとしよう。


 なんにせよ、まずは検証しなきゃだな。


「ふぁ〜」


 5歳児の体だからか、まだそんなに遅い時間じゃないのにめっちゃ眠い。

 色々始めるのは明日からだな。


 この先の目標なんかも考えていかないと……。


 なんだかんだで、結構ワクワクしてる自分がいるな。



 これからよろしく異世界。おやすみなさい。




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