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気が付けば大名

「殿!殿はどこにおわす!」


 黒田君が駆け込んでくる。何をそんなに慌ててるんだろう?


「黒田君、ここだよ。」


「殿!大変です!早く大広間へおいでくださいませ!」


 何が有ったんだろうか?とりあえず大広間へ行ってみる。

「殿のおなぁりぃ~!!!」

 そこには数名の男達が平伏したまま待っている。

 何かデジャブなんだが?


「皆の者、面を上げよ。」

 5人の男達が頭を上げる


「して、どの様な要件だ?」


「我が少弐家は幕府の元に馳せ参じまする!」

「我が伊東家も幕府の元に馳せ参じまする!」

「我が姶良家も幕府の元に馳せ参じまする!」

「我が松浦家も幕府に刃向かう事なくご助力致したく!」

「我が島津家、公方様のため公方様の敵を撫で切りにする所存にて!」

 嘘だろ?九州の有力大名が全部幕府に降るって・・・

 いや、まぁ、予想してたのが居たな。と、なると・・・

 いや、考えるのは後にしよう。


「その方等の幕府への中性真に見事!公方様もさぞお喜びになるであろう。

 幕府に弓引くは謀反人に他ならぬ!九州は幕府の元に1つに纏まった!

 相田家の元に、幕臣として集ってくれたこと大義!」


「「「「「ハッ!」」」」」


「以後、諸君等の働きに期待する!」


 とは言った物のどーすんだ?これ。何もしてないのに九州が纏まっちまったぞ?

  

 と、いう情報は思ったよりも早く広まるらしく、大内家からも使者が来て、上洛するなら我が大内家もご助力致す!と言ってきた。


 四国の一条、西園寺、河野も使者を送ってきた。

 西国が何もしないのに纏まってきてしまった。

 常清は流れに身を任せるしか無いと達観し、武蔵はこのまま統一!とか言うし、桜花は桜花で開発がぁぁぁぁぁって叫んでいる。


 俺は鷹牙を愛でながら、この先をどうするかと考えていた。


「殿!殿!一大事に御座いまする!」


 また、誰か来たみたいだな。大広間に行く。

 ん?何で俺が下座に座らせられるんだ?ここは俺の城だよな?上座に座っている、何か不健康そうなおっさんと、やたらと目をギラギラさせたガキが座っている。


「大義!良く九州を纏めた!尊氏公の故事の様に九州から兵を纏め、京へ凱旋せん!」


 あら?もしかして公方様?は?何で来てんの?意味分からんのだが?


「相田 玄!その方を管領とし、幕府軍の総指揮を任せる!

 はげめよ!」

 おぉう、なんてこったい。将軍様下向してきちゃってんじゃないか。しかも俺が管領?馬鹿だろ?こいつ。細川や山名が黙ってないだろ!だが、答えはこれしか無い


「ハッ!!我が身命にとして!公方様を京の都へお連れ致しまする!」


 なにやってんだ?俺は・・・


 公方様が毎日の様に手紙を書いては送っている。あ、これは手紙公方と言われた奴に遺伝したんだなってくらいに手紙を送ってるただ、手紙公方と呼ばれた彼との違いは、武力が有るか無いかの差だろう。

 九州から兵を起こすと、最低でも五万の兵は集まってしまう。

 これ、本当に最低でもだ。黒田君が算出した動員数は、驚きの20万。

 どこにそんな動員が出来る人が居るんだよ!って思ったが、全九州。そりゃ、そのくらいは集まるか。

 で、最大の問題は、俺がそんな兵力を率いて指揮なんか出来るかって話な訳よ・・・

 黒田君に丸投げ案件だな、これは。


 そして、手紙公方の威力が凄まじ過ぎて大変な事にてなってるのだ。

 四国の一条、西園寺、河野、三好から使者が来るわ、大内からだけで無く、尼子、山名、武田からも使者が来たり

 

 ん?これ、本当に西国が幕府の勢力圏になってしまっとるわ。

 東国はしらんが、信長とまだ産まれて間もないし。こりゃ本当に天下が幕府によって統一される流れになってしまってるな。

 もう、流れに乗るしか無いな。



 と、思っていたら、瞬く間に京へ辿り着いて居るではないか。

 常清、武蔵、桜花、壚も目を白黒させている。


 公方様が天下に号令を出し、東国の大名は無視を決め込んだ。


 何か戦場に出ることが快感になってないか?と思ってしまう後の輝義君が東国へ討伐軍の最高司令官に就任。

 まぁ、征夷大将軍は流石にパパだけどな。その代理って事になってしまってる。


 俺?俺は京にお留守番、と、いうか、治安維持に奮闘している。

 真面目な話で盗賊が多すぎるんだよ。

 なのに、依頼では出てこない。解せぬ。

 この頃になると、桜花も常清も武蔵も殆どすることが無いと腐ってしまっている。

 いや、俺もかなり腐っているがな?責任だけでやってます。

 仕事と何が変わらないのか・・・

 更に頭が痛いのは嫁さん合流して、息子まで合流。

 この時点で俺の国は嫁の物になった・・・


 何とも面白味に欠けるゲームになってしまったもんだと愚痴を溢すが、桜花も相手にしてくれない。


 俺も好きなようにしよう思いますと言って、出来れば良いのにな


 東国の制圧は瞬く間だった。

  

 一応、相田家が中心になって幕府の再興がなってしまった。


 ゲームクリアだと思ったんだが、ここからが本番だった何て想像してなかったわ!


 幕府再興で、きっと藤義君は中興の祖と言われる事になるんだろう。

 しかし、突然妖怪共が蠢き始めた。

 

 忘れていた妖怪討伐。しかも従動物の出番が全く無かったと思い出していた。


「玄!公方様と他の幕臣に政治は任せて、わたし達は!」


「おう!分かってる!隠居してでも妖怪退治に行くぞ!」


「・・・あのさ、言っても良いか迷ってたんだけど、田原さん当たりに全部任せて、隠居した体で良かったんじゃ無い?って。」


「え?、そんなこと出来るのか?」


「だって玄、奥さん来てから、全部奥さんの意向通りに動いてたじゃん。

 若干幻滅してたよ!」


「お前もそうなるんだよ・・・」 


「え?何か言いましたか?玄。」

「妖怪退治にいくの?行かないの?僕は行くけどね!」

「わたしも~」

「行かない理由がありませんね。今までの鬱憤を存分に晴らしたいと思ってます。」


「楽しんだ者勝ちだな!よし!久し振りに4人でパーティー組んで行くか!」


 そして、相田家では玄が隠居し、息子が後を継いだという噂が流れるのだった。


「玄?妖怪なんて出ないじゃ無い!」


「こんな街中で妖怪なんて出るわけ無いだろ!」


 何故か漫才をしている俺と桜花。

 最近こんな事が無かったから嬉しい限りだ。嫁と息子に相田家を任せて来たから、自由の身だからな。

 

 あの日を境に奉行所では妖怪退治の依頼が爆発的に増えた。

 他のユーザーは天下が幕府によってまた纏まったとは知らないらしい。

 

 何故か?戦が殆どなかったから!大軍で動くと勝手に降伏してくるわけだ。

 骨が有ると信じた北条家ですら、小田原城を包囲して3日で降伏してしまったしな。

 東北地方?そんなの簡単だった。佐竹と北条、長尾家で東北地方は蹂躙されたのだから。

 

 で、俺たちは妖怪退治を楽しめているわけで


 従動物達も嬉しいのが良く分かる。すまんな、ダメな主で。


 奉行所にある妖怪退治の依頼を吟味していると、他のプレイヤー達の話が聞こえてくる。

 知らないうちに幕府が復興してるんだけど、何か知ってるか?

 なんか、プレイヤーの一人が将軍家の管領になったって聞いたな。

 管領って細川や山名じゃないの?そこんところどーなったん?

 細川、山名の威厳なんて将軍あっての物で、武力持たない将軍を傀儡状態にして実権握る争いしてただけだろ?

 そう。それが将軍が武力をもったもんだから、将軍の威光をつかって言うことをきかせるなんて事が出来なくなった両家なんて、誰からも見向きもされなくなるのなんて早かったよな。

 なんか、政争になるんじゃないかって話もあったらしいけど、武力の前に屈服して、今じゃ小領に閉じ込められ、更には領地の周りをぐるっと将軍の直轄地に囲まれちまってどうしようもなくなったとか。

 東北はよ?

 義輝が前線に出て大軍で大行進。

 あぁ、何かわかっちまった。

 はれて、幕府は復興してしまったと。

 んじゃ、エンディングなんじゃねぇの?

 それが、そうは問屋がおろさなかったんだ。

 妖怪大行進。今ここな。

 戦国シミレーションからただのMMORPGになったってことか?

 俺は最初からそうだと疑ってなかったけどな。

 次節あるみたいだから、そこからは戦国時代を生きていく事になるって感じか?

 ファーストシーズンはチュートリアルのつもりだったんだろうな、運営はよ

 それで情報を絞ってたんだな

 いまじゃ、情報の大放出中よ。誰かやらかしたからって話みたいだぞ。

 ・・・じぃ〜と視線が俺たちに集まってくる


「多分、あの人達が言っているのって玄の事だよね?」

「十中八九そうでしょうね。」

「有名になっちゃったね。僕も有名人の仲間入りかな?」

「お前等、他人事だと思いやがって・・・」

 鷹牙が、くぅ〜?と不思議そうに見上げてくる


「ちょっと、その人!その従魔どうやったら仲間にしたんだ?教えてくれないか?」

「正確には従動物なんだ。動物屋に売ってるぞ?種族なんかは、仕入れ状況によって変わるみたいだから、自分が認めてもらえる奴が出てくるまで通わないと行けない思うけどな。」

「?自分が認められる?どういう事だ?」

「あのね、従動物って特殊個体?になるのかな?そういった従動物って自分の意思で主を決めるようなの。だから、自分が気に入っても仲間になってくれなかったりするよ。」

「どんなだよ・・・。自分が連れていきたいって思っても拒否されたら諦めないといけないのかよ・・・」

「そうなります。私達も従動物を買いましたけど、あちらが寄ってきて選択なんてする事はできなかったですし。」

「ん?その言い方だと、気に入らないような奴から気に入られてた、連れて行かないといけないのか?」

「まぁ、連れて行かなくてもいいが、その従動物のその後ってのが・・・」

「なんだよ!気になるじゃないか!」

「それは、動物屋に行って自分で確かめてくれ。その方が早い。」

「あ、あと、始まりの町の動物屋じゃないと特殊個体は出てこないからね。僕たちの町の動物屋では、馬、犬、猫、猿、猪くらいしか出てないよ。」

「僕達の町???」

 武蔵がやらかしおった・・・

「あぁ、ここは俺の町だぞ?」

「は?この町が?」

「さっき話してたろ?幕府が復興したとか。その前から町作りしてたんだよ。

 ついでに知らんうちに幕府が再興してたわ。」

 何言ってんだ?こいつらは?って顔でこっちを見る男達。

 うん。わかるぞ。俺だってこの現実が受け取れられないんだからな。

「て、事は管領?」

「まぁ、そうなるな。」

「なにやってんだ?」

「妖怪退治だ。」

「・・・・・・」

「そうなるよね」

 桜花は爆笑し始める

「って、事はよ?あんたがファーストシーズンを滅茶苦茶にした、張本人って事か!!!」

 場が一瞬静かになり、その後収集がつかないほどの大騒ぎになった。

「で、幕府再興したのにファーストシーズンクリアにならないのは何でだよ?」

「だから、妖怪退治やってんだよ。」

「意味わかんねぇって!」

「あ、この後は妖怪との大戦争に突入だぞ?だから、間引きをしないとな。」

「は?俺たち戦の仕方なんて知らねぇぞ!」

「学べ!」

「何処で学ぶんだってんだ!」

「城に行けば教えてもらえるぞ?」

「簡単に言うなよ!」

「いや、簡単だって。」

 場は騒然となり、一人二人と城に向かうのか離れていく。

 うん。この判断が後々自分の位置を決めるって感づいているって分かって動いてるな。情報もばら撒かれ始めているしな。

「そういう事で、俺達は妖怪の間引きをガンガンやっていく。

 最後の妖怪との大戦争に参加したきゃ、動け!」

 俺がそう言うと、その場に居たプレイヤー達は、城に行くか、妖怪を退治するか?って話をし始めたようだった。

 それを尻目に俺達は町から出るのだった 

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