確かに驚いたかな?
夕飯を食べ終えた後、お風呂に入ってたら、時子ちゃんが近づいてくるって予感があった。
でも、サーチには引っかかってないし、気配も感じられない。
何なら、時子ちゃんの反応はずっと居間の方だ。
動かなかったから、寝てるか本でも読んでるのかなって思ってた。
なのに、私の感覚、それから直感は、時子ちゃんがもうすぐそこまで近づいてるって強く言ってる。
そしてついに、お風呂場前の廊下から、脱衣所に入ってきたことを直感が囁いてた。
んじゃ、一度見てみようって思って、風呂から上がって脱衣所のドアを開けると、時子ちゃんが何か変なポーズをしながら私を見てた。
「何してんの?」
「ほわっ?!」
声をかけてみたら、時子ちゃんがメッチャ驚いて飛び上がった。
「見えてんの?!」
「うん」
サーチには目の前の時子ちゃんの反応は相変わらず引っかかってないし、何ならサーチ上の反応はやっぱり居間から動いてない。
気配だって、全然感じられない。
でも、目の前の時子ちゃんが本物で、サーチに浮かんだ時子ちゃんは、本物だけど偽物、みたいな……。
あれだ、リムさんが複数に分かれた時に、全員が全員本物、みたいなあの時に似てる気がする。
それはさておき、時子ちゃんは「ごめんごめん」と言いながら後ろ頭に手を置いた。
「思い出した魔法試して脅かそうと思ってさ」
あ、また思い出したんだ。
ひとまず、着替え終えた後、一緒に居間に入ると、こたつに入って、大の字で寝てる時子ちゃんがいた。
「よっ」
「はにゃっ? おっ、戻ってきたかー」
私の近くにいた時子ちゃんが、コタツの方に声をかけると、寝てた時子ちゃんが目を覚まして起き上がった。
「あちゃー、バレたかー」
「やっぱ葵っちすげーわ」
二人の時子ちゃんが会話してる姿は、まるで双子が入れ替わりの悪戯をした時みたいな感じがしなくもない。
でも、二人とも間違いなく時子ちゃんで、何なら、風呂場にきたほうが本物中の本物、みたいな感じがある。
何か夢でありそうな展開に何も言えずに見守ってると、時子ちゃんたちが振り向いてきた。
「どーよ?」
「驚いた?」
「まぁ、うん」
一応、リムさんの全部本物分身みたいなので慣れてるけど、いきなり時子ちゃんが分身してるこの状況には、確かに驚いたかな?
次回は明日、18時予約投稿です。




