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拭えない可能性とボス戦模様

 結局、リーダーであるパトリシアが言うところの「同盟」には入る事にした。まぁ実質それ以外の選択肢が無い状態だったしな。流石に、一応書類上は身内によって誰かが酷い目に遭うのが分かってるのに見捨てられる程、人間は止めていない。

 ただし条件として、私達についての情報は本当に最低限の部分を除いて伏せる事。及び、こちらに接触するのはパトリシアと隠密系騎士のどちらかだけに限定する事。ボスドラゴンとの戦いが始まっても、参加さえしてくれればその方法は問わない……つまり、姿を現さなくてもいい事を確約してもらったが。

 魅了やかなり可能性の高い裏切りについては伝えなかった。それを伝えようとすると、戸籍上の妹の事と私の事を話さないといけなくなるから、流石に同じ「安全地帯」に入る程は信用していない相手にそこまでは話せない。


「ま、話したところで信じるかどうかは別の話だし」

「普通の感性と思考力があれば大丈夫だと思うんだけどなー」


 年単位で時間をかけたっていうのもあるだろうけど、大丈夫じゃなかったから今の私になってるんだよな。残念なことに。今は時間をかけなくても何とかなりそうな、スキルって手札が増えている可能性があるんだし。

 流石に今度は話し合いが終わって戻った先でしっかり釘を刺してくれたのか、そこから私達を追い回す動きは一応止まった。まぁ普通に敵は出てくるから、戦闘はしてるしな。時々わざと「マルチハイディング」を解除した状態でアンチマテリアルライフル状態の銃を撃って、威嚇しているのも効いているのかもしれない。

 ともかく、遠くから確認している限りは順調に、あの話し合いの時に出てきた予定通りのボス戦となりそうだ。私達がパトリシアの仲間になる事を口頭でも承諾したからか、天突くような塔も1つになっている。


「それにしても、何で来たのか分からなかったあのでかいの、騎士グループの中心メンバーの1人だったのか」

「というか、中心メンバー全員で来たって事だねー。重要視されてるのはいい事だよー」

「まぁ実際、条件だけを見ると断る理由が無かったからな……」


 警戒していたのも条件ではなく、あれこと戸籍上の妹の影響に対してだ。初手の印象などから、あの2人……いや、3人か。に対しての好感度はそれなりに高い。利用されるのが目に見えていたら、助けられるように備える程度には。


「扉を開けっぱなしにしてくれているのも確認できているし、参戦自体は問題なさそうか」

「そうだねー。それじゃ行ってきまーす!」

「一応気を付けて」


 さてそれはそれとして、現在は事前に伝えられていた、ボス討伐に挑戦する日だ。戸籍上の妹が何かした場合のフォローは満華にお願いしてあるので、ひーちゃんに乗って塔の近くへと移動していった。

 私は私で、スコープ越しにボス戦の様子を見ている。私の仕事は特殊な絶対防御を張っている間に攻撃をして怯ませるか、絶対防御が剥がれた後に攻撃して致命傷を入れる事だ。

 とは言ったものの、無理に参加する必要はないんだけど。元々保険みたいな位置づけだし、今の所爆弾のようなアイテムをたくさん使って怯み状態は維持できている。あちらもそこまで動きに期待してはいないようで、射線こそずっと空いているものの、援護射撃を待っている様子はない。


「とはいえ……確かにちょっと、押しきれてない感じがあるな」


 総合人数が何人なのかは分からないが、結構攻撃が入っているように見えるのに巨大なドラゴンに傷が入った様子はない。爆弾らしい爆発で怯みこそしているが、それ以上に動いている感じだな。思ったよりも怯みが小さくてコンボが途切れているんだろうか。

 まぁ0.1秒以内に攻撃を繋げないといけないって言うのは相当に厳しいだろうしなぁ。せめて0.5秒ぐらいの猶予はあってもいいと思うんだが、その辺はどうにもできないし。


「さて、と」


 ジャコッと装填するのは通常弾だ。着弾したところで爆発する榴弾だと、味方(仮)に被害が出るかもしれないから。

 他にも貫通力を上げた感じの弾もあったんだけど、満華がいないとはいえ過剰火力には違いない。少なくとも、まだペースが落ちつつも使われているあの爆弾よりは威力があるだろう。


「1人でコンボこそ繋げないけど、動かなくてよくて三脚を使えるなら再装填まで1秒ちょいだしな」


 だから、少なくともあの爆弾よりは大きく長く怯む筈だ。大きく開かれた扉からは黒くて大きなドラゴンがよく見える。距離があるとはいえ、それは人間の感覚の話だ。

 念の為、ボスのドラゴンが「存在感知」の範囲に入る距離まで近寄っている。つまり、全く問題なく射程範囲内って事だ。


「……というか、威力が上がってるって事は初速が上がってるって事で、それってつまり射程も伸びてるって事なんだよなぁ……」


 この銃、今の射程どうなってんだろう? とちょっと内心首を傾げながらだが、暴れまわる黒いドラゴンがこっちを向いたタイミングで、引き金を引いた。


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