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勇者召喚に巻き込まれて異世界転生します  作者: ai-emu
【第9章】王都騒乱
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王都を解放しよう(その2)

瓦礫の山と化した王都を囲む結界の中では、タイガードラゴンと魔王軍との戦闘が繰り広げられている。私たちは、その先頭を結界の外から遠巻きに観戦?しているのだが、見た感じ魔王軍が劣勢のようだ。

魔王軍は、バルモアス城に立て籠もっているようだが、相手は体長約50m、体重約100tの化け物だ。巨大地震のような揺れで、すでにあちこちガタが来ている城壁では、あいつの突進を食い止めることはできないだろう。

それでも魔王軍は、必死になってタイガードラゴンに対して魔法による攻撃を仕掛けている。

「何をしているんでしょうかね。魔王軍あいつらは?」

隣で戦闘を見学?している公爵が、私に質問してきた。

「…たぶんですが、召喚したはいいが、召喚主である術者の命令を聞かなかったんだと思います。召喚直後に、近くにいた魔物たちを捕食していることから、召喚直前は住処である森で食事中、もしくはその直前の狩りの最中だったと推測できますね。」

「ということは、…あの化け物は、食事の邪魔をされたので怒っていると、アスカ殿はお考えで?」

「可能性の1つとしては、あり得ますね。召喚者は、召喚魔方陣の近くにいるので、真っ先に捕食された可能性があります。なので、真相は闇の中ですね。」

そんな会話をしていると、結界内に突然3つの白い柱が立ち上がる。あれは確か、召喚時に立ち上がる現象のはず。魔王軍の誰かが、最後のあがきで何かを何処かから召喚したらしい。そんな事を考えていると、空に立ち上がった光の柱が徐々に薄まってきた。

その光景を、呆然と見つめていた私は、再起動をさっさと済ませると会話を続ける。

「…魔王軍のみなさんは、また何かを召喚したみたいですね。それも3つも。」

「…そのようですね。次は何が出てくるのやら…。」

私と公爵様は、すでに何かの悟りを開いたように、その光景と淡々と受け入れていた。…エリザは、悟りどころか、何かの宗教の開祖にでもなれるほどに、ぶつぶつ何かを呟きながら解脱を果たしてどこかへとたびだってしまっている。


そして、…其処から召喚されたモノは…。

空を飛んでいるタコが20匹と、煙?霧?まあ、どってでもいいや。白い靄で体を構成している空飛ぶ蜥蜴ドラゴン。そして、全身を針の毛皮で覆った巨大な猪だった。その3匹を鑑定した結果がこれだ。

召喚主の力が弱いのだろうか。新たに出現した3体の魔物も、タイガードラゴン同様召喚主の命令を聞かずに、魔王軍と戦闘を始めてしまった。

30分ほどして、突如として戦闘が終結する。魔王軍が敗退したようだ。そうして残ったのが、4体の化け物たち。

本当に無駄なことをしてくれるなあ。誰が召喚したモノあれを倒すのか知っているだろうが!!自分らで制御できないモノを、他人の土地に召喚なんかするなよな。

そんな事を思いながらも、ほかの3体の魔物を鑑定する。

===============

【魔物名】フライオクトパス(Lv400)

【討伐ランク】AA

【討伐報奨金】??

【討伐証明部位】??

【素材価値】??

【特徴】ポイステリア大陸にある大森林地帯にある強酸性の沼地付近に生息する、陸海空を自由に渡り歩くタコ。

全長3~5mと、大森林地帯の中では、比較的小さな方に分類されているが、常に20~50匹の群れで行動している。

吐き出す墨には、強酸性の毒が含まれており、触れるだけですべてを溶かしてしまう。1匹1匹はあまり強くないが、集団で狩りをするため、襲われたら命がないものと思ったほうがよい。

===============

【魔物名】スモークドラゴン(Lv900)

【討伐ランク】SS

【討伐報奨金】??

【討伐証明部位】??

【素材価値】??

【特徴】ポイステリア大陸にある火山地帯の生息するドラゴン。身体を猛毒の煙で構成している。成獣での平均体長約350m、体重約50t。

火山性ガスを多く含んでいる煙のため、触れるだけで抵抗力の弱いものは死に至る。身体から半径100m以内では、致死性の霧状のガスが漂っているため、近づく物をすべて死に追いやる。口から吐き出されるブレスは、1000℃以上の高温であり、さらに灼熱の溶岩流が混じっている。

===============

【魔物名】サンダーボア(Lv590)

【討伐ランク】S

【討伐報奨金】??

【討伐証明部位】??

【素材価値】??

【特徴】ポイステリア大陸にある大森林地帯に生息する、全身に金属の針の毛をもつ猪。

成獣での平均体長約20m、体重約50t、全高約5m、全幅約3m。走る速度は瞬間最大速度は、80㎞/hを超える事もあり、平均50㎞/hで1時間ほど走ることができる。その速度と巨体で突進されると、10mほどの厚さのある岩の塊すらも粉砕する。

不思議なことに、身体の周囲2mほどは、どんな環境下にいても恐ろしく乾燥している。そのため歩くだけで、体毛となる金属の針同士が擦り合わされて静電気を発生させる。その静電気が体内で千種記されるため、場合によっては地上にある雷と化すこともある。

===============

また、なんと高性能で、無駄な力がある魔物ばかりを召喚してくれたのだろうか。それとも何?ポイステリア大陸には、こんな魔物ばかりが生息しているのかな?そうでないと願いたいところだけれど、ここにいる以上、どうにかして倒さないといけない。

4体の魔物は、結界の外に陣取る私たちを見つけると、各々別の方向に駆け出し結界に突撃をしてくる。結界に激突すると、結界が大きく波打ち虹色の波を醸し出したが、結界は破れることはなかった。何度も激突しても、結界が破られることはないと思っている。

しかし、衝撃を吸収しきれないと困るので、今の状況を利用して、魔物たちを分離するように結界を張りなおした。4体の魔物以外は、すべてとはいかないがほぼ魔物たちは殲滅されている。残っているのは雑魚ばかりだ。残りの殲滅は、王都を取り囲んでいる兵士たちに任せておけばいいだろう。


私は、王都解放軍の幕僚たちを伴って指令所としている天幕に入り、鑑定結果を皆に伝えて対策を練る。

「先ほども話していた通り、タイガードラゴンは勇者たちのお任せします。」

「わかった。魔王との前哨戦と思って、あれを無傷で倒せるように努力はする。あれくらい何とかしなければ、とてもではないが、魔王を倒すことはできないからね。

でも俺たちは、あれ1匹が限度だと思うから、あとの3匹はアスカ達で何とかしてくれるとありがたいな。」

キョウスケの言葉に、ほかの4人も相槌を打つ。

「それは解っています。キョウスケたちの力では、まだまだ1匹が限度でしょう。カイベルトダンジョンの最下層を、1人で無傷で攻略できれば、この程度は朝飯前でしょうけれど。まだ、私でも無理でしょうね。

まあ、それはどうでもいいことです。今できない事を、議論しても仕方がありませんので、次に行きます。

フライオクトパスは、公爵様に任せます。冒険者ランクAと同等の力を持つ兵士を、40人ほど集めてください。…そうですね。前衛となる剣か槍の使い手を20人、後衛である魔法使いを20人とし、2人1組で対処してください。

1匹1匹はそれほど強くないみたいですし、吐き出す墨にさえ気を付けていれば何とかなると思っています。」

「解った。早速人選を始めるため、しばらくこの場を空けるぞ。」

公爵はそういって、司令部としている天幕から出て行った。

「残りの2匹については、私のパーティである『狐とエルフの落し児』で対処いたします。私のパーティメンバーを、ここに呼んできてくれませんか?」

「かしこまりました。」

従兵数人が、戦場に散らばっている『狐とエルフの落し児』のメンバーを集めに行ってくれた。


20分ほどしてミヤビたち6人が天幕に入ってくる。その後ろを追うように、公爵と40人の兵士が入ってきた。

「ミヤビにマツリ…、全員揃っていますね。

ではこれより、最終作戦『王都解放』を始めたいと思います。

当初の予定とは大きく変わってしまいましたが、私たち王都解放軍がやらないといけないことは、何1つ変わっていません。

では、現在の状況をお話しします。

先んずは、魔王軍の現在の状況についてです。

まず、魔王軍にいる召喚術者の1人が、タイガードラゴンをこの地に召喚しました。しかし、タイガードラゴンは、術者の命令を聞かずに魔王軍と戦闘を開始します。魔王軍は、タイガードラゴンを討伐するためでしょうか、さらに3体の魔物を召喚します。しかし、3体とも命令を聞かずに、タイガードラゴンとともに魔王軍と戦闘を開始、30分ほど前に魔王軍を壊滅させて現在に至っています。

この結果、魔王軍はすでに壊滅しており、組織だった戦闘行為ができていません。たぶん司令官クラスは、すでに4体の魔物たちの腹の中でしょう。4体の魔物から逃れた魔王軍の兵士たちは、結界内をうろうろとしています。」

まずは、すでに魔王軍が壊滅し、軍隊として機能していないことを説明する。

「では次に、残った敗走兵と雑魚の魔物たち、4体の魔物たちの討伐作戦を説明します。これが終わらないことには、王都を囲んでいる結界を解く事も、避難施設にいる住民たちを助けに行くこともできません。」

「避難施設とは何ですか?私はそんな話は聞いた記憶がないのですが?」

幕僚の1人が、私の話に質問を投げかけた。

「今まで、避難施設についてはお話しておりませんでした。これは、兵たちの士気を上げるためが1つ。それと、今現在、避難施設にこちらから向かう手立てがないためです。避難施設は、私が国王様の要請で亜空間に創り上げたものです。

避難施設には、王都内に設けた出入り口からしか出入りする事ができません。出入口自体は、結界に守られており、どんな状態に陥っても破壊される心配はないです。しかし、カモフラージュの目的で周りに設置されている建物はそうでもありません。現在王都は御覧の通り瓦礫の山と化しています。当然、避難施設へと向かう出入り口は、瓦礫の下に埋もれてしまっています。

瓦礫をどかさないと出入口を解放できませんが、これは王都の安全が確保された後ですので、今は棚の上に置いておきます。

言い忘れていましたが、魔王軍やその配下、魔王軍に従属した者たちは、結界内に入ることができないので、避難施設内は安全です。」

「要するに、現状避難施設へと通じる出入口が塞がっており、どうにもできない状態になっているから、あえて話さなかったということですね。」

「その通りです。話さなかったことについては、この場で謝罪をします。」

「…解りました。アスカ殿の謝罪を受け入れましょう。皆もいいですね。」

「ありがとうございます。では、作戦をお話しします。

作戦といっても、4体の魔物については、勇者パーティ5人と、狐とエルフの落し児の8人、公爵様が選抜した40人で対処をします。皆さんに対処していただきたいのは、王都に散らばった魔王軍の敗走兵と、雑魚の魔物たちです。それに合わせて、現在の結界の配置をお話しします。

現在結界は2種類張られています。王都の外壁沿いに張られている大きな結界と、4体の魔物を分離する目的で張られている結界です。

・・・・」

こうして、王都解放作戦の最終段階は開始された。

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