セナとササラ 4
カサネから「びっくりした!!!」という手紙をもらって、セナとササラが苦笑した翌日、カサネとスオウが大神殿にやってきた。もちろん、女王陛下の呼び出しによる。
「も~~~!、何にも言ってくれないんだもん~~!!」
開口一番、カサネはササラにつめよった。
「あの、え~と、女王陛下に口止めされてて…」
「おい、そのくらいにしないか」
「お兄ちゃんもだよ!お父さんとお母さん、そりゃあ驚いたんだから」
「カサネ、ちょっと落ち着こうか」
スオウが、ちょっと涙目のカサネをなだめた。カサネも、大人げないと思ったのか、おめでとうを言って身を引いたが、でも、だってとスオウに愚痴っている。
その様子を見て、スオウはカサネの扱いがうまいなぁと、改めて思うササラであった。
カサネが落ち着いたところで、神官長と共に王宮へと赴いた。なにしろ女王陛下がお待ちかねである。
通された部屋で待つことしばし。慣れているのか、カサネとスオウはお茶をいれてくれる女官と話したりといたって普通だったが、ササラは今一つ落ち着かない。隣を見れば、セナも緊張気味。セナでも緊張するんだと思ったら、ちょっとホッとした。
「お待たせ~」
ニッコニコの女王陛下が現われた。愛すべき我らが女王陛下は、本当にカサネとスオウがお気に入りである。
「あらためておめでとう、セナ、ササラ。そして、いらっしゃい!カサネ、スオウ!会いたかったわ~」
「では、そろったところで、セナとササラの結婚式の話を進めましょうか。まず、日程ですが、カサネ、ラウの神殿の都合は?」
神官長の問いにカサネが慌てて答える。
「は、はい。例祭の前後は難しいです。あと…」
神官長の進行のもと、てきぱきと結婚式のことが決定していく。さすがは儀式作法の大家と言われる神官長である。と、ササラが感心しているうちに、全部終わってしまった。
「ふむ、これでひとまず全部ですかな」
「うふふ~、半年後ね。楽しみ~。カサネとスオウの衣装は、私にまかせてね!」
「トゥ、トゥーリア様、主役は、セナとササラですよ?私とスオウが目立ってどうするんです?」
「え~~!?私の楽しみ取るの?」
「…トゥーリア様、他の機会に舞いますから、結婚式ではあきらめててください」
スオウの提案に、女王は機嫌を直した。神官長は肩を落としてこめかみをさすっている。
「うふふ~、やったわ!何を舞ってもらおっかな♪」
と、ご満悦の女王は気づいていないようだったが。
「陛下、決めるものは決まったので、私は失礼いたします」
と、疲れた様子の神官長が辞したので、セナとササラもあわせて席を立った。
「私達も…」
「ええ、またね。カサネとスオウはまだ話があるからね!」
「はい。ササラ、後で部屋に行くわ」
「ええ、遅くなったら明日ね」
わかってると微笑むササラにカサネが苦笑した。エルトゥーリア女王がそう簡単に帰らせるはずも無い。手をふって、扉を閉めると ササラはふうと大きな息をついた。知らず知らず息をつめていたようだ。セナと顔を見合わせて、困ったように笑った。歩きながら、こっそりと話す。
「あの2人のときは、大変なことになりそう」
「確かに。まあ、王が抑えると思うが…」
「私は、普通でよかったわ」
「…うん、あの2人にはあの2人の道があるんだ。僕達も僕達の道をゆっくり歩いていこう」
セナがそう言って、ササラの手をにぎった。ササラはちょっと驚いて、それから微笑んでその手をそっと握り返したのだった。
草食系のセナとササラ。きっといつも図書館デートでしょう。




