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神官は神に舞を捧げる  作者: 但馬ほずみ
ラウ神官編
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3.3年目

 神官をやっていると、友達の結婚に立ち会うことになる。この1、2年、バタバタとカサネの友達が結婚していた。カサネは結婚をあせっている訳ではなかったが、幸せそうな友達達の姿を見て、いいなと思う。そろそろ真剣に伴侶を探そうと、心に決める。


 3年目になると、神官の見合いがぱったりこなくなった。

 カサネは、まあ、仕方がないと思った。

 もともと、神官は神官同士またはその家族との縁組が多い。神事が生活の一部な人と結婚するのは、大変なのだ。そんなわけで、大体の神官は、神官学校入学前に婚約するか、見合いする。

 カサネの場合は、入学直前に神官になることになったので、それがなかった。で、神官になって、いざ見合いとなると、なかなかつりあう年の人がいない。要するに、神官世界の見合い適齢期から外れたのだ。

 従姉のお姉ちゃんが、言いにくそうに告げるのを、カサネはそりゃそうよね~と、明るく笑い飛ばした。


 もう神官との見合いは諦めて、一般の人との出会いに期待を賭けたが、これまた一向に出会いが無い。近所のおばちゃんからの話もない。

 2度ほど、食事に誘われて、これはと思ったら、神殿に入り込みたい業者だった。


 何で出会いがないんだと、友達に愚痴ったら、「琥珀の舞姫の二つ名を持ち、しょっちゅう都に呼び出される女王陛下のお気に入りは畏れ多くて手が出せない」からだと言われて、かなりへこんだ。


 そう、相変わらず女王陛下のお呼び出しがかかるのだ。しかも段々間隔が短くなってる。

 1年目は1回。2年目は2回。ラウの神殿の忙しい時期が終わったのを見計らったかのように、女王陛下のお呼び出しは来る。今年に入ってからすでに2回都に行っている。この分だと最低4回は行くことになるだろう。

 父の後を継ぐためにラウの神官になったのに、なんだか忙しいときだけの手伝いのようになってきている。


 3回目に呼ばれた大神殿で、兄とスオウとササラに、そうこぼした。

 

「私何のために神官になったんだろ」


 ため息と共に、テーブルに突っ伏したカサネを、ササラが慰める。


「まあまあ、おじ様もまだお若いんでしょ?女王陛下も、カサネが動けるうちにってお呼びになるんじゃないかしら」


「…そうかなぁ~」


「きっと、そうよ。それだけ、女王陛下はカサネとスオウの舞をお好きなんだわ。ね、セナさん」


「そ、そうだな。父さんが引退したら、お前はラウから動けなくなるし」


「僕もカサネと一緒に舞えるのはうれしいですよ」


 ササラ、セナ、スオウの3人がかりでカサネを持ち上げる。


「えへ、そう~?」


 どうやら、カサネの気分も上向いたようだ。ササラがすかさず話題を変える。


「ええ、それより、カサネ。最近都ではやってるお菓子を食べに行きませんか?」


「わ、行く行く!!」


 カサネはササラと腕を組んで嬉しそうに出かて行った。



 後に残された男二人がぐったりと座り込んだ。


「…どうなるかと思いました…」


「ササラに感謝だな」


「はい」


 スオウは一つため息をつくと、ふらふらと立ち上がる。


「両陛下に、早く呼び戻してくれるように、もう一度頼んできます」


「それがいいな。そろそろササラにも事情を話しといたほうがいいかな」


「そうですね。協力者は多いほうがいいですし」


「君も苦労するねぇ」


 スオウは、苦笑しながら神殿を後にした。



 そんなスオウの苦労が実るまでには、あと4年の歳月が必要なのだった。

色々とカサネが悩んだ一年でした。

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