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女神と始めるJKライフ! ~卒業式で死んだら美少女にされました~  作者: 橋本 泪
第二章 青浜高校には女神がいます
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第十一話[2] とりあえず出席番号前後の人と仲良くなるけど、すぐ距離感分からない微妙な関係になる

体育館の中に入ると、そこにはたくさんの体操着姿の女子生徒が。


ふぅーー!


眼福、眼福。


心なしかいいにおいがする。


うん?


なんか酸素薄いな?


いっぱい空気吸わないと。


フ――――――ン!


「いっやキモすぎるだろ」


「ねえ、殺す気なの? 言葉で殺す気なの?」


「すみません、あまりにキモかったので。そんなに鼻の穴おっぴろげてたら女性は逃げますよ。ごみクソ底辺の魂を無理やり綺麗な女子高生に押し込んでるだけなんですから、一瞬の油断が命取りです」


ひどいよ。


もう少しオブラートに包んでよ。


ア〇パ〇マ〇グミのオブラート美味しいよね。


俺たちは早速身長計の列に並ぶ。


どうやら身長と体重を同時に計れるらしい。


ハイブリッド。


杉咲さんたちは違う列に並んでいる。


ちょうどあっちの列が空いてきたし、深い意味はないと思うが……。


何か俺たちに対して気に入らないことがあったのかと気にしてしまう。


せっかく美少女に転生したのに、メンタルはまだ童貞ボッチから脱せていない。


「ほら、オウシキの番ですよ」


「おお」


まあ身長と体重なんてわかり切ってることだ。


確か169センチ、44キロだったかな。


……。


体重……。


後ろを向くと貼り付けたような笑顔を浮かべるレビ。


「ほら、早く乗ってくださいよ」


「えっ、いやー、あのー。あっ、そうだ! 乙女の体重を覗き見ようなんてどうかしてるぞ! あっち向いてろって!」


「いいから早くしてくださいよ。後ろつまっちゃいますよ」


くそ、急に常識人みたいな口ぶりで。


「はやくしなさーい。こんなのただの数字なんだから気にしない気にしない!」


気のいいおばちゃん職員が俺を急かす。


こっちは命かかってんだよ、この野郎。


慎重に、ゆっくりと、計測器の上に乗る。


意味がないとは知りながら。


それでも、一グラムでも少ない結果を出したい。


それが乙女心!


せい!


「はいどうぞ」


記入用紙に書かれた数字は。


身長 169cm


体重 48kg


「ッセ――――フッ!」


俺は手を水平に横に開き、体全体でセーフを表現。


そう、セーフ!


これはセーフ!


レビは手を顔の前でぶんぶん振っている。


「いやいやいや、ちょっと待ってくださいよ」


「なんだ、身長169だぞ? 全然セーフだろ! むしろガリガリだわ! 危険体重だわ! これで太ったというのならば、全国の女子を敵に回すという事だぞ」


「48キロに文句を言ってるわけではないですよ! 健康的な体重まで増やしたいならそれも考慮しますよ! 二日で四キロも増やしてることがおかしいんですよ! バカか! バカなのか! どんな食生活してるんですか! やたら食べ物が減ると思ったら!」


「いやいやレビの監督不行き届きでもあるから!」


「この期に及んでまだ人のせいですか! そんなに地獄に行きたいならいいですよ! 引導を渡してやりますよ!」


「すんっませんしたーーー!」


俺は流れるような土下座を繰り出す。


体育館は一瞬静まり返ったが、直後大爆笑に包まれた。


「あっははははは! さいこーかよ!」


杉咲さんはしゃがみこんでいる私の肩をバンバンと叩く。


痛い痛い。


横を見ると、先ほどの三人もくすくすと笑っている。


しかしそれは嘲笑のような嫌味な笑い方ではなく、大笑いしたいのを必死に我慢して肩を震わせている。


ああ、なんだ。


笑われるってこんないい気分なのか。


かつて味わった突き刺すような笑い声とは違う。


どこか心地いい、母の胎内のような温かい笑い。


胎内の記憶はないけども。


「うーん、どうしたんだろう。おかしいなぁ」


俺が感動しているうちにレビが体重計に乗っている。


おい、ずるいぞ!


「ま、計れないならしょうがないですね。測定不能ってことで……」


「おい」


「なんです?」


「ちゃんとやれ」


「壊れちゃったらしくて」


「人のことあんだけ言ってたのになんだ? 自信ないんか? デブなんか?」


「はぁ? だから体重計が……」


その時、俺の後ろから声が。


「そやそやー! 自分だけずるいぞー!」


杉咲さんが手をつき上げながら言う。


それはいいけどそのエセ関西弁はなんですかね。


柴田さん、橘さん、鶴井さんも「おー!」と言いながら手をつき上げる。


おー!ってなんだ。


「のーれ! のーれ!」


湧き上がる会場はのれのれコール。


ていっても結構小声で、しかも五人だけだけどね。


体育館全体でやりだしたらそれはいじめだからね。


そんなことになったら俺、前世を思い出して死んじゃうからね。


俺が死ぬんかい。


レビは頬を赤くしながら膨らませ、こぶしを握り締め、涙目になっている。


Sっ気の強いやつはメンタルが弱いとは聞いていたがここまでとは。


「おーよ、おーよ、やってやんよ、乗ってやんよ!」


彼女はバンッと体重計に飛び乗り注意された。


何してんだよ。


そして測定終了。


誰ものぞき込んだりしない辺り、杉咲さんたちは常識ある気がする。


女子なら当然なのかな。


レビはこっちに用紙を持ってきた。


まあ彼女は胸が大きいし、その分の重みはある。


EだかFだかぐらいはあるだろう。


あるいはそれ以上か。


俺にはわからないが。


なぜかって。


聞くなよそんなこと。


五人が一斉にレビの結果をのぞき込む。


身長 166.7cm

体重 58kg


「いや、うーん、健康!」


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