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練武の魔機天使

 エロ親父を睨みつけて憤慨してると、後ろから声をかけられた。


「おいマリー!クマゴローが居ないなら、俺と一戦付き合わないか?」


「ジョアンナ姉様。」


 振り向いた俺の目に入ってきたのは、濃い茶髪ショートカットにもみあげだけ長く伸ばした筋肉質で大柄な、しかし彫りの深い美女だった。

 肌の色は日に焼けたような褐色で、出るところもしっかり、というか過剰なくらいに出ている。爆乳は大好物です。はい。


 このジョアンナ姉様は、アドライテお姉様、リアンナお姉様に続く三女、魔機天使三番機とでもいえるお姉様なのである。


 コンセプトは近接特化。


 その見た目から分かる通り、ただでも強力な人工筋肉や骨格が大きく太く作られており、その打撃力、防御力は俺たち魔機天使の中でも間違いなくトップといえるだろう。

 パワーだけなら、ウォーオーガと腕相撲しても勝てるんじゃなかろうか。


 専用の魔機天使槍、鎧、盾も大きく作られており、スキル構成も近接、それも防御寄りである。

 まあ攻撃系のスキルは天使技能で代用できるから、問題ないしな。


 その代わりと言ってはなんだが、射撃のセンスが致命的に無い。

 もちろん、プログラムされた存在である魔機天使の技能だから、名目上は銃士のレベルもカンストしているのだが。しかしそれを十全に活かしきれているとはとても言えないのだ。

 現状では、せいぜい銃士5レベルくらいの命中精度といったところか。


 まあ、それでも国の正規のガンナー部隊に入れるくらいには当てれるのだけれども、同レベル帯の敵が現れたら牽制射撃程度にしか役には立たないだろう。

 ついでに魔法もそんなに得意じゃないし。

 それでも、榴弾(グレネード)系の範囲攻撃なら射撃精度は関係ないから、魔法の方がましか。


「いいですよ、ジョアンナ姉様。

 姉様との模擬戦は勉強になりますし。」


「やった!そうこなくっちゃ!

 いっちょ、天才様の胸を借りるとしようか!」


 指を鳴らして喜ぶと、さっさと訓練場の中央に歩いて行ってしまった。歩調も跳ねるようで、いかに嬉しいかがよく分かる。


 まあね!

 11機の魔機天使の中でも、戦士技能を完璧に使いこなしているのは、俺とジョアン姉様、あとはアドライテお姉様くらいか?

 リアンナお姉様はもう少しといったところだな。


 小柄でパワーは足りないが技術なら互角以上の俺との訓練は、ジョアンナ姉様にも得るものが多く楽しいらしいのだ。


 フッ。ここはお姉様のワガママに付き合ってあげるのも妹の務めか……。


「良かったな嬢ちゃん!お姉ちゃんに遊んでもらえて!」


 うるさ〜い!

 これは訓練なんだからな?遊びじゃねえわい!


 デリカシーの無いエロ親父に振り返ってひと睨みくれると、ジョアンナ姉様の前に歩み寄る。

 姉様はニコニコ、ワクワク、テカテカと、いわゆるワクテカのお顔。そんなに嬉しいの?


「ルールは?」


「スキル、魔法は無し。身体強化ありでどうだ?」


 なるほど……。純粋に技術だけの勝負がしたい、ということか。

 たしかに、それならいい勝負になるだろうな。

 なにせ、魔法ありだと俺の圧勝だから。


「わかりました。それでいいです。」


 あまり動かない表情筋をわずかに動かして、口の端を少し上げると、ジョアンナ姉様も口角を上げて獰猛な笑みを見せた。


「今日こそはマリーの泣きっ面を拝んでやるぜ!!」


「それは無理ですね。マリーは今まで泣いたことが無いので。」


 互いに捨て台詞を吐くと、武装する。


「「魔機天使(マギエンジェルズ)武装(アームズ)解放(アクティベート)!」」


 今までは訓練用の半袖とハーフパンツを着ていた俺とお姉様に、胸元の魔機回路から光が全身に伸びて槍、鎧、盾に変わっていく。

 そして背中には三対六翼の金属の羽が。


「手加減は無しだ!全力で行くぜ?」


「望むところです。」


 お互いの翼に魔力を流すと、翼の魔機回路に光が走る。

 ふわり浮き上がると全速でジョアンナのもとに突っ込んで行く!

 向こうも当然全速だ!


 だが、俺の方が速い!

 当然だ。パワーと耐久性は劣るが、その分軽量だからな。

 それに、先手(イニシアチブ)を取れるかどうかは、斥候技能による判定なのだ。

 ジョアンナ姉様は近接戦特化だが、スピード特化ではないし、斥候技能も射撃と同じく得意ではない。


 対して、こっちはスピードは魔機天使中トップは間違いない上に、斥候技能も完っ璧に使いこなしているのだから、先手など取り放題というわけだ。


 というか、普通斥候技能はサブで取ることが多く、ほとんどの場合、戦士や魔法などの戦闘技能よりレベルが低い。

 俺みたいに戦士10、銃士10、魔機術10に加えて、斥候まで10レベルある方がおかしいのである。

 どんだけ経験点が必要なのか、って話だ。


 兎も角、先手は俺。

 ジョアンナ姉様がトップスピードに乗る前に接近。

 飛ぶ勢いものせて槍を大上段から振り下ろす!

 それを読んでいたのか、姉様は自身の槍を両手で横向きに持ち上げて防ぐと反撃に移ろうとするが……ブッブー!

 残念!まだ俺のターンでしたー!


 高レベル斥候技能の特性で、先手を取れた場合の最初のターンは2回行動できるのだ!

 防がれた槍をすぐさま回転させて、石突で脇腹を狙う!

 しかし、敵もさるもの。盾を動かして二撃目も防がれてしまった!


 反動を使ってわずかに距離を取ると、姉様が文句を言ってきた。


「おい!スキルは無しっつっただろ!」


 予想外の二撃目にちょっと慌てた感じかな?


「ごめんなさい。常時発動型(パッシブ)は止められないのです。

 ジョアンナ姉様だって、頑強(タフネス)

 外せないでしょう?」


「むぐっ……!」


 頑強は戦士5レベルで習得するスキルで、効果は単純にして強力なHPアップ。

 もちろん、俺だって習得してるけどな!


「安心してください。先手必勝(ファストムーブ)は最初しか使えないですから。」


「当たり前だ!いちいち仕切り直していられるか!」


 怒られた。

 まあ、たしかにちょっとズルしたと言えなくもない。それに、パッシブが外せないとはいえ、2回行動のうち一回分攻撃しなければいいだけなので、ギリギリアウトっちゃあアウトである。言わないけどな。


 まだ不服顔だけど納得してもらったところで、続きと行きますか。

 右、左、とフェイントを入れて、正面から突き込む!

 しかし槍で弾かれると、反撃とばかりに重い槍を振り回してきた。


 振り回した時の遠心力と武器の重量、プラスすることのジョアンナ姉様の腕力。

 まともに喰らっては大ダメージ必至であるが、ならばまともには当たらなければいい。

 突きを防がれたから、こちらの体は前のめりになっており、今から離脱しても槍の回転半径から逃げるのは難しい。


 ならば、前に出るまで。

 最大威力ののった槍先ではなく、鍔元ともいえる手元まで踏み込んで盾で防げば、当たっても大ダメージは受けないはず。

 ついでに、極近距離で脇腹に蹴りでも食らわせてやる!


 ガンッ!

 盾で受け止めたのだが、重っ!

 蹴りを入れる暇もなく、そのまま押し出されてしまった!

 まあ、途中から自分で飛んで距離を取ったんだけどな!



とりあえず、書いたのはここまでです。

また時間があれば、続きを書くかもしれませんね。

ちなみに、パク……リスペクト……モチーフにしたのは、ソードワ◯ルド2.0のサプリメント、「カル◯ラルの魔動天使」です。

人造の体に少女の魂、高レベルになるまで能力値が成長しない代わりに強力なスキルを覚えるなど、魅力的なプレイヤーキャラで、一度は遊んでみたいと思ってました。今回、小説という形で表現できたのでちょっと嬉しかったです。^_^

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