表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Crafter  作者: 絶英
14/14

機械世界 2. 機械の強さ

 敵の弱点。見つけるのは容易ではなかった。

 何度も敵に挑んだ。その度に負けて死にそうになりながら撤退した。だが、その苦労もあってか弱点を発見した。

 それは、近接戦に滅法弱いのだ。というのも殆どの敵は銃剣を付けておらず近寄られると銃器で殴り掛かってこようとする。が、動きは鈍く容易に回避することが可能だ。

 また、敵の高いと思っていたHPと防御にも難があった。HPは多いらしいのだが、防御は紙装甲で剣2発分でHPを消滅させれる程である。

 それを発見し、俺たちは機械兵――本当の名前はロボットソルジャー狩りに勤しんだ。戦い方は、石ブロックで作った塀に隠れているプレイヤーが機械兵のターゲットを取りそのうちに別方向から忍び寄り攻撃。基本的は2体が1パーティで出現するため4回切るだけで終わるのでサクサクである。

 その狩によって得た物は多かった。

 まず、新武器である。これにより俺たちの戦い方はかなり変わった。銃を制作するために必要な素材が幾つもドロップしたのだ。それにより、弱いと思うが小型の銃の作成に成功した。また、マガジンも最初から作っていかなければならないのでコストはかなり高い。

 次に、新防具である。今までは重装を意識していた。だが、今回ドロップしたものはかなりの軽装装備を作ることが出来る素材だった。軽装だから防御能力が低いというわけでは無い。今までのルビー装備より格段に防御能力が上がっている。その軽装装備は近代の軍の防具のようだった。そのためか、敵の銃撃の威力を和らげてくれた。

 最後に、謎の機械である。これはまだ俺たちも謎な素材である。というのもどれと組み合わせても何も作れないのだ。一応機械を作るのだとは思うが何かは分かっていなかった。


 新武器、新防具に揃えた俺たちはさっそく狩に行っていた。

「いましたよ!」

 BeBeが遠くを指さす。確かにそこには機械兵が2体いた。

「さて、狩るか」

 俺はそう呟いた。そして、全員と目で合図し一斉に走り出す。銃からブロックに持ち替えて機械兵との距離が20mぐらいになるまで近寄る。機械兵はそれに気づき銃撃するが距離が離れているためか、防具がダメージを吸収しているのか殆どダメージはない。

 到着すると、ブロックで塀を作りそこに隠れる。そして銃に持ち替える。

「一斉射撃!」

 俺はそう言い、塀から身を出す。そして、こちらに向けて銃撃している機械兵に狙いを定め銃撃する。

 ガガガガガ! という轟音と共に弾が放たれる。それはなかなか狙い通りに機械兵にあたってくれない。

「やっぱり訓練しないと駄目だね」

 くすくすと笑いながらも機械兵に銃撃するShiroが言った。なぜだかわからないが俺の弾は当たらないのにShiroの弾は当たっている。謎である。

 俺は悔しさのあまり歯ぎしりしながらも銃を乱射する。勿論当たるはずもなく……。

 機械兵を倒すことは出来たが、俺はマガジンを2個失った。

「無駄遣いはダメだよぉ?」

 と、Shiroがからかってくる。少し短気で負けず嫌いな俺はそんなShiroに銃の腕で勝ちたいという気持ちになる。

「絶対勝ってやるからな……!」

 俺は少し笑みを浮かべながら言った。なんだかしてやられた感じだ。


 銃が当たらない俺は剣に持ち替え3人がターゲットをとっている間に裏の方から肉弾戦を仕掛けるやりかたで効率を上げた。

そして集まった素材でマガジンを作った。そんなうちにマガジンが合計100個を超えた。

 俺は、マガジンを3つ程取り出しアイテムBOXに入れる。

「さて、始めるか……」

 今俺は地下の射撃訓練場にいた。俺が夜な夜な作ったのだ。天井、床などあらゆるところは石で作っている(土は音を通してしまうため)。射撃訓練場と言ってもそんなに大層な物は作れない。簡素な物だ。

 構造はこうだ。俺の家に井戸を作る。梯子で井戸の最奥部と地上との中間あたりを横に掘っていく(一応言っておくが掘るのと同時に石で補強している。これからの作業も全てだ)。この横に掘るのは廊下みたいにする。10mぐらい掘ったら3m毎にドアを付ける。廊下の奥から次は高さが3m、横が6m、縦が25mになるように土を掘っていく。掘り終わったら内装作りだ。まず廊下の方の壁から5mのところにマークを付ける。次に横2m間隔でさらにマークを付ける。2m間隔のマークから廊下側の壁に向かって3m程ガラスを張る。

これにより横6mが右・中・左に分断される。まず右だが、こちらは何もしない。寝そべった状態での射撃用だ。次に中だが、ブロックを分解したハーフブロックを地面に敷く。これは座った状態での射撃用だ。最後に左だがこれは通常ブロックを地面に敷き、その上にハーフブロックを敷く。これはバリケードの代わりでバリケードに隠れながらの通常射撃用である。ターゲットとしては装飾用の色つきブロックを2マス積み重ねて、人間で言う頭の当たりにスイッチを張り付けた物である。スイッチを押すとターゲットの頭上にある装置が稼働し光るようになっている。レッドストーンを組み合わせた物である。

 とまぁこんな物を作り夜な夜な練習しているのだ。

 基本は左側で練習している。

 俺は、銃にマガジンを装填しサイトを覗く。20m先のスイッチに狙いを定め弾を放つ。

 ガガガガガ!

 銃声と共に銃弾が発射される。その瞬間ターゲットの上にある装置がピカピカと点滅する。当たった証拠だ。

「だいぶうまくなったと思うよ……」

 俺はそんな独り言をつぶやく。

 空になったマガジンを抜き取り別のマガジンに交換する。そして、銃弾を放つ。激しい銃声と共に装置が点滅する。

「よし。明日からは使えそうだな……」

 俺はそう確信した。

 これで戦いはだいぶ楽になるだろう。

 最近掲示板では機械世界の攻略情報が引っ切り無しに掲載されている。最近ではBOSSがいると思われる地域が大まかだが特定されていた。

 場所は機械世界に幾つかあるといわれる都市。壊れた都市ではない。さかんに反映した都市だ。そこにBOSSがいると思われたのだ。この調子なら偵察隊が送られ近日中に都市攻略隊が編成されるだろう。

 勿論俺たちもそれに参加する予定だった。


 そして、その時は来た。

 繁栄都市への偵察隊が送られた。そして、攻略隊参加メンバー募集と攻略日程が記された。3日後、都市への侵攻が行われることとなった。

 いよいよだ……。俺はなぜだかこのことを知った時武者震いしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ