↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
境界線の上  作者: 神無 乃愛
境界線の上

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/74

五十七

 一年後。


 ヴェルツレン侯爵領にあるとある教会。一人の女性が諦め悪くわめいていた。

「だから、どうして私なんですかッ!!」

 わめいているのは花嫁姿のベティである。先月カーン帝国軍を退役した。

「どうしてって……僕が決めたから?」

 未だに兄弟のように仲がよいセシル殿下を巻き込んでプロポーズしたのは昨年。婚約から結婚にこぎつけるまで一年もかかると思わなかった。やっぱりベティは手ごわい。

「マルドゥラ准尉だっているじゃないですか!!」

「僕、馬に蹴られる趣味はないよ」

 そう言って、ヴェルツレン侯爵トーマスは花嫁を優しく抱きしめた。

「何ですか! その消去法みたいな言い方は!!」

「ベティ……僕なりに考えてプロポーズだってしたし、了承してくれたじゃん」

「……そ……それは……」

 真っ赤になった顔のベティを見てトーマスは微笑んだ。

「てっきり僕はイーユン大佐のこと好きだと思ってた。でも違ったみたいだし」

「いつ……から?」

「イライザさんと絡んでからかな? ベティが凄く可愛く見えた」

 あれがなければ、きっとベティを誤解したままだっただろう。ちなみに、マルドゥラはオスカー少佐と「おつき合い」を始めたらしい。ここもじれったいと思うのは、トーマスだけではなく、メイナードもそうらしい。あの二人が一緒に「ガルタ」で空を翔る姿は皆を惹きつける。

 自分を含めて孤児院出身者が色々変わったと思う。皆それぞれの道を歩みだしている。

「私は結婚する気がないからね」

 そう笑って言うのはダレル准将である。一生軍で生きていくつもりらしい。イーユン大佐は退役し、孤児院の改革に取り掛かりたいと言っていた。出来うることなら不幸な子供を増やしたくないと。

 カーン帝国はあのあと間もなく、セシル殿下が王位についた。大戦を防いだことで国民の支持を圧倒的に集めた形となる。その隣に控えるのはアッカー中佐。セシル陛下の右腕とも言えるだろう。

「とりあえず、侯爵夫人としてしてもらうのは、お祖父様のお墓参りだよ。あとはサシャが色々教えてくれるから」

 「方舟」は眠りについた。出来ることなら二度と動かしたくない。アレは本当に恐ろしい。惑星一つ簡単に潰せるだろう。それを兵器として扱う自分が怖いと思った。そしてあの時祖父が難色を示した理由も今なら分かる。

 それはあの戦いで学んだ一番の出来事だった。だからこそ、各国へパイプを持つ。それがヴェルツレン侯爵としての役割だと思っている。


 バークス公国のエメラダ王女とシャン・グリロ帝国皇太子との婚姻も、エメラダ王女が意識を取り戻したあと再度滞りなく終わった。

 そのうち自分たちも、と思っていたらメイナードが「教会押さえたぞ~」と笑いながら入ってきたのは、先月。

 あれよあれよと言う間に決まって、おそらくベティはついていけないのだろう。ドレスはサシャがしれっと用意していた。


 これが楽しいと思った。初めて心から笑ったかもしれない。それは皆もそうだと思いたい。


 この平和が続けばいい。隣でベティが笑い、そしてかけがえのない仲間が一緒にいれば。


本編は一応ここで終了です。登場人物をこれから書いていきます。

あとはぽちぽち手直ししたいな、と。


彼らのこれからはまたどこかで書きたいと思っています

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。