悪夢です えぇ確実に。
「っ………」
どうやら私は気を失っていたらしい
目を覚ますと目の前に心配そうにこちらをみる奴がいた
「大丈夫?怪我ない?珍しいねアンタが失敗するなんて…」
しかし、私の意識が覚醒した瞬間、奴…冥桜院はニヤニヤ笑いにもどり、嫌みを言ってきた
「……!!…………!?………!?」
「何?失敗して声が出なくなったの?ブフッ」
必死に声を出しているのに全く出ない。それにしても奴は人をイラつかせるのが上手いらしい。
ジトーッと見ていると、ふと回りに気づいた
目覚めから奴の顔だった為見れなかったのだが、回りは何故か西洋の城のような内装だった
それに奴も、頭に王冠をつけていた。
………………あぁ、最悪だ。これは夢だ
先生に学園の伝説を聞いたばっかりにこんな夢をみるなんて…
冥桜院の姿は黒いマントを被ってはいるが、服はきらびやかで王冠の大きさからみて王子だろうと感じ取れた
にしても、奴が王子なんて……
というか私は何役だ…
「「「おかえりなさいませ!!ソーレ様!!!」」」
突如、この部屋のそとから声が響いてきた
「おっと、女王がお帰りのようだ。また今度な。」
冥桜院はポンポンと私の頭を叩くように撫でると、小袋を私に渡していなくなった。空を飛んで。
夢だしな。と納得して小袋を開けると、やはり中は珈琲豆だった
……やっぱり喧嘩でも売ってるのだろうか
ふとそんな時、横から衝撃がふってきた
「みつき~~!」
「いたっ!!!」
紅葉が横から突進してきたのだった
「みつき!大丈夫?私が戻ってきたら無言で、珈琲豆を口に運んでいるからさ!でも冥桜院君に貰ったのって珈琲豆だったんだ!でも何で珈琲豆??…それにみつき珈琲豆なんて食べてたっけ?」
「珈琲豆…?」
ふと自分の手元をみると、奴から貰った小袋の中身が半分以上減っていた
そして首もとには、一センチ程の石のついたネックレスがぶら下がっていた。大きさは違えどさっきの石だった
「な、何コレ…」
「何って珈琲豆でしょー?みつき大丈夫?」
「違っ…コレ…」
わたしが自分の首にかかっているネックレスの石を持つが
「何?みつき疲れてるの?何も持ってないよ?」
紅葉には見えていないらしい……
冥桜院仁…………明日問い詰めてやる
その時私は不穏なオーラを出していたと後に紅葉から笑いながら語られた
次の日、私は冥桜院を問い詰める 為、紅葉を残して早々と教室に行く。この時間にはだれもいないはずだ。今のうちに奴の机の中に果たし状をいれなければ……
しかし教室に入る前に話し声が聞こえ私は様子を伺った
「先生、何してるんですかぁ?」
「っ!……望月、はやいな」
「いけないんだぁ!生徒の机でなにしてるんですかぁ?」
教室の中からは男女の声が響き、話からして男は海藤先生だろう
しかし、女の声は何処かで聞き覚えがあった
あんな猫なで声で喋り、なおかつ望月と言えば私に覚えがあるのは望月 ヒメカただ一人だけだ
そういえば彼女も外部受験をすると言っていた気がする
まさか同じ所だったとは…
私は彼女が苦手…いや嫌いだ
紅葉も彼女が苦手らしくあんまり近づかないようにしているが、残念ながら彼女の方は紅葉によく絡んでいる
実に理解できない
そして彼女はとても分かりやすい、猫なで声にピンク色の髪と瞳。この世界は色とりどりだが、ピンクは初めてだった
そして私がもっとも彼女を毛嫌いするのが
「でもいいの!今は色んな人を好きになっても最後はヒメカの所に来てくれるもんねぇ!」
自意識過剰な性格。そして、私の記憶に彼女がいない事が原因だろう
。やはりこの声は望月ヒメカに間違いないようだ。
何故だかわからないが、望月は私を嫌っているようだ
中学の時からこと有るごとに私を敵にして私を孤立させようとしていた
理解できない。
そんなことを思いながら中の様子を伺っていると、突然後ろから口を押さえられた
「!!!!」
目を見開き驚くも、抵抗しないように腕を捕まれ引きずられる
そして、小さな空き教室に入ると耳元に声がかかった
「今から手を離す。静かにしろ。」
聞いたことのない声
手や力と声からして男であるのは間違いなかった
私はビクッとなりながらコクりと一度頷く
すると静かに手が離された
「あのまま彼処にいたらお前は死んでいたぞ」
「は??」
私が男と距離をあけ確認しようと振り向くと彼はいたって真剣な眼差しで言葉を紡いできた。私は訳が分からず彼を凝視すると、彼は私に小さな小袋を渡してきた
白銀の髪に透き通るようなスカイブルーの瞳。見目麗しい彼は私を見つめたまま小袋をつきだしている
私は動揺しつつ、彼から小袋を受け取った
「あ、あの…」
「いいから開けて口に含め」
「え…」
「含めと言っている。含まないなら無理矢理やるまでだ」
「は?」
彼は私から渡した筈の小袋を奪うと中身を開けて掴む。何かは見えなかったが口に含めと言っていた為食べ物であるのは確かだろう。しかし今はそんな気分じゃない
「っ!」
突然彼は近づき顎を捕まれ上を向かせられる。訳も分からず驚いていると彼は私の口に何かを入れた。
「!!!!!ニガッ」
ゴホゴホとむせて彼との距離をあける
「当たり前だ。此までも食べてきただろう?」
「な、なんで珈琲豆なんて…」
そう。口に入れられたのは珈琲豆だった
なんだ!イケメンは珈琲豆を常備しているのか!
「馴染むのが早くなると言ってたではないか。」
「何が!?」
「…あぁ、いやすまない。俺は水野 竜玄だ。お前は花宮みつきで間違いないな?」
名前を聞いて思い出した
水野…名前に『水』の入った水星の攻略対象だ
「は…はい。なんで名前を…」
「俺は生徒会長だ。生徒の名前は覚えておいて当然だ!」
「際ですか」
「ああ。それから、定期的に珈琲豆を食べることだ」
「何故食べなくてはならないんですか?」
「…………………………知らん」
ええ!?
「兎に角食べろ!生徒会長命令だ!」
水野は私に無理やり珈琲豆を押し込む
そして、私の首もとを見て舌打ちをした
「チッ………守り石か。花宮、その首輪はずすんじゃないぞ」
「え?」
「……またな。」
そのまま水野は私を置いていなくなってしまった
「なんなのよ、一体…」
珈琲豆を片手に座り込んでいると空き教室の扉が開いた
水野が戻ってきたのか?
私はそう思い、入り口をみると
そこにいたのは 冥桜院仁だった




