第九話。株式上場斡旋。本格主導
第九話 株式上場斡旋。本格始動
※五月三十一日。 朝九時。
六階で。証券会社が、次の五名が参加して、堤社長が進行役で。今後の、資本株。増額の作戦会議が行われた。
「ジャパンフューチャーアメリカン。鈴木一郎。小林広。」
「スミダ、ケミカル。鈴木一郎。」
「城南開発。笹川慎太郎。」
「帝国証券。堤英雄。」
「丸中証券。佐野五郎。」
オブザーバー。新日本銀行相談役。山本順子。
「堤です。宜しく。・・・本日は、ざっくばらんに、話しましょう。・・・まず。三か月過ぎた。その後の会社の、売り上げ状況を。
「鈴木です。先ず、ジャパンフューチャーアメリカン。ですが。三月操業開始で十五日で。百台完成。・・・四月から。二十五日操業。三百台完成。五月現在。五百台。に増えております。ですから倍、倍に、成果が上がって、います。今後も、従業員を。五十人に。増やしましたので。千台を目標に考えて居ます。又、電子科卒業生の、新社員を十名。採用し。小林課長を。中心に各部品の改良、開発に取り組んでいる所です。益々向上させようと、取り組んでいます。」
スミダ、ケミカル。は。・・・三月やはり十五日。で千五百台。四月は、二十五日で。三千台。完成です。型作りの製造は、内容が簡単です。ただ機械を増やし。従業員を増やせば、月一万台。可能です。・・・土地は確保して有ります。ジャン社長からも連絡が入っております。・・・数は、制限しないので、何万台。でも造ってください。と言う。連絡が入っています。需要が急激に増えているそうです。以上です。」
「佐川です。私どもは。オリンピック後。木造住宅の建て売り業に。シフトを替えました。昨年の十一月から本格操業に成り。五棟。十二月には。一気に五十棟。一月は、七十棟。二月は、百五十棟。三月は二百棟。四月は宅地開発が遅れて。百棟。五月現在は。五百棟の完成に至っています。殆ど完売です。以上です」そして、堤が。
「お聞きの様に。私も、会社訪問を行い。建て売りに関しては、現地に赴いて。実績を確認しております。只今の、三社は。現代に、マッチした。仕事をし、皆さん従業員が。高度成長に向かって、本気で取り組んでいました。・・・証券マンとして、遣り甲斐の、ある。企業だと確信しました。・・・したがって、順子相談役を。筆頭に。五人で。上場を目指して、邁進していきたいと。意気込んでおります。どうぞ。・・・此の六階から。株式市場に。多数。排出されることを望みます。以上です。」
堤社長はね三社の、事務方から。社員の名簿の写しを。受け取って、順子に渡した。
質問有れば。・・・
「はい。笹川です。私は上場する。と言う。夢みたいな話に参加させて頂いたことは。順子相談役に、感謝を申し上げます。又、今後とも末永く、付き合って頂けたら。御幸甚に存じます。どうぞ、宜しくお願いします。・・・
「はい。鈴木です。私も、順子相談役から。持ち掛けられた話で。真か、アメリカと、合同の企業に成れるとは。夢も見たことが、有りませんでした。しかし、こうして、実現したことは。順子相談役に。感謝を申し上げます。私も、笹川社長と同様。末永くお付き合い、頂ければ。御幸甚に存じます。」
「相談役。一言。・・・」
「えー。・・・私は、情報を。ちょこ。と。話しただけ、なんです。まさかの、真かで。・驚いております。・・・それは、社長達の。夢で無く。前向きな、姿勢がもたらした。結果だと思います。・・・でもまだ。レールに乗っただけです。・・・発射させて、一段一段。登って。・・・皆さんと一緒に、頂上まで登り着きたいと。意気込んでおります。ので、宜しく。お願いします。」
「はい。・・・お見事。流石相談役。・・・頼れます。」お昼過ぎた。順子が。
「八階で、お寿司でも、取って。・・・一杯。如何ですか。」
「俺も、今。考えていました。・・・どうですか皆さん。」
「良いね。・・・」決まった。順子は、寿司屋に電話して、出前を頼んだ。刺身も大皿で。寿司は子五人前。三番テーブルにセットした。
「どうぞ。・・・ゆったり、座れますね。」皆座って。先ずは、ビールで乾杯。
「相談役。・・・立派な挨拶でした。・・・何か、経験、勉強しました。」
「いいえ。していません。ただ。中一から。高三まで。生徒会長していました。」
「えー。中一から。・・・」順子は此処で、売り込もうと、閃いた。
「でもね。田舎の山奥で、中高一貫校、だったの。・・・私は子供の頃から、背が高かった。の。其れで皆からは、お姉さんみたいに思われて、何でも相談されて、解決してくれたので。皆から、慕われていたの。」
「えー・・・そうか。・・・そう言う人が居た。・・・」
「それで、新聞配達を中一から高三まで、卒業式で、新聞社から、表彰状と金一布。頂いたの。・・・三千円。入っていた。・・・大変よ。二十軒だけだけれど。山、坂。ばっか、しで。新しい自転車が、一年持たないの。壊れて。」寿司が届いた。皆で食べながら。
「それで、どうなった。」
「うん。新聞屋さんが。買ってくれた。の。・・・まだ有るの、おうちが広くて、畳の上で、三歳の頃から、体操を遣って居たの。お母さんが好きで、・・・赤ちゃんの頃。て。やわ、やわだから。面白がって。・・・お母さんは。私をふにゃふにゃに。曲げたりして遊んでいたの。・・・お父さんが怒っても、居ない時に、やられていたの。それが甲となって。体操を始めて。高三まで。四人しかないから。全員。選手に成れるの。福島県で。四位が、最高。優勝はできなかった。・・・」順子は。フロアー。で。良い。
立って、仰向けに成って。お腹を上にして、後ろの、かかとに。床に両手を着けた。「えー。・・・・」皆びっくりした。
「あー。・・・今、練習しないから。・・・固く成って居る。・・・そんな子供だったの。・・・だから。皆に頼られて。・・・山の村だから。何もすること無いし。でも新聞は、全部読んだよ。・・・冬は、大雪は降らないけれど。でも、五六十センチは降っていた。・・・十二月。終業式が。終わると。一月末まで休み。・・・でも、隣が学校だから。何時でも、行けるの。お父さんが、用務員していたから。・・・体育館。て。無くて、講堂と、言っていた。・・・そこで。マット敷いて。」
「えー・・・ドラマだね。・・・順子相談役は。大物に成れますね。・・・」
「本当だ。・・・俺も五〇年生きているけれど。こう言う人に。会ったのは、初めてだ。」
「いいえ。・・・まだまだ素晴らしい人。・・・いっぱい。居ますよ。・・・すみません。私、個人の話になって。・・・お仕事の話。」
「良いよ。今日は。相談役の事。分かった。だけでも。収穫有り、ですよ。・・・良かった。」生い立ちを聞いた、四人は、順子を今まで以上に安心した。順子は、時計を。見た。六時だ。皆、解散した。飲食代金。五万円。払って帰った。順子は、疲れて横に成って居た。うとうと寝ていた。
「お早う・・・」
「ママ・・・どうしました。・・・」ママを起した。
「あ。・・・寝ていた。・・・今日六階で会議が有ったのよ。朝九時から。疲れて寝ていたね。」
「ママ。休んでも、良いですよ。」
「もう目が覚めました。・・・もう。開店でしょう。」
「まだ三十分有ります。すると、
「お早う。・・・」
「あら。・・・佐藤さん。・・・秘書の。」
「え。・・・覚えていました。・・・」
「覚えていますよ。・・・大事なお客さんですから。・・・お二人ね。」三番テーブルにセットした。ボトルを。出してきた。女の子の指名は外した。
「はい。ボトル入って居ますよ。・・・」
「おー。そうだ。・・・とりあえず乾杯。・・・」
「この前の。アワビ。美味しかったよ。・・・」
「そうでしょう。・・・家は。燻製、五個がセットなのよ。・・・ごめん。ね。同じで。・・・後は、果物のレトルトね。・・・乾燥しているけれど。柔らかいの。食べて。」
「あ。本当だ。美味しい。・・・ところでママ。この前の話。・・・今日は。友達と言うか。同じ自民党の、大臣の秘書です。」名刺を交換した。
「そうですか。・・・書類が整え次第。ご連絡差し上げます。」
「でも、安心しました。今日からは、眠れます。」喜んで二人は。ヘネシーを飲んでいる。清算すると言うので、まだボトルが少々残っているので、ボトルは入れなかった。ので。一人五千円で。一万円。
「え。安いよ。ボトル入れなかったから。」
「じゃ。入れて置いて下さい。ヘネシー一本。」
「じゃ二万円。プラス、ですので、三万円です。」頂いた。二人は帰った。
順子は、七階に行った。弘子が、封筒を持ってきた。十名入ったそうだ。
店は閉店した。順子は・片づけて帰った。直ぐ寝た。
※六月一日。起きたのは、十一時だ。相当疲れて居る様だ。シャワーを浴びた。スッキリした。横に成って。テレビを見ていた。・・・コマーシャル。「城南開発の建て売り。登戸に、七百戸分。造成中、早い者勝ち、」と言う。フレーズが。流れた。この前話したのを。社長は。実行していた。此れはチャンスだ。順子は、勢いを付けた。皆に宣伝できる。から。鈴木社長にも、コマーシャル。作るように。
(世界を駆け巡るコンピューター。製造。開発に挑む。ジャパンフューチャーアメリカン株式会社。未来に、挑戦。)コマーシャル用。文章。
順子は考えた。次の日。
※六月二日。
順子は鈴木社長に連絡して・六階で会った。城南開発の、コマーシャルの事を話した。
「私も見て居ました。・・・成る程と思いました。」
「社長。投資が集まれば、可能ですよ。・・・文言を考えて有ります。」順子は文章を説明した。
「うー。凄いですね。・・・任せます。」
「じゃ。・・・私が、コマーシャル代金。考えて置きますので。テレビ局に、直談判します。・・・お金は心配しないでください。」順子は。失敗は許されない。先手を行かないと。遅れをとる。社長と別れて、
店に来た。芸能部の佐藤様に。電話して、テレビ局に行った。案内された。佐藤さんが来た。
「あれ。・・・ママ。・・・どうしました。・・・」
「あ。暫く。です・・・今日は佐藤さんに用事が有って来たの。」
「えー・・・何ですか。・・・」佐藤も、分からない。とにかく座ってください。と言われ、テーブルに座った。コーヒーが出てきた。
「実は。佐藤さん。テレビコマーシャルの事で。・・・」
「え。・・・店のコマーシャルですか。・・・」
「違うわよ。・・・落ち着いて。佐藤さん。・・・有る会社の。」
「そうですか。・・・一寸待ってください。・・・」佐藤は席を外し、三十分位で人を連れてきた。
「日本テレビの宣伝部の、三浦です。・・・」順子は、名刺交換をした。クラブJUNの。名刺を出した。自分の宣伝も兼ねた。
「え。・・・クラブのママですか。・・・」すると佐藤が慌てた。
「あれ。お客さん。・・・」順子は、にこっとした。
「私の知り合いの会社の。コマーシャルです。・・・頼まれてきたの。」佐藤もウロウロしている。
「テレビコマーシャルを申請したいのですが。」と言うと。
「申請書に指名してください。其れに、文言を書き入れて。時間で利用料金が、決まります。・・・文言によって時間がかかりますので。」、
「次は時間帯で料金が、変わります。・・・何時にしますか。朝七時。昼十二時。夜七時。は。高いです。」
「そうですか。・・・幾らですか。高い時間で。」
「二百万円です。」
「は。・・・その時間外。は。」
「はい。百万円です。コマーシャルは、毎日。一か月。流します。」
「うー。・・・じゃ。お昼十二時三十分。・・・で。幾らですか。・・・」
「初めてですね。一割。引きで。百九十万円です。・・・現金取引。に成りますので。成立したら一週間後に。流れます。
「分かりました。夕方何時まで空いていますか。」
「四時で、閉め切ります。・・・」佐藤は、待って居ると、言った
「じゃ。二時に来ますので。宜しくお願いします。」順子は、タンス預金なので、家に戻って。お金を揃えて。テレビ局に引き返した。佐藤が待って居た。
「え。もう来た。んですか。・・・」
「受け付けも、びっくりして居た。・・・」何者かのような。眼で見ていた。佐藤と上司も居た。二百万円をテーブルに置いた。・・・順子が。
「お願いします。・・・もし続けて遣りたい場合は。どうすれば。良い。ですか。」
「はい。十日前に、申請。頂ければ。続けられます。」
「分かりました。」
「あの。もし、続けられれば。少し。づつ。割引に成ります。」
「分かりました。・・・七月一日から。お願いします。」佐藤と上司が。後を着いて来た。
「有難うございます。受け承りました。」順子は。局を出て、溜息をついた。
「もしもし。順子です。・・・今、テレビに。申し込みしました。・・・七月一日。お昼の十二時三十分に。流れます。・・・日本テレビです。」
「本当ですか。・・・有難うございます。・・・」これでよし。テレビ放送をネタに、皆さんに、アピールする事が出来る。作戦は、必ず成功させる。順子は。燃える。疲れたので。弁当を買って。家に帰って直ぐ、寝た。・・・起きたのは六時だ。弁当を食べて。シャワーを浴びて。支度して。店に歩いた。八階に行った。弘子達が掃除をしていた。
「ママおはようございます。・・・」
「お早う。ご苦労さんです。・・・弘子さん。明日から、お掃除はしなくて、良いですから。七時から。出勤してください。」
「そうですか。・・・分かりました。・・・」六階のお客と会う事が有るので。断った。
ソファーで休んでいた。一千万円。づつ、投資して頂ければ、今まで、話した人達だけで。達成は可能だから。あまり騒ぎたくない方が、良いかな。て。感じがする。
ドアが開いた。
「いらっしゃいませ。・・・あれ。沢井社長。一人ですか。・・・」三番テーブルにセットした。ボトルを出した。二人は乾杯した。
「あー・・・暫く。・・・その後。どうなりましたか。・・・気になって。」
「はい。進んで居る。んですよ。新橋ケミカル。と言う会社が来て。スミダ、ケミカルに、参加したい。て。・・・でもまだ。傘下に加わっただけで。スミダ、ケミカルの。下請け。て。感じです。」
「知って居ますよ。・・・黒沢社長でしょう。我々の業界も、狭いので、直ぐわかります。・・・鈴木社長と会いたかったな。・・」
「でもね。アメリカのジョン社長は。需要が増えているので、スミダ、ケミカル。一社では、間に合わないと、言っているようです。でも、取引は、一社でスミダ、ケミカル。だけ。らしいです。だから。新橋ケミカルは、スミダ、ケミカルに物を収めるだけらしいです。・・・でもね。鈴木社長は。奥さんの土地が、約三百坪。有るので、其処にケミカルの工場を建てる。て。言っていました。」
「あー・・・そうですか。」
「鈴木社長に電話してみますか。・・・住まいは、近いから。・・」順子は電話してみた。
「もしもし。順子。・・・社長。・・・今、お店に。沢井社長が見えているの。・・・会いたい。て。言っていますけれども。・・・あ。来てくれますか。・・・はい待って居ます。」社長が直ぐ来る。て。まだ八時だ。四十分で来た。
「おー暫く。です。・・・沢井社長。・・・連絡しようとは、思っていた。んです。この度。順子ママにお世話になって、アメリカと仕事する事に成って。バタバタしていたから。・・・ようやく落ち着いて。・・・実は、相談したいことが。あった。んです。と言う事は。アメリカから電話が有って。製品を、現在の何十倍も、造らないと、追いつけない。らしいです。其れで、近くに家内の土地が有って。其処に、工場を建てる、計画を。している。んです、けれども、職人が居ないので、・・・現在止まって、居ます。もし、沢井社長が。遣ってくれるならば、その工場を任せても。良いかな。何て。考えて、いたのです。」
「本当ですか。・・・家も、雑貨ばかり、造って居て、忙しいばかりで。」
「でしょう。・・・新橋ケミカルも、その通り。なんです。・・だから家の、下請け。で。動いて居ます。」
「そうか。・・・何時頃建てる。んですか。・・・」
「それが。・・・資金繰りが。・・・今。アメリカの部品組み立てで、・・・それどころじゃ無い。んですよ。・・・こっちも、俺が居ないと。纏まらないし。・・・だから。建物から機械まで。監督してくれる人が居ないと。工場は創れない。」
「えー・・・だったら。俺が出来ますよ。・・・社員、二三人。連れてくれば。機械設置まで。・・・継続して、仕事も出来るし。」
「其処。なんですよ。社長。・・・遣ってくれますかね。・・・製造も任せますよ。・・
・全部アメリカで買ってくれるから。販売営業は。要らないし。・・・副社長に成って。頂きます。ので。引っ越してきませんか。・・・」
「良い話ですね。・・・直ぐ。取り掛かれ、ますか。・・・」
「そこで順子相談役が。出番。なんです。・・・お願いするしかない。・・・」
「えー・・・ジョン社長も言って居ましたね。拡張しないと。て。・・・資金は大丈夫ですよ。幾らでも。・・・ただし返済するまで、私が関わります。・・・仕事じゃ無く。経理の方。・・・」
「はい。当たり前です。」
「私は、返済期限。は。無い。・・・のが。取り柄です。」
「助かります。・・・沢井社長。そういう。事です。・・・遣ってくれますか。」
「できます。・・・ただ。今の会社を。パット。無くす訳には、いかないです。」
「じゃ。建てたら。如何ですか。出資は、します。」
「じゃ明日にでも設計屋を。頼んで。・・・始めますか。・・・三百坪、有るから。どうにでも成ります。配置はお願いします。」三人で乾杯した。
「鈴木社長。設計が決まって。建設会社が、決まれば、お金は前金で払いましょう。現金で。どっちにしても払う。んだから。一割位下げて。現金払いで。その方が建設屋は。助かる筈です。・・・依って、しっかりした。建設会社。・・・ま。中堅で市川市の、指名業者。に。発注した方が。良いかも。」
「はい。その通りです。・・・じゃ進めましょう。」此処で、工場を造ることに成った。十一時だ。清算して帰った。」
※六月三日。午後二時。鈴木社長から連絡が有り、市川市の。大手建設会社に。設計施工まで。頼んだそうだ。契約の時、立ち会ってください。・・・まだ融資の方も一緒に、お願いします。十五日頃。契約に成る。と。言って居た。
※六月十四日。
鈴木社長と沢井社長が。店に来た。
「順子さん。明日契約ですが。」見積もりを、出して、順子に見せた。順子は。
「私は、工事内容は、分からないので、契約金だけを。見れば良いです。百坪で平屋建て。三百万円。・・・はい。分かました。・・・完成は。・・・」
「はい。突貫工事で、一か月で、七月十五日。引き渡し。と言う事で。」
「分かりました。・・・私は。・・」
「はい。家の小林が、車で、十時に、迎いに来ますので。・・・」
「じゃ。分かりやすい場所。・・・四丁目交差点の三越の前に、居ます。・・・お金だけ持っていけば。宜しいですね。」順子はニコニコしながら、言った。
「はい。宜しくお願いします。」順子は。
「鈴社長。ジョン社長に。機械の台数。輸送日を決めて。・・・文章で送って。・・・発注書を、取って置いた方が良いですよ。」
「あ。・・・そうですね。・・・明日。送ります。・・・七月十八日。スミダ、ケミカル株式会社。着。・・・」
※六月十六日。朝十時に迎えに来て。会社の事務所に入った。皆、揃っていた。順子も座った。紹介されて。名刺交換した。書類は準備されて机の上に会った。順子は、紙袋に入った、三百万円を鈴木社長に渡した。そして。袋から三百万円を出して。建設会社に渡した。
「え。・・・全額。前金ですか。・・・」
「はい。・・・突貫工事で。お願いしますので。・・・」
「有難うございます。・・・それじゃ。二十万円。・・・値引きします。゛全額、前金は、家は初めてです。・・・二百八十万円。頂きます。・・・頑張ります。」契約は終わった。ホテルのレストランで。食事を用意していると言うので、ホテルへ行った。鈴木。沢井社長。順子。先方三人。6人で会食をした。すると建設会社。社長が。
「先日。テレビを見て居たら。城南開発と言う、企業の、コマーシャルが、流れて。今、建て売りと言う。住宅団地が。流行している。みたいで。・・そろそろ千葉にも、来るでしょう。・・・」順子は、感じた。やはりテレビは凄い。良かった。と。感じていた。全員別れた順子は。三越前まで送って頂いた。三時だ。千疋屋の三階でコーヒーを飲んで。一休みしていた。一時間居た。
順子は、そろそろ、知人たちに電話して。・・・投資金を集めないと。頭の中で準備をしていた。八階に行った。弘子と美輪さんを、呼んで。話した。
「此れから私も、少し忙しく成るので。店に出られないことが、有るかも、・・・日の時は。チーママとして。二人に、頑張ってもらいたいの。・・・」
「あ。・・・はい。分かりました。」
順子は、一応、話しておいた。ドアが開いた。
「いらっしゃいませ。何名様ですか。・・・あら。三井社長。」三ツ星不動産だ。
「暫く、でした。ママ。・・・四人で。」
「どうぞ。こちらへ。・・・」三番テーブルにセットした。暫くぶりで、乾杯した。
「ママ。テレビで見ましたよ。・・・城南開発の、コマーシャル。」
「はい。この度、上場申請するので、準備に入ったので。宣伝しないと。」
「えー。・・・そうですか。家も上場したい。んだが。・・・」
「そうですか。・・・やはり、建て売り住宅。・・・」
「はい。オリンピック後。急成長していますね。企業も人も。動いて居ます。おかげさまで。東武東上線沿線。西武池袋線沿線を、どんどん開発しています。・・・当初は、一か月。五六軒でしたが。現在は。三百軒を超える勢いです。・・・家の方は、城南開発方面より。土地が安いので。・・・遣り安いですよ。・・・開発が遅れて居ましたから。これから。発展しますよ。・・・だから上場して。大手企業と。肩を並べたいですね。」
「そうでしたか。・・・今現在。三社を、一緒に準備最中でして、・・・七月過ぎると思いますが。」
「そうですか。ま。早い方が良いです。けれども。・・・待って居ます。ので。紹介してください。」
「分かりました。・・・やはり高度成長期に入りました。・・・でしょうか。」
「でしょう。・・・乗用車も、国産車が。目立つように。成りましたね。・・・今までは、リンカーン。キャデラック。クライスラー。ワーゲン。外車ばかりでしてが。私も豊田自動車の、クラウン。て。言う車を買いました。・・・良いですね。・・・」
「えー。・・・大型でしょう。クラウン。て。・・・乗ってみたいな。・・・」
「今度。ドライブしようか。ママと・・・」
「えー・・・伊豆にでも。行きたいですね。」
最近、景気の良い話が、あちこちで聞かれるようになった。やはり上向きかな。て。感じがする。社長達は帰った。
九時過ぎた。ドアが開いた。ママが、応対した。
「いらっしゃいませ。・・・あら。社長。・・・」西川社長だ。奥の三番テーブルにセットした。ボトルを出した。
「おー暫く。ママ。・・・今日はお客さん。連れて来たよ。・・」
「俳優の渥美清です。・・・初めまして。・・・」
「え。・・・あの賑やかな。人達の。・・・」
「あー。俺達のグループで。仲間ですよ。・・・この中から。誰が飛び出るか。」
「そうですか。・・・先が見えない。・・・お仕事ですね。」
「お。ママ。・・・見抜かれた。かな。・・・俺達は、ストリップ小屋。て。有る。んですよ。・・・そこの下働き。て。・・・踊り子の。パンツ洗った。り。身体洗った。り。踊り子の世話をする。居候ですよ。・・・踊り子が休んで居る時。たまに、舞台で。ふざけている。だけ、ですよ。」
「でも映画に出られて、いらっしゃる。・・・」
「うん。・・・映画。て。大それた。もんじゃ。ない。んだよ。・・・誰でも出来る。仕事と言うより、遊びだよ。」
「ママね。渥美は、こう言う。変わり者で、何処でもこんな調子。・・・女にもてる。んだよ。・・・渥美は。・・・浅草一番だ。」
「社長。・・・ストリッパー。だけ。ですよ。・・・何故か。パンツ洗いが上手だから。ですよ。・・・」
「本当。ですか。・・・でも御給料。高いでしょう。・・・俳優さんは。」
「あのね。社長の、歌手より安いですよ。・・・」
「えー。そんなこと無いよ。・・・今。金五郎の次でしょう。・・・」
「嘘だよ。社長。・・・ただの。でっち上げで。・・・お互い舞台で。茶化しているだけだよ。・・・ハハハハハ・・・気楽な稼業だよ。俺達は。」
「渥美。・・・此の儘。・・・綺麗でしょう。・・・」
「うん。・・・じっくり見て居ないから。・・・うん。・・・本当だ。綺麗だ。どうしよう。社長。・・・社長。」
「ほら。又始まった。・・・これが曲者だ。ママ。此れに引っかかっちゃ。駄目だよ。」
「えー・・・どうしてですか。・・・」
「ほら。・・・渥美。説明してやれ。」
「え。・・・俺は。・・・別に。・・・なんにも。」
「やっぱり。芸人。なんですね。・・・自然で。面白い。・・・て。・・・難しい。」
「おー。ママ。監督みたいな。・・・事を。・・・言う。・・・」
「はい。・・・面白い。」渥美清は、何時も、こんな調子で、人に好かれる。そうだ。十一時だ。閉店で帰った。順子も帰って。早く寝た。こんな調子で、店は、今の所。安泰だ。時は。
※六月二十日。六階から。ジョン社長から電話が有って。発注の手紙が届きました。ので。只今準備しています。機械。三十台。七月十八日に、千葉県市川に。届くように手配します。と。言って居た。ので。
順子は。鈴木社長に電話した。
「もしもし、順子です。・・・ジョン社長より。連絡が有り。機械は、七月十八日に。市川に届くように。手配します。と。言って居ました。荷物と一緒に。ジョン社長も来日するそうです。」
「はい。有難う。・・・沢井副社長にも伝えて置きます。・・・完成を急ぐように。再度お願いするようにします。・・・有難う。」これで、よし。アメリカの方は。完璧。
そして順子は。株式投資者の名簿作成。投資額。に取り組んだ。
今までの話は、想定論に過ぎなかった。これからの取り組みで、決定する。
企業別に。整理する事にした。
「JFA」
①ジョン社長。 一千万円 自腹
②鈴木一郎 社長 一千万円 自腹
③山本順子 一千万円 自腹
④小林広 一千万円 借り入れ
⑤堤英雄 一千万円 自腹
⑥佐野五郎 一千万円 自腹
⑦⑴様 五百万円 借り入れ
⑧⑵様 五百万円 借り入れ
⑨⑶様 五百万円 借り入れ
⑩⑷様 五百万円 借り入れ
⑪⑸様 一千万円 借り入れ
⑫⑹様 一千万円 借り入れ
「スミダ、ケミカル」
①鈴木一郎 一千万円 借り入れ
②山本順子 一千万円 自腹
③堤英雄 一千万円 借り入れ
④佐野五郎 一千万円 借り入れ
⑤沢井忠広 一千万円 借り入れ
⑥ジョン社長 一千万円 自腹
⑦渡辺正幸 一千万円 借り入れ
⑧黒澤晃 一千万円 借り入れ
⑨⑸様 一千万円 借り入れ
⑩⑹様 一千万円 借り入れ
「城南開発」
①笹川慎太郎 一千万円 自腹
②山本順子 一千万円 自腹
③堤英雄 一千万円 借り入れ
④佐野五郎 一千万円 借り入れ
⑤⑺様 一千万円 借り入れ
⑥⑻様 一千万円 借り入れ
⑦⑼様 一千万円 借り入れ
⑧㈩様 一千万円 借り入れ
⑨⑾様 一千万円 借り入れ
⑩⑿様 一千万円 借り入れ
以上。投資者登録名簿と額面です。此処で発生するのが、自腹金。・・・借入金か。本人の承諾を、頂く事に成ります。ので、検討して頂きたい。と言う。事に成って。順子は。六階に八人を、招集した。
※七月十八日。六階に集まった。順子が指揮を執った。
「皆様ご苦労様です。・・・テーブルの資料をみて頂きたいのです。お互い。氏名と投資金額が記されて、居ます。その確認し、先ず自腹か、借入か。
借入の場合は、一千万円。で。上場後。仮に、三千万円で。決定したとします。二千万円は。新日本銀行に入ります。残り一千万円は、借入社の口座に残り。五年間は。出し入れ出来ません。ただし。株の配当は、増えますので。積み立てと成ります。
自腹の場合も。元金一千万円は。五年間。出し入れはできません。
この結論を只今。決定させて頂きます。
先ず。
「JFA」の鈴木社長。
私は、二社ですか。・・・スミダ、ケミカル分は。借り入れにして下さい。
又、JFA社員の六名分(四千万円)。スミダ、ケミカル社員の二名分(二千万円) は、借り入れにして下さい。
「城南開発」笹川社長。
私は、自腹で。・・・社員六名分(六千万円)は借り入れにして下さい。
「堤英雄」
私は、三社ですか。JFAは、自腹です。後の二社は、借り入れにして下さい。
「佐野五郎」
私は、三社ですか。JFAは、自腹です。後の二社は、借り入れにして下さい。
「小林広」
私は。一千万円。借り入れでお願いします。
「渡辺正幸」
私は、一千万円。借り入れでお願いします。
「黒澤晃」
私は。一千万円。借り入れでお願いします。
「沢井忠広」
私は。一千万円。借り入れでお願いします。
「はい。分かりました。そのように手続きします。」
「私に任せて貰えますか。・・・実は、社員の名簿を預かって居ます。この為、だったのです。社員の名義で申告します。ただし名前をお借りするだけで。迷惑は、駆けません。・・・何故ならば貸した。金額。一人。五百万円とします。三倍になれば、千五百万円。さっきの話に戻って。一千万円は、日本銀行で、頂きます。元金五百万円は。名前を貸した人の物に成ります。ただし、五年間は出し入れ出来ません。けれども。株が上がれば。加算されます。・・・名前を貸しただけで。五百万円。儲かります。・・・依って。鈴木社長の方で。指名して書類を作って来て頂ければ。私も、手間は省けますので。」
「此れで、全部終わりですか。・・・書類を上げますので人数分。取りに来てください。一か所一枚。一人一枚。です。全て。印鑑証明書と実印を押して。持ってきてください。・・・借入の方は。借用書が有りますので。其れも書いてきてください。五百万円分も、一人一人の借用書に成ります。・・・借用書は。上場が認可された時点で。書類は破棄します。ので。安心してください。最後に明後日まで。此処に持ってきてください。・・・時間決めましょうか。みんな一緒の方が良いでしょう。」
「そうして、頂ければ、有難いです。」
「じゃ。明後日。二十二日。午前。十時。集合してください。」
※六月二十二日。全員。集合した。順子が指揮を執った。
鈴木社長から。
はい、自分の二枚。・・・社員分八枚。
笹川社長
はい、自分の一枚。社員の分六枚。
山本順子、三枚。・・・堤英雄、三枚。・・・佐野五郎、三枚。・・・小林広、一枚。・
渡辺正幸、一枚。・・・黒澤晃、一枚。沢井忠広、一枚。ジョン社長、二枚。
「以上。書類提出。完了です。・・・この書類は、三通作り。新日本銀行。帝国証券。株式上場審査会の三社で保管します。
依って、仮、申請は、八月上旬に届けます。其れから。役一年後。昭和四十一年。七月頃。調査が終了し、三か月後に、株式市場に。載ります。・・・その後は、一般投資者の。見かた次第です。上がる。下がる。の繰り返しに、成る訳です。・・・企業の頑張りと。投資者の拡大。次第です。」
順子は八階に行った。ボトルとつまみを問屋に発注した。今までの倍にした。三十分で来た。
「まいどー・・ママ。持ってきたよ。」
「あら、ご苦労さん。・・・奥に入れて。・・・半分は、七階ね。」
「あ。はい。・・・」七階も開けてある目で入れる。順子もお金を払うので。七階に降りた。
「はい。ご苦労さん。ヘネシー=四十本。つまみ=百個。乾きもの=百個。
「占めて、五万円です。」順子は払った。店員は帰った。此れで十日分。
「お早う。・・・」女の子達がゾロゾロ入って来た。
「美輪さん。弘子さん。・・・」二人を呼んだ。
「はい。これあげる。・・」封筒を二人に渡した。一万円。千円札で膨らんでいる。
「ママ。こんなに。沢山。・・・有難う。助かります。」
「良いのよ。頑張ってね。」
「有難う・・・頑張ります。・・・」ドアが開いた。
「いらっしゃいませ。・・・あら。三井社長。」三井五郎。だ三人で来た。どうぞ。三番テーブルにセットした。ボトルを出した。
「あれ。少ないね。一本入れて。」順子は。ヘネシーを一本持ってきた。明けた。
「ママさ。・・・あれから気になって。上場の事。」専務も。常務も、
「合わせて頂ければ。・・・」
「そうですか・・・・電話してみます。」電話しに行った。
「今。新橋に居るので。八時頃なら。来ます。て。」
「そうですか。・・・待って居ます。・・・ママは凄いですね。・・・顔が、広くて。」
皆は、知り合い仲間である。
「そうね。お店に来てくれて、知り合って、・・・此処の下の六階が、事務所なの。」
「えるそうですか。九時から五時までは、事務員さんが。おります。ので。何時でも。」
「近くて便利ですね。・・・」
「そう。なんです。・・・此処ね。私の、ビルディング。なんです。・・・」
「えー・・・そうですか。・・・ママの。・・・」皆。びっくりして居た。
「だから。逃げも隠れも。出来ないのよ。・・・」お金持ちに見せないと。人は集まらない。根津から聞いていたから。宣伝した。
「へー・・・そうですか。・・・そうなると。安心しますね。・・・へー・・・」
ドアが開いた。
「いらっしゃいませ。・・・あら、お客さんは、三番テーブルです。」案内した。
「はい。はじめまして。堤と言います。・・・佐野と言います。」二人で来た。
「以前。ママから、聞いていました。・・・ちょうど忙しい所にぶつかっちゃって。」
「はい。今日は、ママに、お願いしようと。家の幹部達も来ました。」名刺交換した。
「建て売り住宅開発。販売。凄い上昇ですね、今。・・・チャンスですよ。前の物件が終わったので。直ぐ取り掛かれます。株価。一株の値段を決めて。何十万株。発行するか。・・・」
「うん。・・・遣ったこと無いので。任せますので。・・・」
「そうですね。皆さんそう言います。ただ手数料が。五万円かかります。・・・申し訳ないですけれど前払い。なんですよ。」
「あ。そうですか。・・・今払います。・・・五万円。」
「事務所は、此処の六階。なんで。今、領収書を、持って来ます。」
「便利ですね。ママ・・・」
「そう。なんです。・・・良かったですね。直ぐ。取り掛かれて。」
「はい。有難うございます。・・・」戻って来た。領収書を書いて五万円を頂いた。
「こちらの方で書類は全部作って置きます。ので。後で社長の実印と、謄本を持ってきてください。・・・それを終わりましたら。一年間で。この会社が。上場前の株を、どのぐらい。増やせるか。・・・何十万株。何百万株。と言う。数字を求められます。多い程評価は上がります。又、仕事の実績の伸び率です。一年間。毎月毎の。伸び率です。・・・これも大事です。・・・この二点をクリアしないと。申請は、無理です。」
「え。・・・仕事の実績は。上がって居ます。・・・が。・・・十人位は、確保できますけれど。・・・でも金額が。何千万円でしょう。・・・」
「其処が。・・・大変です。・・・数字を上げる。・・・とにかく申請書類は、作ります。お金頂いたから。・・・その後作戦を練りましょう。」
「はい。・・・何か、良い方法が有れば。教えてください。」
「分かりました。・・・今日は此れで。」
「でも。一歩、前に進んだから。ね。・・・今後の作戦を。」
「ママね。作戦。と言っても。・・・」
「一晩。寝れば。何か、浮かびますよ。・・・三井社長。」
「とにかくお願いします。・・・」
「さ。・・・飲みましょう。・・・三ツ星不動産の、発展を祈念いたしまして。乾杯。」
社長の。難しそうな。顔が見える。何千万円を集めるとは、考えて、いなかった、みたいだ。三井社長の事。根津に聞けば。何か、分かるかも。順子は。ぞぶりを見て、そんな感じがした。閉店だ。三井社長が。帝国証券さんにボトル一本。入れて。と。ママに行った。清算をした。ボトル二本。つまみ。五人分。締めて六万五千円。払って帰った。順子は。タクシーで。寿司屋へ行った。
「お早う・・・」
「いらっしゃい。・・・」カウンターに座った。何時ものコースが出て来る。
「あー疲れた。・・・ビールを一気飲み・・・美味しい。」
「ママ。今日は。飲み。っぷり、良いですね。・・・一気に。」
「 はい。疲れた。ようやく一段目。上がったの。」
「何の一段目ですか。・・・」
「有る企業の株。上場申請の手続きを、頼まれたのを。一段目。通過したの。これから、二段目に入る。」
「何か、難しそうだね。・・・」
「難しいの。・・・マスター。一段目が。大変なの。其れを超えた。」
「ママ。儲かる話ですか。・・・」
「そう。なんです。儲かる。んです。・・・百万円が、三百万円に成るの。一年半で。・・
・私が、お金を集める役目。なんです。・・・でもね。マスター。三億円集めたの。」
「え。えー・・・三億円。・・・本当。・・・」本気にしない。
「今度ね。テレビコマーシャルが。流れるから。私が役員している会社の。・・・全部私が、テレビ局に行って。交渉して、決まったの。」女将が。
「最近。建て売り住宅の。コマーシャル。見たわよ。」
「ほら。マスター。見た人が居る。・・・女将さん。その会社も、私が役員なの。」
「へー・・・順子さん。・・・クラブだけじゃないの。・・・」
「そう。なんですよ。・・・お客に誘われて。こんなに、成っちゃった。の。・・・あの会社は、小田急沿線。京王沿線を主体に開発している。会社で。売り上げが。倍増しているので。上場したい。て。来たの。」
「えー。ママ。そんなの、出来るの。・・・」
「私は出来ないです。ただ、出来る人を、紹介しただけ。・・・コンピューターの部品造りと。箱を造るの。テレビの枠、みたいな。コンピューターの枠。も作る。その会社のコマーシャル。・・・七月一日。の。十二時半に、流れるの。・・・女将さん。見て居てね。・・・文言は。私が書いたの。」
「えー。ママ。凄い。・・・俺も此処で見るよ。・・・何テレビ。」
「あ。日本テレビです。四チャンネル。・・・です。」十二時過ぎた。もう寝よう。順子は、帰った。直ぐ寝た。
※六月二十四日。
十時。プレジデントホテルに行った。ボーイに案内された。ドアを開けて部屋に入った。
「パパ。」二人は、ハグした。ソファーで、体面に座った。
「順子見たよ。・・・凄いな。・・・三億円分まとめたとは。・・・」
「書類全部まとめた。・・・じゃ、借りたい人は何人いる。・・・金額は。」
「はい。一千万円借りたい人は十九名。五百万円借りたい人は、四名。締めて、二億一千万円。です。自腹が九名で九千万円。合計で三億円です。」
「おー・・・見事だ。・・・貸付が二億一千万円。か。三倍に成れば。四億二千万円。悪くはないね。・・・順子。」
「はい。・・・ただ。・・・」順子は、心配だ。た。
「俺も、今まで生きて来て。こんなにびっくりしたのは。初めてだ。・・・今度は。俺の勝負だ。・・・俺。勝たなきゃ。順子に合わせる。顔が。無くなる。・・・じゃ。書類は、六階で纏めさせて。お俺に、届ける様に。伝えてくれ。・・・順子に振り回されちゃうな。・・・凄いです。貴方は。俺を振り回す。・・・初めてです。・・・人に振り回されるの。」
「えー。・・・パパ。・・・分かんない。・・・ベッドへ行く。」順子は誘った。二人は一時過ぎまで。ベッドで、寝ていた。順子は、二人の、性交で、良い案が、生まれる時も有る。・・・雑誌で読んだことを。思い出した。○○反応。とか。書いてあった。
二時だ。二人は、シャワーを浴びて、支度して。最上階のレストランで食事をして、居た。
「パパ。・・・昨日、店に、三井五郎と言う。不動産屋の社長が来て。・・・株。上場申請を頼めないか。て。来たので。堤社長に電話したら。店に来てくれて、会ったの。そして堤社長が。はっきり。言わなかった。けれど。一応引き受けた。形に成った。・
・どうすれば良いの。・・」
「何。・・・三井五郎。・・・あの野郎だ。直接は知らない。慶応の同級生の息子だ。ドラ息子で。仕事して居なかった。筈だが。・・・不動産屋か。・・・」
「東武東上線沿線。西武池袋線沿線で。建て売り住宅の開発をしていて。上昇中。なんだ。て。・・・だから。上場したい。て。」
「うん。まー・・・悪くは無いけれど。・・・順子から見て。人間的には。どう見えた。」
「ぅん。・・・威張っている人では。無かったよ。低姿勢で、堤社長に頭を下げて、居ましたよ。・・・」
「そうか。何処で会うか。分からないね。俺と主席を争った人だ。ま。敵では無いですけれど。卒業してから会ったことが無い。んだよ。ただ。息子に、手を焼いている。て。話は聞いている。・・・俺もそういうの。て。断れない。んですよ。・・・遣るとすれば。一緒に申請だな。申請書は直ぐに書ける、けれど。ただ。・・・順子の出番だ。・・・良いじゃないか。・・・融資が増えて。・・・こう見えても。金は持っていない。んだよ。順子。・・・結局。俺の、ふんどし。で。金儲け、しよう。て。考えて居るだろう。ま。良いか。こっちも転んだって、ただ起きる。訳では無いし。・・・三億円。渡してあるだろう。金庫に入っている。・・・それで賄えるか。」
「はい。大丈夫です。・・・三ツ星さんも。足りると思います。・・・やっぱり一億円ですかね。・・・」
「そうだな。・・・一億円で遣ってやれよ。・・・俺の事は、あまり喋らないでよ。」
「はい。分かりました。・・・」二人は。食事して、帰った。
順子は。お店に行った。弘子達が掃除をしていた。
「お早う。ご苦労さん。・・・」弘子が来て。
「前日は、有難う。・・・」
「いいえ。どういたしまして。・・・弘子さん。お金は無駄遣いしないようにね。あ。そうだ。あのね。洋服。いっぱい有るのよ。今度。店に全部持って来ますから。気に入ったら。上げるわよ。」
「えー。ほしいですよ。皆。高くて買えないから。」順子は、古着を持ってくることにした。ドアが開いた・
「いらっしゃいませ。何名様でしょうか。」
「十名です。・・・西川署長の紹介で来ました。・・・ボトル有るから其れ、飲め。て。言われて、来た。けれど。・・・良いですよ。一本入れてください。三番テーブルにセットした。全員座った。女の子も間に座った。
「おー・・・美人に囲まれた。・・・久しぶりに。」
「本当ですかー。」美輪が、声掛けた。・・・
「最近忙しくて、・・・ようやく落ち着いたので。社長のお墨付きで。此処に。」
「有難うございます。・・・社長には。何時も。御贔屓に、して頂いて。先日も渥美清さんを連れて。・・・賑やかに。帰りました。」
「へー。渥美清。・・・面白かったでしょう。・・・楽しい。んだよ。あの人は。」
「本当ね。自然に話しているけど。楽しい。・・・撮影の時も、こんなんだ。て。言って居ました。」小人達は、西川興業のスタッフみたいだ。
賑やかに終わった。皆、帰った。弘子が来た。店を閉めて帰った。順子も、家に帰って。残り物でワインを飲んでいた。段々、切羽詰まって、来る。感じがする。・・・生きる。て。・・・大変だ。・・・高校時代は。良かったな。・・・大人に成るのが。怖く成って来た。・・・そんな順子。腹を括って。生きて。行かないといけない。・・・そんな独り言を。よぎった。
※七月一日。九時に起きた。順子は。シャワーを浴びて。化粧して。外へ出て。パン屋さんから。パン三個と、コーラを買ってきて。食べながら。テレビを見ている。十二時だ。そろそろだ。ワクワク。ドキドキだ。
「音楽が入っている。・・・曲で、作ってくれた。
(世界を駆け巡る。コンピューター。・・・製造。販売に挑む。
ジャパンフューチャー。アメリカン株式会社。未来に挑戦。)
順子は、お寿司屋さんに電話した。
「マスター・・・今。見て居ました。・・・」
「はい。・・・あ。順子ママ。・・・見ていたよ。・・・女将さんと一緒に。凄いです。」
「はい。有難う。・・・」聞いていてくれた。良かった。すると鈴木社長から電話だ。
「もしもし。見ていたよ。素晴らしい。順子さん。・・・文言も。未来が見える。」
「有難う。頑張りましょう。」良かった。社長も見てくれた。此れで一段落だ。自分に言い聞かせた。落ち込まないように。しないと。ソファーで休んだ。堤社長から。電話が入った。書類が出来たので。会いたい。三井社長に連絡してください。
「もしもし。三井社長ですか。山本順子です。・・・書類が出来たので。取りに来てください。銀座の店の六階で。会いますか。・・・六時に。」
「堤社長。六階で。六時に来ます。て。」
「はい。ご苦労様です。・・・」順子は、支度して、ゆっくり歩いて行った。まだ来ていない。八階に行った。弘子達が。掃除をしていた。
「お早うご苦労さん。・・・これから。六階に行くので。お願いね。」順子は。一階に降りた。
「お早う。堤社長と佐野社長が来た。」
「今六階に行ったけれど鍵が。掛かって居て。」
「あ。そうか。事務員は。帰ったね。三人で。待って居た。
「お早うございます。」三人で来た。常務と。専務だ。
「ご苦労様です。・・・」目を通してください。書類を三井社長に渡した。社長は見ていた。一株五十円。資本金五百万円。目標株数=一千万株。
「それで一か月毎に。売上高を増やして。記載する。そして。申請前の株も、増やさないと。いけないので。一億円位の投資者を集めた方が。審査を有利に進められる。」
「えー。一億円。・・・一人。二十万株で。一千万円分。・・・」
「十名。知人。集められますか。・・・百万円だと。百人。集めないと。大変です。」
「社長。私達三人を相談役で。雇用契約をお願いしたい。んです。そして三人で、三千万円を投資します。・・・残り七千万円を、何処から集めるか。」
「雇用契約書は。直ぐ作れます。が・・・七千万円は。・・・」社長は、頭を抱えていた。
「そうですか。・・・私が融資できますけれど。七千万円。・・・ただし、利益が、でた分。私が。貰うように成ります。・・・例えば。一が。三に成った。利益が二に成りますね。其の、二は、私が貰う。と言う。一は、名義人の物に、成ります。・・・その一を、持って居れば、株が上昇すれば、どんどん増えて。いきます。・・・七千万円の振り分けは。会社で遣ってください。」
「そうですか。・・・」三人で話している。
「貸して、頂けるなら。後者のやり方で、・・・」
「振り分けは、社長が多く持っていた方が。良いですよ。・・・それに私達三名の雇用契約書と。振り分け名簿を、作成して。此処で、書類を纏めます。・・・じゃ。揃ったら私に連絡ください。前の三社と抱き合わせるので。明日でも。お願いできれば。」
「分かりました。・・・早急に揃えます。」皆。別れた。
八階に行きますか。順子は二人を誘った。三番テーブルにセットした。三人で座った。
「堤社長。昨日。大臣たちが店に来たの。四人。其れで。今の話は、社員の名義人だから良いでしょう。この人達は。まともに引っかかる。じゃない。・・・其処が。」
「そう俺もそう思ったよ。」
「私の話し方が不味かったか。・・・」
「うん。・・・頭取に聞かないと。分からないね。」
「あの人たち。九人。居るのよ。・・・麗さんと美江さんも居るし。」
「そうか。・・・引っかからない。遣り方。・・・審査会理事長を、口説き落とせれば。何とかなるだろうけれど。・・・やっぱり根津頭取だな。」