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女帝  作者: 鈴木幸一
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第十六話。電電公社。民営化。発表

 第十六話 電電公社民営化。発表

 ※千九百八十五年。(昭和六十年。三月)電電公社民営化の発表が公開された。NTT株式会社と成った。そして。

 ※千九百八十七年。(昭和六十二年。二月九日。)証券取引所に、百十九万七千円で。上場公開された。そして。

 順子は、投資した金額は、公開された金額で。割った数字が。一株の値段に成る。と。聞いていたので。新会社に出向いた。すると、二十億円を百十六万円で割ってくれた。

 百六十八万株。と言う。数字に成った。そして。

 ※二月十日。二日目で、百六十万円に成った。その日。再び会社へ行った。社員が出てきた。

 順子は名刺を渡した。待って居た。十分後。

 社員は。奥の部屋へ来て、ください、と。言うので。順子は、部屋へ、入った。八人居た。

「山本さん。新日本銀行の根津さんの。跡を継いだ方ですね。」

「はい。そうです。」

「これは、莫大な金額に、成ります。私どもとしても。引き落とされると。政府としても、大問題に成りかねますので。NTTの、大株主として。参加して頂けないでしょうか。おそらく、此の儘だと、三倍か四倍に、跳ね上がります。・・・何とか。三倍に成った。その時点の数字で。証書を作成します。従って。私どもの役職に、成って。会社の運営に。ご協力をお願いします。・・・この通りです。」八人が頭を下げた。

「えー。何が何だか分かりません。・・・まだ。卸すとか。卸さないとか。・・・言って。いませんが。」

「はい。・・・じゃ、今日の夜。・・・差し支えなかったら。帝国ホテルで。お話の場を用意しますので。ご都合は。如何でしょうか。」

「はい。・・・空いて居ますが。・・・」

「じゃ。御足労お願いします。・・・フロントに、伝えて置きますので。五時に、待っておりますので。」

「はい。五時に、帝国ホテルの受付カウンターで。・・・分かりました。」

 順子は。予想は、していたが。一株。百十九万円。二日目には、百六十万円とは。びっくりだ。二日目で。百六十万円。順子は。二日目にお邪魔した。

 夕方五時に、帝国ホテルのロビーに行った。社員が待って居た。

「山本順子さんですか。・・・こちらへ。」案内されてエレベーターに乗った。最上階の部屋へ案内された。凄い部屋だ。庭がある。入った。三人居た。

「どうぞ。」一人が寄ってきて。案内された。名刺をくれた。順子も、名刺を渡した。

「私が代表です。常務です。専務です。」順子は。何か起こるのは間違いないと思っていた。

「先程は、失礼いたしました。・・・私どもは。書類を見るまで分からなかったものですから。つい。ミスしてしまいました。居間から。偽りのない話を勧めたいと、想いますので。宜しくお願いします。電電公社に投資して頂いた方は、大勢います。ただ他の方たちは、少額ですので、気にしないですが。我々の書類ミスで。根津さんの金額を見落として居ました。本来ならば。高額投資者には。電電公社の時に。話し合いを設けなければ、ならなかったのです。・・・今回は、株式会社に成り。上場公開されましたので。変更する事は出来ないので。午前中に申し上げた。数字に成ります。結論から言いますと。山本さんの株は。大株主として。取り扱いますので。百六十八万株は。今まで同様。保留して頂ければ、と言う。お願いです。・・・今後はまだまだ上がる可能性が、有ります。三倍。五倍。と言う。分かりませんが。山本様には。一株=三百万円まで、上昇した時点で。止めて頂き。大株主として。参加して頂ければ。と言う。私どものお願いです。」

「えー。一株=三百万円。・・・×百六十八万株。・・・私には計算できません。」

「はい。約。五千億円に成ります。・・・今後会社として。各、優待と言う、部署を作りますので。そちらの方で、優遇させて頂きますので。何とか手打ちを。・・・お願いします。」

「え。・・・要するに。一株三百万円の株を百六十万株。保有している。と言う。事ですね。・・・」

「はい。その通りです。・・・私どもは・どんどん発展させ、進化していきますので。お金が必要。なんです。此処で下ろされると。会社としても。・・・何とかご協力を。」

「分かりました。・・・皆さん。三人しかいないから。話します。・・・私は。根津頭取の時から。お付き合いをしていました。銀座で、「クラブJUN」と言う。お店を経営しております。現在に至ります。その時、根津さんと知り合い。そして五年が経過し。根津は、スペインに、移住して。余生を送ると言う事に成り。身内が居ないので、遺産は。私に上げる。と言う事に成り。受け継ぎました。又。会社も殆んど根津頭取が、株を所持しているので。実質は。個人経営みたいなもの、ですので。私が受け継いだと言う。・・・現在に至ります。」

「えー。ぞじゃ。別荘二か所。有りますよね。伊豆と軽井沢。全て。順子さん。・・・凄い。大型金庫も有る。と言う。噂ですが。」

「それは無いです。・・・ただの噂です。・・・あと一つ。誰にも話して、おりません。ので。本当に。此処だけの話にしておいてください。私達、グループ七人おります。小佐野。五島。田中。堤。笹川。根津。と。私。で。根津頭取の時代から続いておりますので。その事も。お見知りおき頂ければ。今後に導いていきたいと。考えております。」

「えー・・・それは凄いです。山本さん。・・・我々も、無くてはならない。協力する企業です。・・・今後、日本を発展させてくれる。期待する企業です。・・・そうですか。・・

 ・・お店にも伺いますので。・・・まことに申し訳ございませんが。大株主になって頂いて。相談役と言う。役職を与えます。少々手当が。支給されますので。・・・これは、一応。契約書でございます。・・・今日から、十年間です。・・・住所とサインをお願いします。」

「はい。・・・」順子はサインをした。

「それでは、手打ちの用意をしておりますので。別席で。」四人は。別の部屋へ移動した。

 フグ料理コースだ。順子はるフグが好きだった。

「えーフグ。大好きなの。私。」

「そうですか。丁度良かったですね。」ワインも、高級の様だ。社長が。

「ぞれでは。山本順子様とNTT株式会社の。益々のご隆盛を祝福して、乾杯。」パチパチパチパチ。

「あー山本社長。・・・本当に有難う。これを纏められなかったら。首だ。と。言われていた。んですよ。・・・有難う。」社長は。涙を滲ませていた。

「いいえ。こちらこそ。NTTに参加させて頂き。光栄です。」

「此処のワイン。美味しいですよ。・・・殆んど、五百年以上のモノですから。」

「おいしい。・・・私もスペインに。知り合いが居ますので。・・・此のワインを、送ってくれますので、知って居ました。」

「これまた。凄いですね。山本さん。」

「あ。・・・これから。順子と呼んでください。社長と言うと。なんだか。」

「そうですか。順子。・・・順子さんだな。ハハハハハ。」スムースに、滑り出した。順子は又。仲間が増えた。何と、言っても、NTTだ。予想外だ。順子は。これからも、低姿勢で行かなければ。と。頭をよぎった。

「順子さん。・・・綺麗ですね。さっきから。三人で。こそこそ話して居ました。」

「えー・・・子供の頃から体操して居ました。・・・お母さんが。赤ちゃんの時。ふにゃふにゃするでしょう。赤ちゃん。て。其れを、面白がって、五才の頃まで、やって居たらしいの。其れで。どうにでも曲がるの。」順子は立って。後ろに、反って。畳に手を着いた。

「えー本当だ。・・・また凄いですね。順子さん。」

「まだまだ。出来るの。バック転とか。宙返りとか。」

「へー今後が、楽しみだな。・・・順子さんと知り合って。」順子は調子に乗らないようにしている。一時間位。居た。

「私は此れで。失礼させていただきたいですが。」

「あ。そうですか。時間が、過ぎましたね。どうも。有難う。今後共宜しく。」

 順子は、帝国ホテルを出た。タクシーで、店に向かった。九時だ。

「お早う。ごめんね、弘子。連絡できなかったの。」

「はい。大丈夫ですよ。ママ。」弘子に任せて。順子はタクシーで帰った。家に着いた。疲れた。直ぐ寝た。

 ※昭和六十二年。一九八七年。二月十一日。

 山本順子。四十二才。(女帝)と言う。ニックネームを付けられた。

 一、新日本銀行。社長。

 一、企業。七社の。社外取締役。

 一、「クラブ・JUN」経営者。

 一、アメリカと日本の合同企業・JFA株式会社。相談役。

 一、NTT株式会社。大株主。相談役。・・・以上の企業に何らかの役職で、参加している。真にNTT株式会社の、大株主になるとは。思わなかった。

 順子は、朝九時に起きて、シャワーを浴びて化粧して。ソファーでコーヒーを飲みながら、今までの人生を、振り返った。

 人生。生きて行くのは難しい。何時の時代も。金。女。男。欲望の絡み合いで、日々を送る。又、運を待つ。・・・人間と言う、生き物が支配し、人種。宗教の絡みもある。私は、後者のことには、関係しなかった。日本の東京、銀座で、生きて行く術を体験した。

 社用族と言う、大義名分を、チラつかせ、大盤振る舞いをする、と言う時代が。続いたその人たちを操って居た のが。ホステスと言う。仕事だ。学歴を必要としない。

 女と言う美貌と、自分の個性を生かし。言葉巧みに男を操る。そんな吹聴が、主婦達に悪い印象を与えた。世間では、職業として、主婦達には、認められなかった。時代だ。

 私は福島の山奥で、何十人との。触れ合い、しか、無かった。生まれた時からの知り合いばかりの中で、何のためらいも無く。生活してきた。・・・十八才の時、東京と言う。都会に出てきた。何万人と言う人たちが、ひしめき合っていた。どう生きて行くのか、想像を絶した。やはり、先輩と言う人が居た。からだ。先輩の生きざまを、目の当たりに、生きて行くしかない。様々な指導を仰いだ。そして、様々な人達と出会い。紹介され。自分の居場所を見つけた。やはり、金で始まり、女と男が絡み合い。欲望が満たされ。流される。又、欲望に邪魔される人も居た。幸い。私は。騙されることは無かった。何故なら、東京の、ボス敵な人と、出会った。其れが、運の就き。と言う。私を導かせる事に成った。

 そして私は。その人には、何のためらいも、無く。引かられた。一人では生きて行けない事が、分かって居たからだ。回り、友達を采配する。力が有る。私は見抜いた。でも、べたべた、するのは、嫌いだった。思わせぶりに、見えるからだ。先方も、それを見抜いてくれた。分かってくれた。そして、自分の培った、手腕、能力を発揮しようと、努力した。又。女と言う。武器を、フル活用した。そして。この女ならば。と言う。レッテルを頂いた。

 其の幾月は五年掛った。早く感じた。あっと。言う。間。だった。振り返れば。運を呼び寄せたのかもしれない。自分を褒めたい。其れからは。その人の女だと分かった。が。周りが認めてくれて。更に協力もしてくれた。導いてくれた。・・・初めての出会い。

 麗さん。美江さん。スティーブン・ジョン。お店の女の子。根津頭取。(周りの七人)が。次々と、私を、助けてくれる。やはり、運。でしょうか。

 いや。女だって。遣ればできる。女の出る幕は。まだまだ有る。筈だ。江戸時代も、女が支配していた。に。違いない。と、私は。思っている。やはり私は。母親の力だ。女だ。そして兄妹。家族だ。・・・欲望に走ったら、必ず仕返しが来る。

「欲望の名の元に、成功はない。欲望は自分を滅ぼす。」何故なら、自分だけのことしか、考えない。独り善がりが、欲望である。分かって居ても。遣る。何故だろう。・・・周りが見えなく成り、自分が滅びる事が、分かったからであろう。

 私は、根津頭取の。過去。渋沢一族の、「周りが良くならなければ、自分も良く成らない。金は皆で廻して使う。」この言葉を、しきりに伝えていた。根津頭取の、人柄が。私の運命を変えた。と言っても。過言ではない。私は。残りのお金と、遺産を、良い方向に。将来に使っていきたい。夢を叶えてあげたい。女性たちに。エールを送り。支援して行く。

「終わりよければ全てよし。」

 完

 プロヒール。

 鈴木 こういち(本名=鈴木幸一)無職

 昭和二十三年五月十二日。生 七十五才

 福島県相馬郡鹿島町立。鹿島中学校。卒業

 福島県南相馬市鹿島区寺内字中才36―一

 西河原第二団地 四号棟一0三号

 〇九〇―七〇〇一―五九四八


 あとがき

 人生。生きて行く事は難しい。まして資産を溜める。と言う。行為は、一般論から言わせれば。絶望。と言っても。過言ではない。その日暮らしで満足している、人達が、大半でしょう。まして、女性。・・・現在日本では。数名しかいない。

 しかし、(成せば成る。成さねば成らぬ。何事も。)

 山本順子。大学を目指して、勉強に励んだが。家庭の都合で断念した。友達とも、何となく遠ざけるように、故郷を出た。・・・隣のお姉さんを頼って、東京のど真ん中に住んだ。右左も分からない儘。過ごす日々が続く。自分がお姉さんを慕って、飛び込んだ手前。田舎には帰れない。想像もしなかった夜の仕事。(ホステス)流される儘。時間が過ぎていく。  

 ただ一つ、自分の城を持っている、麗華お姉さん。いき活きと、生きて居るお姉さん達に。魅力を感じていた。その日暮らしだが。自分の、培った能力。美貌。明るさを。最大源に、活かして、頑張るしかない。・・・流される儘。人込みの中に入って行った。様々な人と出会える。此れが都会だと感じた。私を、必要とする人に、必ず出会える、と。信じて居た。 

 美貌と、根性と思考力を兼ね備え、献身的な手腕を発揮し、世の社長達に、認められ、舞台に、載せられ。何気なくクリアした。

 頭角を表する時が、待って居た。山本順子は、素直に答えた。其れが、功と成し、順子を持ち上げてくれる。大物社長達が群がった。順子は都会に溶け込んだ。

 順子は、渋沢一族。と言う。流れを受け継いだ、根津晃。銀行頭取と言う。人に会った。人生の縮図を感じた。壮大な歴史を築いた人達。の。功績は計り知れないものが有った。

 私。一人の女を。此処までに支えてくれた。大物社長達。本音を知る由も、ない。儘。天国に召された事が。山本順子の、最後の心残りだ。


 最後に。女性たちにも。天下を取るチャンスは。必ず有る。と。信じてほしい。

 吉日   

 著者 鈴木こういち


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