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ダンジョン協奏曲  作者: 入栖
さぁ、ダンジョンを作って冒険者を呼び込むのじゃ! ちょっと待ってセラフィ、それはまだ先だ。
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DPの稼ぎ方

 セラフィを起こして1時間もせずに僕たちは今後の話し合いを始める。セラフィに色々と説明をしながらではあるが。

 

「さて基本的にダンジョンと言うものはある程度のテーマが決められていて、それに沿って作られることは話したよね?」


「ああ聞いたのう、コストを抑えるために必要なんじゃったな?」

「そう、どうしても多属性ダンジョンはコストがかかってしまう。初期だけでなく、定期的にもね。だから初めは一属性のダンジョンを作ろうかと思う」


 僕の言葉に横で聞いていたエディスは頷いた。


「それがよろしいでしょう」

「後々は多属性ダンジョンになるのだけどね。とりあえず今は洞窟のダンジョンを作るよ」


「ふむ。『ダンジョン』と言えば洞窟のイメージが強いのう」

 確かにこの世界においてダンジョンの一番多い形態は洞窟系下降型。数多あるダンジョンで一番深階層が多いと言われているダンジョン、『ツクヨミダンジョン』もこの形態だ。


「じゃぁとりあえず1階層作ろうかな」

 僕はリモートでダンジョンコアを操作し、ダンジョン作成メニューを開く。すると僕の隣にセラフィとエディスが寄って来た。僕は二人が見やすいように少し体を引いて指を動かす。


 さてダンジョンを作る、とは言ってもする事は単純である。ダンジョンコアには初期からある程度の事を自動で行う『メソッド』と言う機能が備わっており、僕はただソレを動かすだけでいい。


「ダンジョン作成メソッド呼び出し。松明設置をオンにして、松明距離は10メートルくらいかなと。あと此処を直して……必須事項はこんなものかな」


 そう言って僕はエディスが頷くのを見て実行ボタンを押す。そしてすぐにメニュー画面を呼び出し、ダンジョン全体図を表示させた。そこには僕たちの住居スペースと儀式場しか表示されていなかったが、ダンジョンコアの働きによって見る見るうちに通路と部屋がつくられていく。


「ダンジョン内装とオブジェはどうされます?」

 エディスは進行形で作られているダンジョンを見つめながらそう言う。

「うん、とりあえずはデフォルトの設定で良いかな。でも後々はガーゴイルかゴーレムを置きたいなと思っているから、それ用に変える予定だよ」


 ガーゴイルやゴーレムは維持費が余りかからない代わりに、初期コストが意外と高い。それに合わせたデザインに変更するのもお金がかかるし、時間もかかる。それよりもまず優先してしたい事があるため、今回はお預けだ。


「ダンジョンに設置するモンスターはどういたします? ダンジョンコアの召喚機能を使って召喚いたしますか?」


 ダンジョンコアにはDPを払うことでモンスターを召喚することが出来る機能が有る。それはダンジョンマスターの召喚と違い、回数制限は無い。だけどダンジョンマスターの召喚魔法に比べてモンスターの質が低いことがほとんどだ。まぁ、ダンジョンマスターの召喚魔法は、パートナー契約を結ぶことが出来るからダンジョンコアの召喚と同一視出来ないんだけど。


「モンスター? ああ、要らないよ」

「えっ?」

「ふむっ?」

 二人は驚いた顔で僕を見つめる。変なことを言っただろうか?


「だから、今はまだモンスターは要らないんだよ。だって弱いモンスターと弱い冒険者でちまちまDP稼いでいたってエディスを買うのは何百年かかるか分からないよ」


 たしかに普通にダンジョン経営をするなら、それはテンプレート化された常套手段だろう。だけどそれで稼げる程度のDPを得るんだったら、その工程を省いてしまって良いと僕は思っていた。


 まるで鳩が豆鉄砲を食ったようにその場で制止する二人。何言ってるんだコヤツはとでもいいそうなセラフィに、口を半開きにしたまま僕を見つめているエディス。このエディスを見るのは久々だ。


「え、えと。それではどうやってDPを集めると言うのですか? まさか自給自足でしょうか?」


 自給自足、多分それは以前僕が担当した冒険者ダンジョンの事を言っているのだろう。


「いや、違うよ。だってアレは維持が精いっぱいで、稼ぐだなんて夢のまた夢じゃないか。まぁアレでも稼ぐ方法は思い浮かんではいるんだけどね」

「はぁ、であればどうすると言うのじゃ?」


「簡単だよ。他のダンジョンから貰っちゃえばいいんだよ」


 そう、ないのならある所から貰ってしまえばいいんだよ。

  

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