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第1章 包丁の光
初投稿です
3歳の頃のリビングを覚えている
父と母が床でもつれて父の手には包丁が光っていた。
私は泣いていたのか叫んでいたのか、ただ見ていたのかはっきり覚えていない。
ただその場面だけが写真みたいに頭に残っている。
その頃兄は交通事故で死んだ。
私には、兄の記憶が無い。
あるのは写真と祖父母の話しだけ。
「茂坊は本当に優しい子だった」
祖父はお酒を呑むと何度もそう言った。
会った記憶の無い兄の優しさを祖父の声の中で想像した。
私が5歳位の時に両親は離婚した。その少し前に弟が産まれた。
ダウン症だった。
けれど私は祖父母に引き取られるまで弟の存在を知らなかった。
弟はいつの間にか家族のなかにいた。
終幕だけは、無断掲載 転載しないでください。大切な物なので。




