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戦争を語る仔  作者:
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20/80

20 疑問符 彼らの立ち位置

「クレッフェを動かすとなると、軍のかなりお偉い方が動いているに違いないしな。あるいは、カッセルが直接動いているかも知れない。俺達の直属の上司だったわけだし」

「カッセル参謀は生きているのか?」

「生きている。もっとも中央軍からは異動になったみたいだ。ザゼルの悲劇を引き起こして、中央連盟の戦時中の汚点を造ったんだから、軍としては当然彼を手もとに置いておきたくなかったんだろう」

 さも哀れっぽく言っておいて、秋比古は皮肉く鼻で笑って見せた。

「どこへとばされたかは知らないが、どこを飛んでいたって、天国にいる部隊の人間に撃ち落とされているさ」

「中央軍が動くわけがないよ。政府と一緒で、あれほどクレッフェの試験部隊を消したがっていたんだ。カッセル参謀が独断で動いてるに違いない。戦争中、彼はクレッフェの必要性をあれほど主張していたんだ。それを命令とは言え、戦争が終わったらああも簡単に手放すなんて、おかしかった」

「奴はクレッフェを使って、この国でクーデターでも起こそうって言うのか? それともまた戦争か?」

「分からない。リンが何か知っているかな。聞いてみよう」

「難しいお話ね」                    

 それまで聞き役にまわっていた桐珂が静かに言った。

 空夜と秋比古は、彼女が話したのを聞いて黙り込んだ。                                        


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