第五話 第二章「学校」
俺は、かる〜い朝食をとりながら新聞のテレビ欄だけ見ていた。
母はもう食事を済まして、テレビを見ている。
その隣に真がちょこんと座っているが、気づく様子はない。
(ほんとに見えないんだな・・・・)
すこしほっとした。
「あんたもう学校行く時間じゃない?」
現在午前8時5分。
家から学校まで20分はかかる。
余裕を持って入りたいので、朝食のトーストを諦めて家を出た。
「いってきま〜す」
ついでに真が肩に飛び乗る。重さは感じなかった。
だから歩き始めてから小声で聞いた
「どうして重さがないんだ?」
少し失礼だったか?
「うん。えーっとね、この状態が憑くってこと。」
「もっと詳しく言ってくれ」
「だから、守護霊は人間には触れないけど、物には触れるの。でもこうして主の肩に乗る・・つまり憑くと物にも触れなくなるの。」
「ふーん。」
とか言ってるうちに学校に着いた。
校門から俺の教室に行く途中に秋元に会った。
「よぉ、金城じゃん。なぁ聞いてくれよ。」
「ああ教室に入ってからな。」
そういえばこいつ昨日行方不明になったな。
教室に入るなり自分の席に向けて思いっきりかばんを投げる秋元。
しかし失敗。床に落ちた。
とりあえずそのかばんを蹴っ飛ばして俺は窓際の自分の席に着いた。
「人のかばん蹴ってんじゃねぇ!」
まぁ。いつものことだ。
「そんなことより聞いてくれよ。俺昨日さ、お前と会ったろ?その後気づいたら隣町の
プールに居たんだぜ?不思議だろ今冬なのに。」
「ご愁傷様。」
とだけ言って窓の下の棚に腰掛けていた真を見た。
「あのね。その人は悪夢に悪戯されただけだから大丈夫。」
と真が説明してくれた。
今思うと間抜けな話だった。
「ほら予鈴が鳴るぞ」
秋元を追い返し、HRが始まる。
退屈に時間が過ぎていく・・・
今日は真を見てるだけで暇をつぶしていた。
三時限目が終わり次は数学。陰湿な男教師の授業だ。正直だるい。
すると教室がざわめく
「次の数学、テストだってよ・・・」
「おいおい、前回の終わりにいってただろ。ワークから問題出るらしいぜ」
「まじかよ・・・やっときゃ良かった・・・」
俺には関係なかった。テストなんかどうでもいい。
それでも赤点を取らないことにすこし誇りに思ってた。
が・・・
「ねえ金城君。ワーク貸してくれる?」
女の子の声。声の主は同じクラスの桜井優希だった。
秋元曰くかわいいが他の女子から守られていて手を出せない人物だと言うことだ。
まぁどうでも良いが・・・
「いいけど、何で俺?」
「い、いや・・迷惑だった?他の人みんな勉強に使ってるから・・・」
俺が使ってないからだそうだ。
「ほれ」
「ありがとう。次の時間まで借りるね。」
「問題といてもいいぞ」
白紙だから。
彼女は微笑んで自分の席に戻った。
それから数学教師の榎本が来た。
そしてテストが始まった。
・
・
・
・
・
?
わかんねぇ。
最後の文章題なんか読む気もおきねぇ。
諦めて窓の外でも眺めていようと思った時見つけた。
真を。
真は誰にも見られない。
カンニング。
俺は机に真へのメッセ―ジを書いた
『たのむ、前のやつの答案を見てきてくれ』
真は顔をしかめた。
「ダメ。」
ケチ。と思ったが、真に頼むしかない。
『なんか食わせてやるから』
守護霊に飲食がいるのかどうかも知らなかったが、とりあえずそう書いた。
「う〜ん、じゃ今日だけ特別ね。」
と言って前のやつの机に回りこんだ。
扱いやすいのかそうじゃないのか・・・
「そこはね・・・」
真の言う答えを書き写していると榎本と目が合った。
にやり。と笑った気がする。
キモい。
「ほうほう・・・」
榎本が近づいてくる。
俺はとっさに真へのメッセージを消した。
「カンニングはいけませんなぁ」
「なに?」
「前の人の回答を見たらいけませんよ?」
「見てねぇ」
ばれてたのか?こいつに守護霊が見えるのか?
「後で職員室に来なさい。もうテストは終わりだ前に回せ」
イライラした。何でこんなやつに・・・。
授業が終わり、教室を出て行こうとする。が桜井に止められた。
「あの・・いかなくてもいいんじゃない?」
「え?お前もあいつが来いっていったの聞いたろ」
「でも金城君はカンニングしてないよね?」
そう聞かれるとなんともいえない。
実際していたから。
「ああ、おれはな」
といってごまかした。
「何をしているのだ。早く来い」
榎本にせかされ俺は教室と桜井を後にした。




