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慣用句
私は慣用句が苦手だ。
言葉をそのまま受け入れてしまうことが多い。
二階から目薬。
へそで茶を沸かす。
清水の舞台から飛び降りる。
どれも実際にやろうとして、未遂では終わったものの、あわや大惨事だ。
いつから私はこんな人間なのだろうか。
母が亡くなったとき、遺品整理をしていたところ、私の幼稚園の頃の育児日記を見つけた。
そこには、ジャングルジムで遊んだ時の様子が描かれていた。
友達数人と誰が一番早く登れるかの競争。
私も勢いよく登ったらしい。
しかし、登ったはよいものの、怖くて降りられなくなってしまった。
どう降りてよいかわからない私に、「頭を使って降りなさい」の指示。
そして、頭をジャングルジムにぶつけ、「降りられない」と泣き叫ぶ私。
たんこぶを作ってしまった幼稚園教諭の謝罪が書かれていた。
きっと、私の奇怪な行動はこのときすでに始まっていたのだろう。
そして、これが原因かどうかは分からないが、数十年経った今でも、高所恐怖症である。




