#90「アイスクリームからグッズ制作へのスライド」
(2026/03/26)
あいぱくへ行きたい。
あいぱくとは、京都のみやこめっせで開催されているアイスクリーム万博のことだ。
国内最大規模らしく、ラインナップを見た瞬間、そこはもうアイスクリームの楽園だった。
行きたい。めちゃくちゃ行きたい。
友人とは昼食だけ共にして早々に別れた。
チキン南蛮も油淋鶏も美味しかった。満足。だが時間はある。
こういう時に限って、時間はある。
あいぱくの存在を教えてきた妹に連絡する。
「行きたいよね〜」とリンクを送りつけてきた張本人だ。何かしら反応はあるだろう。
思ったより早く返信が来た。
「行きたいけど〜DIET〜」
なるほど。
今回の妹のダイエットは本気らしい。
正直、祭りごとを我慢して何がダイエットだと思ってしまう。
でもそれが、万年ワガママボディの思考なのだろう。
少し反省する。
最近は自分も食事をセーブできている。
浮かれていたのも事実だ。
ここで気を緩めたら元に戻る。
兜の緒を締めろ、私。
……とはいえ。
あいぱくに行きたい気持ちはあるけど、それ以上にやりたいことがあった。
妹とその友人。
彼女たちは一次創作のイラストや漫画をやっている。
つまり、先人。
同人グッズ制作について聞きたいことが山ほどある。
食べるための時間じゃなく、話すための時間を取りたい。
そう思って、喫茶店での相談を提案した。
ありがたいことに、好意的な返事が返ってきた。
夕方の用事が終わったら会ってくれるらしい。
行き先は、京都。
5月の文学フリマ東京42には間に合わないかもしれない。
でも、9月の文学フリマ大阪14にはグッズを出したい。
まだ一度も出店していないのに、その先を見据えて動いている。
でも、それくらいでちょうどいい。
やることがあると、人はちゃんと前を向ける。
作品をより良く届けるために。
小説だけじゃなく、その周辺でも楽しんでもらうために。
できることは全部やりたい。
そんなことを考えながら、電車に揺られている。
頭の中に浮かぶ相談内容を、ポワンポワンとメモに書き出す。
座れるからと選んだ各駅停車が、少しもどかしい。
でも、早く着いても相手はまだ来ない。
結局、どっちにしろもどかしい。
早く形にしたい。
そんな焦りと期待を抱えたまま、阪急電車に揺られる。
西日が眩しい。
朝、衣替えして正解だった。
もう、ちゃんと春だ。




