#74 「好きな曜日は土曜日です」
(2026/03/14)
土曜日。
毎週彼がやってきてくれる日。
1週間で一番好きな曜日。
先週は私が「ロー」の期間で、まともに会話すら出来なかったけど、今回は違う。
なんだか昨日の夜から、ちょっと元気になってきている気がするのだ。
珍しく夜勤だという彼は、仕事終わりその足で向かってくるそうなので、朝からリクエストのシチューを準備して待っていた。
シチューを煮込み、
シチューにご飯派な彼のために米を炊き、
その間にハマっているWikipediaガチャを回す。
途中で作業している私に気づいた小鳥も叫ぶ。
ギャギャギャギャという声に構いつつ料理をする。
シチューのルーを入れ、牛乳を入れて煮込み始めると、一気に匂いが広がる。
あぁ、彼の好きなキノコも入れるんだった。
少し後悔するが、どうせまた後でたんまり食べるのだ。
後ほど買い足そうと頭の中にメモする。
なんせ今日は、良い朝のスタートが切れた。
ちなみに今日は、もう一つイベントがある。
入稿していた1冊目の本が届く日なのだ。
ワクワクとドキドキが重なり合っていて、
「ロー」から抜け出せているからなのか、喜びがひとしおだ。
彼がやってきて、もりもりとシチューを2杯平らげ、
パン屋で買ってきたベーコンエピなどの惣菜パンを2つ食べて、
そのまま眠りに入った。
疲れている時は食に限るよね。
ワンパクでよろしい。
少し会話したあと、限界が来たのか横になって眠り始めた。
寝息を横に、録画していたテレビを見ていたら――
本が、届いた。
ワクワクしながら受け取りの判を押し、雑に開封する。
開封してから、動画でも撮ったら良かったかと後悔する。
なんせ初めての自分の本だ。
同人誌とはいえ、初めては一度しかない。
勿体ないことをしたかもしれない。
思っていたよりも、ちゃんと本なそれは、
一度で摂取するにはちょっと眩しすぎた。
1冊だけ取り出して、すぐにダンボールを閉じる。
初めての同人誌だというのに刷りすぎた。
重い。リアルに重い。
でも、満足感が凄い。
彼を起こさないように、一人で小躍りする。
取り出した1冊をエコバッグに入れ、
財布を入れ、昼ごはんの買い出しついでに持ち歩く。
実物があるのだ。
ここに。
嬉しすぎる。
多分このあと買い出しに出かける私は、不審者になるだろう。
本を取り出し、スマホで至る所で撮影するのだから。
不審者でいい。
不審者くらいが丁度いいのだ。
ふふふふふふ。
と、笑みがこぼれる。
いい土曜日が始まった。




