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身体を売って生活していた私が、デスゲームの参加者に選ばれていじめっ子と手を組む  作者: トムとゼリー


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11話 ストゼロブレイク (挿絵あり)

挿絵(By みてみん)

ポノコが机の上にストゼロの缶を30本ほど並べる、無人のコンビニからかっぱらってきたものだ。


全てダブルレモン。


5本ほどピックアップし、栓を開けてストローを突っ込む。

手は使わない、顎のみ机に近づけて咥える。


そして、思いっきり吸い込む!


挿絵(By みてみん)


朝が来る。

ポノコは酔い潰れて気がついたら寝てしまっていた。

ちなみに30本は全て飲み干した。


ポノコの睡眠は浅かった。

渇いた喉を潤わせるべく、かっぱらってきたナナチキ、さけるチーズ、昆布おにぎり、とにかく頬張る。

ポットのお湯が60℃になると、カップヌードルの醤油の蓋を即座に全て開け、ぬるま湯を投入。

そして具からバリバリ食べ尽くし、醤油スープを飲み干す。


スナック感覚で具や麺を楽しめるし、冷ます必要もなく一気食いができて、スープもちょうどよく火傷せずに飲み干せる。究極のタイパ食い。


最後に冷蔵庫に冷やしておいた2Lのペットボトル麦茶をラッパ飲みしたのち、再び寝た。


次に目を覚ますと、14時を過ぎていた。

外は快晴、空の青い光に照らされた山の緑が眩しい。

周囲に参加者の気配はなし。

クシアの方を振り向くと傷は完治しているものの、体を無理させすぎたのか眠ったままだった。


まだちょっと頭がふらつく。


ポノコは食料調達のために麓へ降りていった。


高尾の町には誰もいなかった。八王子のように荒らされていたわけではないが、人は皆避難したようだ。


コンビニでストゼロとコーラとポテチと焼き鳥をネコババし、ストゼロを飲みながら町を徘徊する。

昼下がりの日に暖かく照らされなんとなく駅に入った。

駅の中はブレーカーが落ちており、改札は簡単に通れた。

おそらく電車も来ないため、線路に降りて寝そべった。

砂利でチクチクするが、太陽に温められたコンクリの感触が気持ちよかった。

スト缶をギリギリまで傾けてストローを口に届かせ、吸い込みながら青空を眺める。


挿絵(By みてみん)


ポノコはどうすればいいかわからなかった。

なんならクシアを殺してタイムリミットまでの3ヶ月間、この町で隠居して余生をすごすのもいいのではないかと思い始める。


このデスゲームに最後の1人まで生き残ると願いが叶うらしい。

ポノコはどうしてクシアの首謀者を倒すという提案に乗ったのか、正当防衛以外で人を襲う気が起きなかったのもそうだが、ポノコにはとかに叶えたい願いなどなかった。


なんなら自分をいじめたクシアに死んで欲しいのが1番の願いだった。


ポノコはこれまでたくさんの男から法外な値段の金を貢がれて生きてきた。たくさん贅沢な使い方をした。稼いだ額に比べれば貯金はほとんどない。もちろん脱税している。


ポノコは金にこだわっていたが、それはお金に価値を見出していたからではない。

例えるならお金はエアガンに込めるBB弾くらいの感覚だ。

BB弾があれば遊べる、撃てば無くなる。

ポノコはその時自分が1番楽になれる方法をただ探していただけ。


ポノコは自分の体を弄ぶ男のことは心底見下しているし、他人がいることで自分が苦しむのなら消えて欲しいと考えている。だが自分に無関係な人間の命まで狙いたいとは思ってもいなかった。


ポノコは人間を捨てきれていない。


自分で稼ぐ方法があるのに、いじめられているのに通信制高校に通っていたのもそうだ。卒業したからといってポノコの人生何があるわけでもないが、ちゃんと学校を出れば何かあるもしれない。そんな淡い希望がなんとなく手放せなかったのだ。


これまでの人生のことを考えて疲れたポノコは、デスゲームのことに思考を戻す。

考え直してもクシアに命を救われたという事実は消えない。

クシアの観察力、コピー能力を使いこなすセンスがなければポノコはこれまで出会った誰かに殺されていただろう。


やっぱり、クシアを殺す気にはなれなかった。


手の甲に印字されたオカピのマークを眺めると、缶に刺したストローをポイ捨てし残った酒を飲み干し、コテージへ帰った。


玄関を開けると、クシアはバスタオル1枚で廊下を歩いていた。

「きゃっ!!」

クシアはタオルの切れ目を掴む。

ポノコのやつれた顔を見ると。

「あ、別に恥ずかしくないんだった。」

「・・・」


挿絵(By みてみん)


「ねえポノちゃん、着替えとかない…よな?汗を流そうと思ってシャワー浴びたんだけど、出た時に着替えがないことに気づいて…」

「・・・」

ポノコは折りたたみエコバッグといくつかの着替えをクシアの足元に落とすように投げた。

クシアは畳まれた衣服をいくつか広げると目を輝かせた。

「え、なにこれかわいい…これポノちゃんが選んでくれ…」

「わ!!!」

「ぎゃっ!!」

ポノコは突然大声を出す。

「き、急に何!?」

「わー!!わー!!おぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

「どうしたの!?てかポノちゃん顔真っ赤じゃねえか!!」

「ポノちゃんとはなんだぁぁぁ!!??」

「え?」

「ずっと気になってた!!ポノちゃんとはなんぞじゃぁいああ!」

「あ、しまった。あの、えと、陸藻。」

「ポノちゃんとは…」

ポノコはバスタオルの繋ぎ目を全力で掴んでクシアを持ち上げる。

「なんなんじゃぁぁぁぁ!!!」

「ずっと頭の中でそう呼んでたんだ!!」

「は?」

「私、口ではずっと陸藻って呼んでたけど、頭の中ではポノちゃんって呼んでた。」

「なんで?」

「・・・何度も言わせないでよ。」

「私をいじめてたこと。」

「?」

「私を!!いじめてたことについて!!謝る気は無いのか!!!」


「ポノちゃん、酔いすぎだよ…」

「うがぁぁぁぁぁぁ!!!」

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