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大賢者様はなにもしらない  作者: レフ・エルザ
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生き物は大切に。

召喚魔法を選んだ理由はやはり頼りになる相棒が必要だと思うからだ。

ぼっちであることは一人暮らしで耐性はついているので・・・


けしてさみしいからとかばかりじゃないんだからねっ!


召喚魔法しようをタップすると、空中にずらっと召喚リストが出てくる。

廃人プレイしていたのでやたらとキャラレベルが高いおかげで、様々な召喚獣が解放されていた。


さて、何を選ぼうか。

さきほどは若干のさみしさから猫でも飼えばよかったって思ったけど。

俺、犬派なんだよな。

昔飼っていた柴犬もどきにはかなりなめられた態度とられていたけど、それでもかわいかったんだよね。

散歩もまめにつれていってやったし、内緒でおやつとかもあげていたしなぁ。

やっぱり人類最古のお友達的なポジションの犬系な召喚獣は欠かせないよな。

召喚獣だから、なおのこと主人に従順だろうしな。


ここは召喚獣のなかで比較的レベルが高く、メジャーな犬系モンスターな「フェンリル」を呼び出したい。


白くてかっこいい巨大な狼さん。

横に並んだらかっこいいよね!


よし、フェンリル!君に決めた!

スマフォのフェンリルの部分をダブルタップして、なんとなく掲げる。

掲げる必要があるかどうか疑問だが、なんとなく召喚っぽいってことで。


床に光り輝く魔方陣が現れて、白い煙が吹き出す。

そして狼っぽいシルエット・・・にしては小さい。

気のせいかなっと思ったが、やはり小さい。

白い煙が晴れた後には、小さい小型犬サイズの白いもこもことしたわんこが尻尾を振って座っていた。

せめて、ハスキー的なかっこよさがあればまだよかったが、見た目はどう見てもマルチーズのような、プードルのような、そんなキラキラな黒いボタンのような瞳に、笑っているかのようなかわいい口元。


「これがフェンリル・・・?」


声をかけられたかと思ったのか、より一層尻尾を振っている。

間違って召喚したかと思い、掲げて下げ損なっていた手を下げてスマフォを確認するが、そこには・・・


【魔獣フェンリルの召喚に成功しました。名前の入力をしてください】


としっかりと表示されている。

俺の中でのかっこいいフェンリル像がガタガタと音を立てて崩れていく。

スマフォ画面でのフェンリルの姿が白いかっこいい狼が表示されているだけに無性に腹が立つ。

映像詐欺じゃねぇかよ。


「なんか、さっきの神と名のるじいさまと言い、腹が立ってきたぞ。お前みたいなちんちくりんのしろいもふもふの名前なんか・・・これにしてやるっ!」


【豆狸ぽんた】でよろしいですか? 

→YES

 NO


YESにダブルタップして決定した。

すると、フェンリルがさらにちぎれんばかりに尻尾を振り始めた。


「オラさ、豆狸ぽんただぁ~。よろしくお願いしますだ~ご主人様」


といって、俺の足下をぐるぐると回り始めた。

その動きは小型犬以外の何物でも無い。


こうして、俺はフェンリルこと、しゃべるわんこ【豆狸ぽんた】と契約をした。

なぜこうなったんだ・・・


「ご主人様は、なぜしょげっているだぁ~?オラさ、自分で言うのもなんだけどぉ、一族の中で体は一番体はこぉんまいけんどよぉ。フェンリル一族の中の一番優秀だぁ~。大船に乗った気さぁでいておくれぇ」


ぽんたは鼻を天井に向けて、誇らしげに胸を張った。


「で、優秀なフェンリルというのは何ができるんだ?」

「オラさ、一族の中で一番賢いから、氷属性、火属性などいろんな魔法が使えるだぁ~。こぉんまい分、力こそないけんど、すばしっこさなら、誰にも負ける気がしないだぁ」


ちょっと変則的なフェンリルのようだが、素早さ重視の魔法が使える万能型なのかもしれない。


「そうか、期待していいんだな。よろしくな、ぽんた」


そういうと、ぽんたはうれしそうに、わんと吠えた。

ああ、もう、強制的に納得したけれど、やっぱりかわいい犬にしか見えない。

だいじょうぶかな、これ?

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