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最終章 その二 交わる運命のマッドネス

僕の中の僕がこちらを見つめていた。

手をふると奴は目を逸らした。

__________



「____学校に行こう」

桜木さんの兄貴がいたところ、あそこで暮らしてるらしいしさ。

たしかに、結構暮らすにはいいとこかもしれない

だっていろいろなものがあるし、広い。

管理大変そうだけど、保健室や寮があるのはデカい利だ。


僕等には帰る場所がない。

……あれ?と気づく。

家族も死んでで帰る必要がないのは僕等の一部で

帰る場所あるんじゃ?

と皆に聞くと。



「……兄も妹もいないし、親は精神崩壊してるだろうしなあ」

トキヤが短く返して車を走らせる。

燃料はこの前補充したらしく、しばらく尽きることはないだろう。


大人の精神崩壊は脳手術が原因だっけ?記憶を消す。

じゃあ受けてない人がいたらもしかして狂ってない人がいる?


ブロブロと

結構な速度で車は走り

景色は流れ


考えながら

僕は休憩に寝て


十分した


ギャギャギャギャギャギャ!

という、車の急停車音で叩き起こされた。

「何!?何スか!?」

来栖の新しいマフラーを編んでた春雪が焦ってる。


「おい、おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい!」

桜木さんが焦っていた。

非常にとても、焦りに焦っていた。


僕は、しっかり鉄パイプを握りしめる

危険が迫っているなら戦わないと。


「あいつなんだよ!?アイツ、?」

桜木さんが焦ってる。


僕は車から飛び出した

そして周りを見渡す多くの店が軒を連ねているがさびれてる

活気なんてありゃしない。


僕と一緒に飛び出したのは二人。

来栖とキョウヤ、まあいつもの戦闘メンバー。


今はそうとうピンチなようだった。

いつか見た太った男。

デブ、八代天が空にうかんで僕等を見下ろしている。

その隣に女の人が浮かんでいる。

騎士のような風貌、凛々しい。


「久しぶりだねえ」

八代は下卑た笑みで見下してきやがりうざい。

僕は睨み返す。


その冷たいやり取りをして、八代はとなりの騎士女と接吻をした。

「なにしてんだよ……?」キョウヤのつぶやき。

たしかにあれなに?見せつけてるんだろうか?


「ははは、俺の力で作ったんだよこいつ」

「どういうことだ!?」来栖が、聞く。

八代は、にやにや笑って「はあ、これ以上言うかよ」と返してくる。


車の中の桜木さんが、話に入ってきた。

「……だれかの死体、か?」

「なぜ!?それを!?」

あ、八代がうっかり漏らした。

「だって、物を動かす力は見たことあるしなんとなくそれかな―――って」


ああ、つまりあれはサイコキネシスで死体を

いかにも生きた人のように動かしてるのか。

で、騎士みたいなコスプレさせてる。

人のこと僕はいえないけど変態だこいつ。


____それやりながら空中浮遊空中浮遊(レビテーション)?無理だな僕には___


「逃げてトキヤ!」

思った瞬間叫んでいた。

やっぱこいつはヤバい。


この前も逃げたわけだし。


八代は、逃げていく車を一瞥して

「ま、べつにいいけど」

と呟いた。

気だるげでやる気なさそう。


僕等はそれぞれ武器を構える

鉄パイプ、クロスボウ、来栖だけ素手。


見上げながらだと首が疲れる。


八代が、またあの剣をだした、それを指揮棒のようにふり

騎士を僕等に突進させてくる。


「うおっ!」

僕に来た。

剣を鉄パイプて防ぐ、ギャリギャリと目の前で剣が鉄パイプを滑っていく。

今、今だっ、腕を思いっきり振りぬき剣を弾くと

騎士の体もその勢いで変に捻じれる。


「ら!」叫んでドロップキック。

騎士はよろけ少し後ずさるが、全くといっていいほど

ダメージを受けていない。


「あたりまえだよ、死んでんだから」

八代の声の中に小さく別の声が聞こえた

ごめんという声。


騎士の腕に矢が突き刺さる、キョウヤか。

来栖が騎士に飛びかかり、羽交い絞めにしてそこから関節技にもっていこうとするが。


騎士の関節は来栖の攻撃をうけずともゴキゴキありえない方向に曲がり

来栖に反撃をした。

ありえない速度で殴る

身長180越えがたい良しの来栖が吹き飛ぶほど。


こいつ、相当マズイ、操ってる八代本人を倒すしかないか?

でも空中に浮いてるし。

キョウヤのクロスボウが届かないとこにいやがる。

じゃあ、逃げるか?

逃げてもいいが……

八代を見る、だいぶなぜか怒ってる

たぶん執念深く追いかけてくる。


八代は怒鳴った

「俺の女に何してんだよオ!」

たしかに来栖を殴った騎士の関節はイカレ、殴った反動で

……右手がなくなっている。

そうだ、あれ綺麗すぎて忘れてたけど死体だ

もろくなってておかしくない。

そうか、それが怒った原因か。


その時僕の中で何かがわきだしそうになった。

それは僕だった。

____殺したい__

辞めろ……!こんな時に……

____ああ、楽しいなあこういうのは___

____来栖とキョウヤを殺そう、気持ちいいぞ?____

僕、今そういう場合じゃないんだよ!


しぼみゆくその僕に僕が苦しみながらも戦いは進行していた

来栖とキョウヤが騎士の剣をどうにか躱しながら攻めあぐねていた

死体を傷つける罪悪感が見て取れる。


「うぎぎぎぎぎぎっぎ」

僕は超能力を使うことにした。

頭の中で痛みと快感と自殺願望と憎しみが渦巻く中集中。

一本の線をつくり

今。


僕の手から鉄パイプは発射され騎士の左腕にぶち辺り、もいだ。

まだ、まだだ。

騎士に向かって走り、殴る。

地に落ちた鉄パイプを取る。

「ウラア!」

足を殴った。

とにかく騎士が動けなくなるまで殴った。

途中からキョウヤと来栖は攻撃をやめていて、それで僕はやり過ぎていたと気づいた。


目の前で騎士はミンチと化していたのだ。

まただ、まあいい。

それより今は。


八代をにらむ。

空からこちらをにらみ返してくる。


中指を八代に立てた

向こうは逆サムズアップで反撃してくる。


「リョウトッ」

キョウヤの危険を知らせる声。

反応はできた

しかし、危険回避ができなかった。


目の前に急に八代が現れて腹に拳が入れられる。

「う・・・・・・がっ!」

こいつを殴ろうとしたが、姿が消え

後ろから後頭部に殴打される。


_____転移(テレポーテーション)___


ふらふらと足元がふらつく、遠くでキョウヤの声、来栖の声がする

目の前がちかちかと暗転を繰り返し

必死で倒れないよう頑張っていたら、背中を後ろから蹴られ、転倒させられた。


バチバチと電撃の音がして。

「あガッ!」

二人の苦痛からくる嫌な悲鳴

キョウヤと来栖。


「じゃあ、君の彼女は僕のものだから」

生ぬるい液体が僕の頭にかかる。

唾だった。


体を起こしながら、戦況確認。

来栖とキョウヤが傷だらけで、気絶してた。

そして、八代が来栖を抱えてどこかに連れて行こうとしてる。


「ざ、け、んなあ」もうほぼ無い体力を振り絞って八代に攻撃しようと

走る。

足がもつれて転げそうになる。

たぶん挫いた、骨折したかもしれない

でも走る。


その人は。

その人は連れて行かせない。


僕はその人が___

八代が僕に剣をむけている

知ったことか。


八代は何かをふと思いついたようにまぬけな面になる。

そして剣を「消した」超能力で出しているものだから

そういうこともできるんだろう。


そして、僕に手のひらをむけて。

直後、僕の体は見えない力で吹き飛ばされた。


そして、見えない力で壁に叩きつけられる。

まずい、このままだと、意識が

と歯を食いしばって気を保っていたが

また見えない力で壁に頭を打ち付けられて



僕の視界がぐちゃぐちゃになってモノクロになって

___だめだ、まだだめだ!____

力が抜けていき。

世界と接続が切れたように黒く染まっていった。




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