#14 地下鉄道再び
「す、砂嵐!?」
「ああ、これは……地下鉄道だねえ!」
吹き荒んできた砂嵐が、私たちの視界を奪うと共に。
戦いは中断され、その場にいる全ての人たちが悟っているわ。
これは、"奴ら"が来たって。
「すごーい! 楽しそー♪」
約一名を除いて。
「まったく、相変わらずね火南香乃音……でもいいわ。魔砲鉄道大戦――地下鉄道が接続しているか分からないけれど。そこから、暴いてあげるわ!」
私はダメ元で、奴らの尻尾を掴もうとしたわ。
……まあでも、無理でしょ。
奴らがそんな、自分の尻尾を出しているなんてことある訳が……
「……あったわ!」
私は驚いた。
何と、ダメ元で呼び出してみた地下鉄道のステータス表示がなされていたの。
まさか奴らも、魔砲鉄道大戦に接続していたなんて……
名前:????
年齢:??
グレード:?
ジョブ:??
スキル:砂弾発射
クリティカルスキル:砂嵐紊乱者
装備
??
??
名前:????
年齢:??
グレード:?
ジョブ:??
スキル:暗黒弾発射
クリティカルスキル:黒影魔忍
装備
??
??
……とはいえ。
「奴らは二人……だけど。こんなことってあるかしら? スキルとクリティカルスキルのところ以外隠されているだなんて!」
そこは中途半端に、秘密主義なのね……
更に。
「スキル、暗黒弾発射!」
「くっ!? これは……」
そんな逆巻く砂嵐の中、またもスナイプダム学園も上星学園もお構いなしに。
暗黒エネルギー弾が、全方位に放たれていくわ!
「影の能力……前に遭遇したシャドウね!?」
前と同じ奴もここにとは、執念深いわ!
◆◇
「さあシャドウ……分かってる? 私がやってあげてんのよ、ちゃんと仇取りなさいよ?」
「はいはい……愛しのサンド様!」
そう、この時の私の推測通り。
あの時のシャドウと、サンドなる新しい刺客も地下鉄道から送り込まれたみたいよ!
……あ、ちなみに。
地下鉄道の人たちは、お互いをクリティカルスキルにちなんだ名前で呼ぶみたい!
指名手配されてるのもその名前でだし。
まあ奴らのステータス表示、クリティカルスキルやスキル以外伏せられてる理由ってのはそこにあるのかもね!
「ん? ……これは、雨!?」
「あらあら……これはこれは。どうやら私の砂嵐を沈めようとして悪あがきしてるみたいね!」
「……ほう。だけど、舐めない方がいい!」
だけど、その時雨が降り。
シャドウとサンドは少し動揺しつつも、すぐに冷静になったわ。
何、その余裕は?
◆◇
「Critical skill、雹群降雨弾!」
「Critical skill、虹霓弩弓!」
スナイプダム学園の多連装火箭使い・光線砲使いが自車の発射装置からのミサイル群と光線砲からの光線を放っているわ。
ご丁寧に弾幕は、味方を――いやまあ正確にはさっきまで敵だった私たちをも――誤射しないよう虚空に打ち上げられ。
放たれたミサイル群は、雹を精製し。
更に光線砲から放たれたのは虹色の光線で、それは光線が含むプリズムの用を為している水気が露を結び。
雨となって、降り注いでいく!
「お、こりゃ雨かい! アメリカさんはこんな能力の魔砲少女を抱えてんのか。」
利澤先輩、はい驚きです!
私たちも自車を止めて防御の魔砲陣形を組んでいるけれど。
砂嵐が、どうやら少しは収まっていくようだわ。
まあ砂嵐って、荒野や砂漠の乾燥によって起こる部分も多いし。
ここは悔しいけれど、アメリカさんの得意分野のようだわ!
まったくシャドウさんとサンドさん、何をそんなに自信満々なのかしら。
これで砂嵐が晴れたら、今昼間で真価を発揮できないシャドウさんは完全に真っ裸になるってのに!
……と、思ったら。
「ん!? こ、これは……ま、まだ砂嵐が!?」
「は、はい利澤先輩! これって……」
う、嘘でしょ!?
砂嵐が一時的に萎えたのかと思ったら、また激しさを増して来た!
◆◇
「どうかしら、私の砂嵐紊乱者は! そんな焼石に水みたいな雨降らすだけじゃ、これは収まらないわよ!」
「ああ、ありがとうサンド!」
なるほど、この程度じゃ無理ってこと。
それがあなたの自信のもとだったのね!
◆◇
「クリティカルスキル、黒影魔忍!」
「ぐう! て、敵攻撃!」
くっ、これは!?
そうこうするうち、私たちはシャドウから攻撃を受けたわ!
「なるほど……前にあたしらが負かしてやったのを逆恨みして、ご丁寧にもこんな所までご遠征とはね!」
ええ、利澤先輩その通りですね!
「さあ上星学園街の連中……たっぷりとお礼させてもらうよ!」
砂嵐の中を、暗黒エネルギーで覆った自車で駆けながら。
シャドウの奴、意気揚々とそんなことを宣っているわ!




