表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貴方の瞳に映りたい  作者: 蒼華
本編
16/63

閑話 ある子爵令息の正義


王家主催の夜会の日。


俺の女神が哀しんでいた。


ルビーレッドの瞳に涙を浮かべて「哀しいわ」と呟いている。

そして体を震わせ、手にしていたハンカチに涙が吸われていく。

涙で濡れた瞳が綺麗で、哀しんでいる姿に胸が苦しくなった。



女神はある子爵令嬢のせいで哀しんでいた。


その子爵令嬢の行動が貴族令嬢として恥ずべきことだったと。

同じ子爵令嬢として恥ずかしいと嘆いていた。



その子爵令嬢は今まで社交界では見たことがなかった。

兄らしき男の後ろに隠れてオドオドとして、笑顔も固い。

まったく魅力の欠片もない女だった。

他の貴族達は、兄の方の知り合いなのか女にも挨拶をしに取り囲んでいた。


俺は興味もなかったから、挨拶もせずにすぐに女神のところへ行った。


俺の女神は今日もとても可愛くて美しかった。

水色の髪の毛が緩やかに編み込まれ、後れ毛が少し色っぽかった。

唇も艶めき、許可があればキスしてしまうくらい魅力的だった。

瞳もいつも潤んで、俺を見つめる瞳が好きだと訴えていた。


ただ、俺の女神は父親から反対されているらしく、俺には気持ちを告げられないと言う。

そんな女神が可哀想で、俺に出来ることなら何でもしてあげたくなる。


女神の周りには勘違いしている男達が山ほど居たけれど、愛されているのは俺だけだ。

ただ可哀想だから、女神の近くに居ることくらいは許してやってる。

女神の愛をもらっている心の広い俺は、愛されていない男達が(はべ)るのを見逃してやっているんだ。



そんな俺の女神が、同じ子爵令嬢だなんて恥ずかしいと嘆いていた。

俺の女神を悩ませるなんて、その子爵令嬢は悪女でしかない。

同じく話を聞いていた男達も同じ意見だったのか、顔を見合わせると頷き合った。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ