司令官の過去
黄泉の謎の行為を聞いて黄泉が変わった気がした。初めて会った時は「Oh!it cool !」て感じの近寄り難い女子だった。
「あなた方のおかげですよ。主殿が変わったのは。」
久しぶりの登場ながら安心感がある声の主、桜花が横にいた。
「僕達ですか?」
僕は思ったことをそのまま口に出した。
「はい、主殿は我々の軍の総司令、あ、この総司令は全ての兵士の上司ですね、その総司令の一人娘が黄泉です。その為、あなた方に出会う前は結構お偉いさんの大人としか会った事はなく同年代との関わりが無くて軍隊エリート的教育をされたため、感情を圧し殺して我慢していたんです。」
「あんなんにそんな過去があったとはな。」
新事実、黄泉が悪魔軍総司令官さまの娘とは知らなかったしどーでもいいのだが
そうか、そんな教育されて来たから自由な今は反動によってあんなざまに…‥
やっぱり悪魔っていうのは怖いな。
桜花は言いたい事だけ言って主殿に説教をしてきます。と言い残し黄泉のいる放送室に向かっていった。
それにしても、黄泉って何歳だろうか。桜花さんに聞いてみればよかったな。
行く当てもなく、とりあえず黄泉に先程について詳しい話を聞きに行く事にした。
本日2回目の医務室にて
「で、でも!」
医務室に入る前から黄泉らしき大声が聞こえた。元気になったか良かっ…うるせーなー少しは黙れよ。まだ入ってもいないんだよ。
「もう元気になったんだな。」
医務室にはベッドの上で座っている黄泉と先程の宣言通り桜花がいたが、桜花はでは~と言い笑顔で出ていった。
セイトが話し掛けると黄泉は驚いたようにこちらを向いた。
「なぜ、セイトがここに?」
「何か悪いか?」
黄泉はふっと笑いあたり前かのように言った。
「セイトは来るような奴とは思わなかったからな……でもありがとうだ。」
お、おう。まさかこいつが「ありがとう」だなんて言うなんて…。
か、かわいいだ、と?
顔が若干赤くなりそうになるのを隠すように話を続けた。
「そいえば、さっきなに言ってたんだ?大声で。」
「ああ、桜花に先程の発言は本艦の司令官としてどうかと思いますよって言われたのだ!あ、あとそれから!」
黄泉が子供のように思い出しながら、ふてくされながら、いつもの桜花にたいしての愚痴を言っている。
「そんなことがあったんだな。」
セイトは敢えていつものようにつっこんだりせずに優しく聞き続けた。
いつも黄泉は僕達以上に頑張っているんだ。
今ぐらいは[普通の少女]になってもいいんだ。だから聞き続けた。黄泉が楽しそうに話すのを。